皆さま、こんにちは!「工場ワークス」です。

前回の記事では、製品が実際に作られる「製造現場」の多岐にわたる仕事内容とその魅力についてご紹介しました。しかし、工場は製造現場だけで成り立っているわけではありません。製品が滞りなく生産され、高品質を保ち、安全に届けられるためには、デスクワークで現場を強力にサポートする「管理部門」の存在が不可欠です。

今回は、工場全体の円滑な運営を支える縁の下の力持ち、管理部門の仕事について詳しく見ていきましょう。

管理部門のお仕事

工場には、製造現場をサポートする管理部門のお仕事もあります。デスクワークが中心ですが、現場と密接に関わりながら、工場全体の円滑な運営を支える大切な役割を担っています。

デスクワークで現場をサポート!工場事務のお仕事 

工場と聞くと、モノづくりをしている現場をイメージする人が多いかもしれません。実は工場には、モノづくりをしている人をサポートする工場内事務のお仕事があります。

工場事務のお仕事内容

工場事務は、一般的な事務作業に加えて、工場ならではのお仕事を担当することがあります。

  • 一般的な事務作業: 材料の仕入れや管理、伝票整理、パソコンへの入力作業、取引先との連絡などを行います。
  • 工場ならではの仕事: 機械の稼働状況の管理や、生産量・納期を管理しながら、必要に応じて生産スケジュールに応じて、現場に必要な情報を伝えたり、稼働状況を管理したりする調整役も担います。

工場事務の「やりがい」はなにがある?

  • 自分が関わったものが世の中へ: 食品や家電、車など、普段の生活に身近なあらゆるものが工場でつくられています。自分が関わった製品が世の中で使われているのを見ると、やりがいを感じられます。
  • モノづくりに間近で参加できる: オフィスの事務では関わることのない機械やモノづくりの音、工場員の仕事の様子を間近で体感できます。
  • コミュニケーション能力が発揮できる: 現場の状況に応じて材料の仕入れスケジュールを変えるなど、現場の人と密にコミュニケーションをとりながら仕事を進めます。

工場事務に向いている人とは?

  • 新しいことを学ぶのが好きな人
  • コミュニケーションに抵抗がない人
  • 突発的な変更やトラブルにも臨機応変に対応できる人

まずはこんなことに取り組んでみましょう!

  • パソコンスキルを磨く! WordやExcelなど、基本的なPCスキルは事務職にとって必須です。タイピング練習や、表計算ソフトの基本操作をマスターしておきましょう。
  • 簿記の知識を身につける! 伝票整理や経理業務に役立つ簿記の知識は、工場事務だけでなく様々な事務職で役立ちます。簿記3級などの資格取得を目指してみるのも良いでしょう。

例文:柔軟性をアピール!

「私は臨機応変な対応が得意です。以前のアルバイトでは、急な人手不足の際も、状況を素早く把握し、他の業務と並行してサポートに回ることで、全体の業務が滞りなく進むよう努めてきました。工場事務においても、現場の状況に合わせて柔軟に対応し、貢献したいと考えております。」

生産管理のお仕事内容とは?工場を動かす役割を解説! 

生産管理は一般にはなじみの薄い言葉かもしれませんが、工場全体を見渡して、必要なときに必要な分だけ製品を生産するための大切なお仕事です。無駄を出さないようにしながら納期を守り、必要な製品数をしっかり確保する「生産ラインの指揮官」のような役割と言えます。

生産管理の基本とは?

生産管理は、期日までに工場をどのように動かせばよいかを管理する仕事です。納品先の会社と打ち合わせをして、必要な数量と納期を決め、それに基づいて従業員の人数や機械の稼働スケジュールを組みます。

多数の生産方式がある

工場の生産方式によって、生産管理の仕事内容は異なります。

  • ライン生産方式:ベルトコンベアで製品を移動させながら加工・組み立てを行い、大量生産に向いています。
  • セル生産方式:1人または数人で製品を完成させる方式で、多品種少量生産に向いています。
  • ロット式生産方式:一度に決められた数量の製品を生産し、まとめて作り置きする方式です。
  • 個別式生産方式:オーダーに合わせて1つずつ作っていく方式で、職人の手作り製品などがこれにあたります。

生産管理のやりがい

  • 工場をコントロールできる: 部品や原材料の消費量と生産すべき製品数を見比べながら、生産計画を立てる面白さがあります。
  • モノづくりに参加している実感がある: 工場にとって中心となる生産ラインで製品を生み出す仕事なので、モノづくりに深く関わっている実感が得られます。
  • 自分の意見からコストを最小限に抑える: 効率的な生産計画を立てることで、部品や原材料費、電気代、人件費などのコスト削減に貢献できます。

まずはこんなことに取り組んでみましょう!

  • 時間管理のスキルを磨く! 日常生活の中で、何か目標を設定し、それを達成するための計画を立ててみましょう。例えば、「1週間で本を1冊読み終える」など、計画通りに進める練習をすることで、時間管理能力が養われます。
  • 問題解決の視点を持つ! 身の回りにある「もっとこうなったらいいのに」と思うことを、どうすれば改善できるか考えてみましょう。生産管理の仕事は、効率化やコスト削減のために課題を見つけ、解決策を考えることが求められます。

NG例:独りよがりな計画を立ててしまう

生産管理は、他の部署との連携が不可欠です。自分の意見を押し通すだけでなく、現場の状況や営業の要望などを聞き入れ、バランスの取れた計画を立てる柔軟な姿勢が重要です。

品質保証と品質管理の違いって?製品の質を守る二つの役割とは? 

食料品や薬、家電など、商品の裏に書いてある「お客様センター」という企業への問い合わせ先を見たことはあるでしょうか?これは、商品を買ってくれた人に満足してもらうために行う企業活動の一つです。企業内でそれらの役割を行うのが「品質保証」「品質管理」です。

品質保証とは?

品質保証は、出荷される製品や部品が「決められた品質」であるかどうかを確かめる仕事です。不良品が出た場合、原因を特定し、再発防止策を立てるのも品質保証の役割です。また、クレームをもとにした技術的な原因分析や再発防止策の策定を担うこともあります。商品に対する意見や要望を聞き、品質改善に役立てます。

品質管理とは?

品質管理は、商品を作る際に「どうすれば不良品を作らないか」などを考えるお仕事です。具体的に「どのように業務を改善するのか」という計画を決め、従業員に指示を出します。不良品の発生確率を数値目標として設定し、それを達成するために、改善手順を作成し、製造部門と連携して現場に展開します。

品質保証と品質管理の違いとは?

一般的に、品質管理は製造工程の中で不良を未然に防ぐ取り組みが中心で、品質保証は製品の完成後に品質を維持・確認する役割が強いですが、両者が連携して工程全体に関与することもあります。

まずはこんなことに取り組んでみましょう!

  • 品質管理に関する知識を学ぶ! 品質管理には「QC7つ道具」という分析方法があります。これらを調べて、どんな場面で使われるのか、どのように役立つのかを知ることで、仕事のイメージが湧きやすくなります。
  • 日常生活で品質に意識を向けてみる! 例えば、新しく買った電化製品の取扱説明書を隅々まで読んでみたり、食品の成分表示を細かく確認してみたりと、普段の生活の中で「品質」という視点を持ってみましょう。

NG例:クレームを他人事と捉えてしまう

品質保証の仕事では、お客様からのクレームに真摯に対応することが求められます。お客様の不満を「個人の問題」として片付けるのではなく、製品やサービスの改善点として受け止める姿勢が重要です。

工場の設備保全ってなに?どんなお仕事をするの?

 どんなモノでも、時間がたつにつれて古くなっていきます。しかし日頃からきちんと点検や修理を行えば、長く使うことができます。同じように、工場の機械や設備は定期的に点検・修理が行われ、長く安全に使い続けられる工夫がされています。設備保全はそのようなお仕事を行います。

設備保全とは? 

設備保全は、工場の機械を安全に動かすために、点検や修理を行うお仕事です。機械が故障すると生産性が落ちてしまうため、機械が壊れないようにしっかりと「保全」します。

設備保全のお仕事には大きく分けて2つの作業があります。

  • 事後保全: 調子がおかしくなった機械の原因を突き止め、故障を直す作業です。
  • 予防保全: 工場の機械を安定して動かすために、点検・修理・部品交換などを計画的に行う作業です。

設備保全のやりがいは

  • 故障の原因を突き止め、機械を直すことができる: 故障した機械を直せた時には大きな達成感を味わえます。
  • 工場を守る「機械の番人」として誇りを持てる: 工場にとって機械は最も重要です。機械が安定して稼働することで、製造作業を支えることができるのは大きな誇りになります。
  • コストを抑えた修理改善案で会社に貢献する: 故障を減らし、修理費を抑えることで、会社に貢献できます。

まずはこんなことに取り組んでみましょう!

  • 簡単な機械のメンテナンスを試してみる! 自宅の家電製品や自転車など、自分でできる範囲のメンテナンスをしてみましょう。ネジを締め直したり、油を差したりするだけでも、機械の仕組みや動きに関心を持つきっかけになります。
  • 「機械保全技能士」の資格を調べてみる! この資格は、設備保全の仕事に役立つ国家資格です。どんな知識が必要か、どのように勉強すれば良いかなどを調べてみましょう。

NG例:自己流で修理を進めてしまう

設備保全の仕事は、専門的な知識と技術が求められます。自己流で修理を試みると、かえって機械を壊したり、事故につながったりする可能性があります。必ず先輩の指導を受けたり、マニュアルを遵守したりして、安全第一で作業を進めましょう。

第二回では、工場全体の生産活動を支える管理部門の仕事に焦点を当てました。工場事務から生産管理、品質保証・品質管理、そして設備保全まで、それぞれの役割が連携し、高品質な製品を安定して供給するために欠かせない存在であることがお分かりいただけたかと思います。次回はいよいよ最終回。工場でつくられた製品が私たちの手元に届くまでの最終工程を担う「倉庫・物流」に関するお仕事についてご紹介します。

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