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床上操作式クレーン・資格キングへの道 取材協力:コマツ教習所

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TOP > 資格キングへの道

資格キングへの道 工場で使える資格を普通の営業マンが皆さんに代わって体当たり取材。資格取得の難しさと感動をレポートします。

玉掛け技能をマスターするぞ!

建設現場や鉄工所などで大きな資材をクレーンで移動する光景は圧巻。そのつり荷をワイヤロープ等の玉掛け用具を用いて、クレーン等のつり具に取り付けたり取り外す作業が「玉掛け」とよばれる技能です。今回はこの玉掛けの資格にワークス梅島が挑みます!

資格挑戦第二回目の今回は、「玉掛け」。クレーン等の作業には欠かせないこの資格、3日間の技能講習を受けてきました。いざ、コマツ教習所東京センタへ向かいます。
技能講習の受講スケジュールは、修了している資格や期間によって日数や時間が異なります。今回はクレーン等の作業に係わる資格を持ってないので19時間のコースです。

受講スケジュール(学科12時間・実技7時間)
第1日目 学科講習(7時間50分)
第2日目 学科講習(4時間10分) 学科試験 実技講習(2時間)
第3日目 実技講習(5時間) 実技試験

「玉掛け」って、なに?

玉掛けの言葉の由来はいろいろありますが、古代の勾玉(まがたま)の形がフックに似ていることや、宝物(玉)を綱(ロープ)で吊し動物の背で運んだことから、その作業を玉掛けと呼ぶようになったなど、いずれにしても綱で大切なものを移動させる作業を指すようです。

一般に玉掛け作業とクレーンの運転とは別の作業です。つり荷の上げ下げや移動を操作するクレーンの運転は玉掛けとは別の資格が必要となります。クレーンの運転資格を持っていても玉掛けの資格がないとその作業はできませんし、その逆も、もちろんできません。
実際の玉掛けは、クレーンによってロープで固定した資材をつり上げ、移動させる一連の作業を指します。玉掛けはフォークリフトとならんで現場で必要とされる資格のトップ3にはいり、クレーンのある現場では必須の資格となっています。

第1日目 学科講習(7時間50分)

学科講習の1日目は、朝8時半からスタート。受講生は40人ぐらい、10代らしき若い人から年齢の高い人まで年齢構成はバラバラです。男性がほとんどですが、女性の方もチラホラ。
最初に受講スケジュールや資格の必要性などの説明を受けてから授業開始。割と分厚いテキストを配られ、学科2日間でこの内容を学習します。

最初の1時間は、「クレーンに関する知識」を学びます。
クレーンは動力を使って様々な形状の資材をつり上げ水平移動させます。その際に、ワイヤロープやチェーン、その他の玉掛け用具を使ってクレーン等のつり具に取り付けたり、取り外したりする作業が「玉掛け」と呼ばれます。
クレーンの種類や構造及びそれらの機能を学び、次に「クレーン等の玉掛けの方法」を教わります。
玉掛けで最も重要な用具の一つがワイヤロープです。ワイヤロープの正しい選択は、作業を安全に遂行するのに不可欠なスキルなので、ロープがつり荷の重さに耐えられずに破断しないよう安全荷重を導き出す計算式などの数式や公式を教わります。

物理の授業みたいだなぁ。昼食をはさみ、引き続き玉掛けの方法の授業が続きます。
荷の質量や重心の把握の仕方、つり角度や安全荷重について学んでいきます。一通り玉掛けの役割や作業に伴う用具の用途を理解し、次の授業項目「クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識」に進みます。
つり荷は重量の重いものを移動させる危険を伴う作業なので、事故につながらないように基本的な力学を熟知しておく必要があります。「力の三要素」、“大きさ"、“向き"、“作用点"を学習します。テキストに矢印を引いて力の合成や分解など力のつり合いの働きについて理解を深めました。

この日は教室での講習に終始し学生に戻った気分でしたが、玉掛け作業の重要性や基礎知識を怠ったために大事故につながった事例などを聞くと身が引き締まります。初めて聞く言葉や専門用語がたくさん出てきましたが、つみ荷のバランスをとるための力学などは、学生の頃に習ったことを思い出しながら取り組めたのでわかりやすかったと言えます。

第2日目 学科講習(4時間10分)学科試験 実技講習(2時間)

2日目のスケジュールは、午前中に昨日の続きで「クレーン等の玉掛けの方法」、その後「関係法令」を学びました。
関係法令では労働災害を防止し、安全に仕事を遂行するために国で定められた法律の知識を身につけます。

午後からは、「玉掛けの方法について」の授業を受け、そのあと学科試験となります。

学科試験はクレーン等に関する知識、力学、玉掛けの方法に関する知識、法令で計50問の○×式の問題が出題され、その他適切なワイヤの太さを算出する計算問題が2問出題されました。
自宅で復習した成果がでて、意外とスラスラ設問を解答。ただ、○×式とはいえ、授業をきちんと聞いて理解していないとわからない問題が多いと感じました。

結果はみごと合格!
玉掛けに関する知識は現場での安全に関わるだけに、真剣に学科へ取組んだせいかもしれません。


いよいよ実技講習に突入!

教室から実技講習場に場所を変え、まずは玉掛けに関する基本動作、合図、確認の仕方を教えてもらいました。
安全確認のための合図や点呼は、事故防止のため大きな声で行います。

基礎動作が終わると早速実技の練習に移ります。3人1組のグループに分かれ、玉掛けに係る一連の作業を行っていきます。3人にはそれぞれの役割があり、1名が玉掛け作業を指示する指揮者、残り2名は補助作業者として作業を行います。一連の動作のレクチャーを受けて本日は終了。
明日は一日実技講習と実技試験を行います。

第3日目 実技講習(5時間) 実技試験

最終日の3日目は、実技講習。ヘルメットを被り作業着と安全靴に身を包むと、気合い十分。
昨日習った作業手順をおさらいし、3人1組での実技練習を開始。

【指揮者が行う作業】

クレーン等(運転者)への合図により荷を「手」と「音声」でフックを誘導し、巻下げ、荷掛け、地切り(巻上げにより荷を地上から離し、一旦停止させる動作)、巻上げ及び運搬、巻下げ(着床)、作業終了。

残りの2人は指揮者の補助作業者として、指示に従い次の作業を行います。

【補助者が行う作業】

つり荷にワイヤロープを掛け、フックに目掛けをし、手かぎという道具を使ってワイヤの張りを確認。地切りの際のつみ荷の安定確認、運搬、着床後、荷が転がらないように歯止めをし、フックから目掛けを外します。最後にロープを荷から外し、ロープの点検、収納で終了。

この3ポジションを交代しながら練習していきます。

補助者の作業練習 ~2人の息を合わせてシンクロ率をたかめ、指揮者の指示を遂行!~

自分の順番は最後の方だったので、他の方の作業の動きをじっくり観察。一連の流れは頭に入れているつもりでも、次の行動が一瞬わからなくなり緊張。
そして自分の順番がまわってきました。

まずは、2人いる補助作業のAパートから。つり荷は鋼でできた丸棒で長さが2.2m、重さが900kg。棒の両端に補助員AとBがつき、真ん中に指揮者が立ち指示を与えていきます。3人のチームワークが必要とされる作業なので、他の2人とはもちろん初対面ですが、息を合わせて作業することが求められます。
補助者の作業で一番むずかしかったのは、つり荷へのワイヤロープの掛け方です。
今回は「あだ巻4本つり」と呼ばれる玉掛けを行いました。指揮者が最初に棒の真ん中に重心位置と両サイドにつり位置をマーキングしているので、そのつり位置にワイヤロープをあだ巻きで巻き付けていきます。
最初は緊張してうまく巻けません。ロープを巻くとロープの先端にある「アイ」と呼ばれる輪をクレーンのフックに掛けていきますが、両サイドで4本あるワイヤの目掛けを「外→内→内→外」の順番で掛けていきます。その際も、口頭で確認しながら動作を行います。
ロープがフックに掛かるとロープが寄らないように「手かぎ」という先端にフックのついた棒を2本使ってロープを整えていきます。位置を修正してその場から待避。
つみ荷がつり上げられ移動、着床し、荷が転がらないように両脇に歯止めをします。安定を確認した後、フックからアイを外し、最後にロープの点検をおこない、定位置にロープを収納します。

一連の動きを迅速で正確にできるよう練習していきます。補助パートA・Bが終わるとついに指揮者の順番がまわってきました。

ロープに傷があったら大事故につながるから点検は大事な作業だな
【補助者作業のポイント】

補助者は常に指揮者の行動に注意をはらって指示にしたがって正確に行動できるようにします。ロープの巻き方や位置によってつり上げた際のつみ荷のバランスが決まるので、指定されたポイントにしっかりと巻くことが重要。


作業指揮者の作業練習~点呼・点検を大きな声で、安全確認を徹底!~

バランスよく釣りあげるには最初のマーキングが大切!実技試験の採点対象は指揮者のみなので、指揮者の動きは完璧に覚えて実行しないといけません。ただし、補助者が行う作業や行動もすべて指揮者の採点対象になるので、補助者への的確な指示も必要となります。
指揮者は全体の状況を把握し、常に安全を確認しながら自ら行動し、補助者にも適切な指示を与えて作業を行うように努めます。流れを段取りとして覚えるのではなく、その行動がなぜ必要なのかを理解して実行すると、自ずと必要な行動だということがわかり、ミスも少なくなります。

指揮者で大切なことはやはり安全の確保。そのためには作業ひとつひとつを大きな声で確認し、点呼していくことです。慣れてしまうとつい怠りがちですが、練習でつかう鋼の棒でさえ、もしもつり上げ中にバランスがくずれたり、ロープが切れたりして落下してきたら、と想像すると自分の指示ひとつひとつに責任を感じます。

バランスを取るのが難しー!午後からは、いろいろな形状の荷に玉掛けを行う練習を行いました。
実際の作業現場では、練習で使ったバランスのとりやすい形状の荷だけではないので、いかにバランスをとって安全に荷を移動させるかを訓練します。L字型の資材や円柱などはどこにロープを掛けたらいいのかわからず、つり上げた時、斜めになり何度もやり直しました。様々な形状のモノをひと目で重さや重心点を見抜いて適切な太さのロープを選択し、正しい箇所にロープを巻くことができるようになるのは、相当な経験が必要。これらは玉掛け作業にとって重要な技術なので、計算式を理解するのはもちろん、経験によって磨かれていくスキルのようです。

実技試験~指揮者として自信を持って、慎重に正確に安全第一!~

実技は指揮者の合図でスタート。
手を挙げ補助者を集め作業開始を伝えます。練習で何度も行った行程をひとつひとつ丁寧に行います。大きな声でわかりやすく指示を出すことに注意して、安全確認をして作業を進行。
いい感じと手応えを感じた瞬間、次の動作が飛んでしまい、頭が真っ白に。焦るとよけいに次の行程が思い浮かばず、冷や汗が頬を伝ってきましたが、なんとか最後までやり遂げることができました。補助者の2人もてきぱきと動いてくれたので、一カ所ミスはあったものの、まずまずの出来で実技を終えました。

【実技試験のポイント】

指揮者として落ち着いてわかりやすく指示を出すこと。行程ひとつひとつを正確に行い、点呼、点検を徹底する。クレーン運転者、補助者とのアイコンタクトも忘れずに。

今回も無事修了。玉掛けの資格を取得しました。
この資格は取れて終わりではなく、現場で経験を積んではじめて活きてくる資格です。事故を未然に防ぎ安全に作業をするためには、今回学んだことを現場でも徹底し、いつも初心で行うことが大切だろう、と感じました。


資格取得に挑戦して

とにかく安全確認が第一。1に確認2に確認、3,4がなくて5に確認!

免許皆伝!玉掛けは安全確認を怠ると荷崩れやつみ荷の落下など大きな事故につながりかねない重要な作業です。このことは、実技講習をして肌で感じ取ることができました。指揮者、補助者それぞれが動作を行った後、ひとつひとつ確認しあい、事故防止に努めなければなりません。それだけ責任のある仕事なので、現場でこの資格は重要になっているのだと思います。
教習所の方に聞くと、玉掛けの講習希望者は増加傾向にあるとのこと。実際に持っていると就職の際有利に働くことも多いそうです。教習所でしっかり基礎を身につけて、現場で様々な資材を目測しただけで、適切な太さのロープや重心点を取れる玉掛け職人はカッコイイと思います。みなさんもがんばってください!

資格はココで取りました!

コマツ教習所株式会社
東京センタ

東京都八王子市七国3-55-1
TEL 042-632-0635
コマツ教習所株式会社東京センタ

玉掛け講習

玉掛け講習の受講についての詳細はコマツ教習所までお問い合せください。コマツ教習所は北海道から九州まで全国15ヶ所で講習を実施しております。
コマツ教習所株式会社

コースと受講資格
コース区分 現在保有している資格及び業務経験
15時間 ・クレーン運転士免許保有者
・移動式クレーン運転士免許保有者
・揚貨装置運転士免許保有者
・小型移動式クレーン技能講習修了者
・床上操作式クレーン技能講習修了者
19時間 ・上記資格を有しない方

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バックナンバー
Vol.3 床上操作式クレーンの資格取得体験記
Vol.2 玉掛けの資格取得体験記
Vol.1 フォークリフトの資格取得体験記