クレーンを操作するための主な資格

クレーンの操作に必要な資格は、扱うクレーンの種類や吊り上げられる荷物の重さによって細かく分かれています。

1. クレーン・デリック運転士免許

この免許は、工場内の天井クレーンだけでなく、建設現場で使われるような大型クレーンも操作できる国家資格です。免許には「限定なし」と「クレーン限定」の2種類があります。

  • クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
    • クレーンと、現在は数が少なくなっているデリックの両方を操作できます。
  • クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
    • クレーンのみを操作できます。

2. 床上操作式クレーン運転技能講習

吊り上げ荷重が5トン以上の床上操作式クレーンを操作するための資格です。床上操作式クレーンは、操縦者がクレーンにぶら下がって一緒に移動するタイプや、床からリモコンなどで操作するタイプがあります。工場で最も広く使われているクレーンの一つです。

3. クレーンの運転の業務に係る特別教育

吊り上げ荷重が5トン未満のクレーンを操作するための資格です。工場クレーンの入門的な位置付けで、比較的短期間で取得できます。

4. 玉掛け技能講習

クレーン作業で欠かせないのが「玉掛け」という作業です。これは、吊り上げる荷物にワイヤーロープなどをかけてフックにかけたり外したりする作業のことで、クレーンを操作する人とは別に、この作業を行う人が必要です。吊り上げ荷重が1トン以上のクレーンや移動式クレーンを使用する場合、この玉掛け技能講習を修了した人が作業にあたることが法律で義務付けられています。

資格取得までの流れと講習内容

各資格の講習は、基本的に「学科」と「実技」で構成されています。

  • 床上操作式クレーン運転技能講習・玉掛け技能講習
    • これらの資格は、教習所で学科と実技の両方を受講することで取得できます。講習は通常2〜3日間で修了します。
  • クレーン・デリック運転士免許
    • 学科試験:全国の安全衛生技術センターで実施される国家試験に合格する必要があります。
    • 実技試験:教習所で実技講習を受けて修了するか、安全衛生技術センターで実施される実技試験に合格する必要があります。教習所の実技講習は数日間かかります。

資格取得にかかる費用と日数

資格の種類や、すでに持っている免許・技能講習の有無によって費用や日数は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

資格の種類日数(目安)費用(目安)
玉掛け技能講習3日間25,000円程度
床上操作式クレーン運転技能講習3日間35,000円程度
クレーン・デリック運転士免許学科試験・実技試験の準備期間を含む100,000円〜150,000円程度

※費用にはテキスト代、受験料、講習料などが含まれます。教習所や地域によって料金は変動します。

工場での仕事に興味があれば、クレーンの特別教育や玉掛け技能講習から始めてみるのも良いでしょう。

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