最終学歴が高卒であることで「将来の給料は大丈夫かな」「この先年収は上がっていくのかな」と不安を感じることもありますよね。たしかに現在の日本の労働市場においては、学歴による給与や昇給ペースの違いが存在するのが現実です。

ですが焦る必要はありません。選択する業界や働き方、スキルの身につけ方次第で、大卒以上の高収入を手に入れている高卒出身者は数多く存在します。公的データをもとに高卒のリアルな平均年収をお伝えしつつ、今から学歴不問でしっかり稼げる仕事や具体的なキャリア戦略を詳しく解説していきます。

【2026年最新】高卒の平均初任給はいくら?

まずは、現在の高卒初任給が日本全体でどのくらいの水準にあるのか、最新の統計データをもとに確認していきましょう。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から見る最新データ

厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/dl/10.pdf)

の令和6年度のデータによると、高卒者の初任給の全国平均は約19万7,500円となっています。近年は人手不足の背景や物価上昇に伴い、初任給を引き上げる企業が増加していることもあり、高卒採用の初任給は上昇傾向にあります。

男女別の初任給に差はある?

男女別の平均初任給を見ると、男性が約20万500円、女性が約19万1,700円となっています。この差は、男女間で配属される業界や職種、あるいは現場仕事などの各種手当の有無による違いが主な要因です。基本給自体を男女で差別することは法律で禁じられているため、選択する仕事内容や勤務シフトによって数千円程度の初期差が生じる現状があります。

要注意!初任給の額面と「手取り額」は違う

求人票に記載されている「初任給」の金額がそのまま全額口座に振り込まれるわけではありません。実際に使えるお金である「手取り額」を事前に把握しておくことが、入社後の生活設計に不可欠です。

一般的に、給料の手取り額は額面の「約80%から85%」と言われています。例えば、高卒初任給の平均額である19万円の場合、実際に口座に振り込まれる手取り額は約15万2,000円前後に留まります。

一人暮らしで家賃や生活費をすべて自分で支払う場合、毎月大きな余裕を持つのは簡単ではないかもしれません。将来的な生活水準を引き上げるためには、給料のベースが高い環境へステップアップしていく視点が重要になります。

初任給から天引きされる税金と社会保険料の内訳

給料から差し引かれるものには、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料といった「社会保険料」と、所得税などの「税金」があります。なお、住民税は前年の所得に対して課税される仕組みであるため、社会人1年目の4月の給料からは天引きされず、2年目の6月から天引きが始まります。そのため、2年目になって手取り額が少し減るように感じるケースもあることを覚えておきましょう。

【学歴別】大卒や専門卒との初任給の差を徹底比較

学歴によってスタート時点の給与には明確な差が存在します。ここでは大卒、専門卒、短大卒などとの違いを数値で比較します。

大卒との初任給比較|月収で約5万円の差

厚生労働省の調査によると、大卒の平均初任給は約23万7,300円であり、高卒の約18万6,800円と比較すると月収ベースで約5万円の差が開いています。これを年間換算すると、基本給だけで約60万円近くの差がつき、賞与の算出基準も基本給に連動することが多いため、実際の年収差はさらに大きくなります。

専門学校・短大・高専卒との初任給比較

専門学校卒の平均初任給は約21万4,500円、短大・高専卒の平均初任給は約21万4,600円となっています。高卒と比較すると、専門学校卒で約2万7,000円、短大・高専卒で約2万7,800円高く設定されています。高等教育機関で2年から3年間、専門的な知識や技術を学んできたことへの対価として、初任給が少し高めに設定されているのが特徴です。

なぜ学歴によって初任給に差がつくのか?その理由を解説

この格差が生じる大きな理由は、企業側の期待値と役割の違いにあります。多くの企業では職能資格制度や等級制度を採用しており、学歴ごとにスタート時の等級を分けています。大卒者は将来の幹部候補や企画立案、管理業務を期待されて採用されることが多く、高卒者は主に現場の実務や専門作業を早期から担うことを期待されるため、初期設定の基本給に差が生じます。

初任給はここで変わる!地域・業界・企業規模による違い

高卒の初任給は、すべての企業で一律に決まっているわけではありません。働く場所や選ぶ業界、会社の規模によって、驚くほどの開きがあります。

【地域別】給与が高いのはやっぱり都市部?都道府県別ランキング

地域ごとの高卒初任給の平均を見ると、最も高いのは東京都で約19万9,600円となっており、神奈川県や大阪府などの都市部がそれに続きます。一方で、最も低いのは青森県で約16万4,500円、その他地方都市では16万円から17万円台が主流です。都市部は最低賃金が高く、物価や家賃などの生活コストも高いため初任給も高めに設定されていますが、地方は生活費が抑えやすい一方で給与水準も控えめになります。

【業界別】高卒の初任給が高い業界・低い業界

業界による違いも顕著です。高卒の初任給が18万から20万円以上と高水準なのは、建設業、運輸業・郵便業、製造業などの人手不足が深刻な現場系の業界や、急成長を続けるIT・情報通信業界です。一方で、小売業、サービス業、飲食業界などは、参入障壁が低く利益率の兼ね合いもあり、16万から17万円台と比較的低めに推移する傾向があります。

【企業規模別】大企業と中小企業で初任給はどれくらい違う?

企業の規模によっても初任給は変動します。大企業では高卒初任給でも18万5,000円以上、福利厚生を含めた実質的な待遇が良いことが多いです。一方で、中小企業では、17万円台からスタートすることが一般的です。ただし、中小企業の中には特定のニッチ分野で高いシェアを持ち、大企業並みの初任給を出す優良企業も存在します。

将来の給料は自分で上げる!高卒から収入をアップさせる5つの方法

高卒だからといって、将来ずっと低い給料のままということは決してありません。入社後の本人の取り組み次第で、大卒の平均年収を追い抜くことも十分に可能です。

役立つ資格を取得して「資格手当」を狙う

最も確実で即効性があるのが、業務に関連する資格の取得です。多くの企業では、国家資格や特定の技術資格を保有している社員に対して、毎月数千円から数万円の資格手当を支給しています。資格取得による手当は基本給に上乗せされるだけでなく、社内での知識評価の証明にもなり、昇進の査定においても大変有利に働きます。

専門スキルを磨き、替えのきかない人材になる

日々の仕事の中で専門的な実務スキルを極め、社内で「この仕事なら彼に聞けば間違いない」と言われるだけの専門性を身につけることが重要です。最新の機械操作、高精度な溶接技術、顧客との交渉力、あるいは現場を円滑に回すマネジメント能力など、替えのきかないスキルを磨くことで、会社にとって手放したくない存在となり、昇給交渉や賞与査定での評価が格段に高まります。

成果が給与に反映されやすい「実力主義」の仕事を選ぶ

年功序列の傾向が強い職場では、どれだけ努力しても給与の上がり幅が一定に制限されてしまいます。そこで、個人の成果や実績がダイレクトに給与に反映される「インセンティブ制度」を取り入れている業界や、実力評価型の人事制度を敷いている企業を選ぶのも一つの手です。頑張った分だけ同年代より早く高収入を手に入れることができます。

社内での昇進・昇格を目指しキャリアアップする

高卒であっても、真面目な勤務態度と実力があればリーダー、主任、係長、そして管理職へと昇進していくチャンスはどの企業にもあります。役職が付くことで役職手当が支給されるようになり、基本給のベース自体も大きくアップします。早い段階から周囲の信頼を勝ち取り、チームを率いる視点を持って仕事に取り組むことが昇格への近道です。

経験を積んでより待遇の良い会社へ転職する

現在の職場で十分な経験と実績を積んだ後、その専門スキルを武器に、より給与水準や労働条件の良い他社へ転職する「ステップアップ転職」も効果的です。特に20代中盤以降の転職市場では学歴よりも「これまでに何ができるようになったか」という実務経験が最重視されるため、培った実力次第で年収を大きく跳ね上げることができます。

高卒でも高収入が狙える!おすすめの職種・業界4選

高卒からのキャリアスタートで、将来的に高い給料や安定した生活を手に入れやすい、おすすめの職種と業界をご紹介します。

営業職

営業職は学歴を問わず、本人のコミュニケーション能力や提案力、そして熱意による成果が最も評価される職種です。自動車販売や住宅、保険などの個人向け営業から、メーカーや商社の法人向け営業まで幅広く、成約件数に応じた歩合給がつくことが多いため、20代のうちから大卒以上の高年収を得ている人が多数在籍しています。

ITエンジニア

IT業界は極めて強い実力主義の世界であり、学歴よりもプログラミングスキルやシステム構築の知識、開発の実績が評価されます。未経験からでも研修制度が整っている企業に就職し、必死に手を動かして技術を吸収すれば、数年でフロントエンドやバックエンドのシステム開発を任されるようになり、高単価の案件をこなす高収入エンジニアへの道が開かれます。

建設・インフラ関連

建設業界や電気、ガス、水道といったインフラ関連の仕事は、社会を支える基盤であり、常に一定以上の需要があります。危険を伴う作業や専門資格が必要な工程が多いため、初任給の段階から高めに設定されていることが多く、各種手当も手厚いのが特徴です。施工管理などの上位職種を目指すことで、長期的かつ非常に安定した高収入を得ることができます。

製造業(期間工など)

日本の基幹産業である自動車や半導体の製造工場は、高卒者の大きな活躍の場です。大企業の直接雇用として正社員雇用されるルートがあるほか、期間契約社員として働くことで、高い基本給に加え、満了慰労金や無料の寮完備といった破格の待遇を得ることができます。短期間でまとまった貯金を築き、独立や将来の資産形成の足がかりにすることが可能です。

初任給の額面だけで決めない!後悔しないための仕事選びのポイント

求人票の初任給の高さだけを目安に応募先を決めてしまうと、入社後に後悔することになりかねません。真の安定と豊かな生活を送るために、チェックすべき多角的な視点を解説します。

「昇給率」と「賞与(ボーナス)」の実績を確認する

初任給が他社より1万円高くても、その後の昇給が年に数百円しか上がらなければ、数年で昇給率の良い他社に追い抜かれてしまいます。また、年間の賞与が何ヶ月分しっかりと支給されているかどうかも、年収総額に大きな影響を与えます。過去数年間のボーナス平均実績や、昇給率について確認しておくことが極めて重要です。

住宅手当や寮など、生活を支える「福利厚生」も重要

手取り額を大きく左右するのが福利厚生の充実度です。例えば、額面給与が20万円で住宅補助がない企業と、額面が18万円でも「社宅・独身寮に月1万円で住める」企業では、実質的な可処分所得は後者の方が圧倒的に高くなります。家族手当や通勤手当、退職金制度など、生活を守る各種サポート体制が整っているかを確認しましょう。

大卒にはない「4年間の実務経験」という強みを活かす

高卒就職における最大の武器は、大卒者が大学に通っている4年間の時間を、すでに「社会人としての実務経験」に充てられる点です。大卒の新入社員が右も左もわからず入社してくる22歳の時点で、あなた自身はすでに現場の第一線で活躍する勤続4年のベテランになっています。この4年間のアドバンテージを活かして、役職を獲得したり専門資格を網羅しておくことで、大卒以上のキャリア構築が可能になります。

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まとめ:初任給はあくまでスタート地点。将来を見据えたキャリアプランが大切

高卒時の初任給の数字だけを見れば、大卒などの高等教育修了者との差に一瞬落ち込んでしまうことがあるかもしれません。しかし、初任給はあなたの職業人生におけるスタート地点の数字に過ぎません。高卒就職には「4年早く社会経験を積める」という計り知れない強みがあります。この強みをフルに活かして、着実に実務経験を積み、資格や専門知識を自発的に獲得していくことで、将来の年収やキャリアの選択肢は無限に広がっていきます。まずは目先の額面にとらわれず、教育体制が整い、自分が安定して長く働ける企業を見つけ、自信を持って社会への第一歩を踏み出していきましょう。

高卒の初任給に関するよくある質問(Q&A)

ここからは、高卒の初任給やそれに伴う今後の生活設計について、就職活動中の方や新入社員の方から特によく寄せられる疑問に回答します。

Q. 高卒の初任給で一人暮らしは可能ですか?

結論から申し上げますと、工夫次第で十分に一人暮らしは可能です。初任給の手取りが約15万円と仮定した場合、家賃を5万円程度に抑えられる地域や、会社の家賃補助、社員寮などを活用できる環境であれば、毎月一定額の貯金をしながら安定して生活していくことができます。ただし、最初から都心の一等地に住むのは無理が生じるため、家賃相場と実質手取りのバランスを慎重に見極める必要があります。

Q. 最初の給料が少ないのはなぜ?(日割り計算)

多くの企業では、新入社員に対して4月25日や4月末日に最初の給料を支払いますが、その金額が予想より極めて少なく驚く人が多くいます。これは給料の計算期間の関係上、入社日から締め日までの実働日数が短いために、初月は日割り計算で給与が算出されるためです。また、入社手続きや研修期間中の扱いが影響していることもあるため、就業規則や契約内容を確認してみることをお勧めします。

Q. 給料に不満がある場合はどうすればいいですか?

現在の給料に不満を感じる場合は、まず自分が会社にどれだけの利益や価値をもたらしているかを客観的に評価してみましょう。その上で、社内評価を高めて昇給を直談判する、または資格を取得して手当を獲得する努力が必要です。それでも会社の評価制度自体が機能していないと感じる、あるいは業界の基準そのものが低すぎる場合は、磨いてきたスキルと4年間の社会人経験という強みを引っ提げて、より正当な待遇を用意してくれる企業へ転職することが最も現実的な解決策となります。

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