派遣社員として働いていると、退職金は正社員だけのものだと思いがちですよね。しかし、現在の法律では派遣社員にも退職金が支払われる仕組みが整っています。
制度の仕組みを正しく知っておくことで、将来のお金に関する不安を軽減できます。この記事では法改正による新しいルールや自分のもらえる金額の目安について解説します。
結論:2020年4月から派遣社員も退職金がもらえるようになりました

2020年4月の法改正により、派遣社員も退職金を受け取ることが可能になりました。
すべての派遣会社に制度の導入が義務付けられており、派遣だからという理由だけで退職金を一切支給しないことは原則として禁止されています。工場や製造現場で働く派遣スタッフも労働の対価として退職金を受け取る権利があります。
(厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html)
制度が変わった背景にある同一労働同一賃金とは
この変化の背景には「同一労働同一賃金」という法律の施行があります。
「同一労働同一賃金」とは、「同じ会社で同じ仕事をする労働者であれば、雇用形態に関わらず不合理的な待遇差を設けてはならない」という原則です。基本給やボーナスだけでなく福利厚生や退職金についても不合理な差別が禁止されたため、派遣会社は退職金制度を整えることになりました。
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派遣社員の退職金を左右する2つの方式
派遣社員の退職金制度には「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2種類が存在します。
派遣会社はどちらかの方式を選んで適用しており、どちらが採用されているかによって待遇の決め方が変わります。
「派遣先均等・均衡方式」の特徴
派遣先均等・均衡方式は、「派遣先の企業に勤める正社員と同じ基準で給与や退職金を計算する仕組み」です。
大手自動車メーカーなどの高待遇な工場に派遣される場合、正社員と同等の手厚い退職金を受け取れる可能性があります。一方で派遣先が変わるたびに基準が変わるため、長期的な資金計画が立てにくい面もあります。
多くの派遣会社が採用する「労使協定方式」の特徴
労使協定方式は、派遣会社と労働者代表が協定を結び、国が定める同種職種の平均賃金以上の待遇を保証する仕組みです。
現在では多くの派遣会社がこの労使協定方式を採用しています。全国の職種平均に基づいた安定した基準が適用されるため、派遣先が変わっても待遇が極端に変動しにくいメリットがあります。
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派遣社員の退職金は主に4種類!自分のタイプを確認しよう

派遣社員の退職金の支払い方法は主に4つのタイプに分かれています。
自分がどのタイプで契約しているかによって、お金を受け取るタイミングや手取り額に大きな違いが生まれます。
1. 退職金前払い制度(毎月の時給に上乗せ)
退職金前払い制度は、毎月の時給に退職金相当分を上乗せして給与と一緒に受け取る方法です。
労使協定方式では基本給の5%相当を時給に加算する形が一般的です。毎月の手取り額が増えるため、短期間の勤務であっても働いた分だけ確実に退職金相当額を回収できる魅力があります。
(厚生労働省|労使協定方式に関するQ&A(集約版) https://www.mhlw.go.jp/content/001046173.pdf)
2. 退職金積立制度(退職時に一括で受取)
派遣会社が独自または国の基準に沿って退職金制度を用意し、退職時に一括で支給するタイプです。
一般の正社員と同じように退職するタイミングでまとまったお金が手に入ります。勤続年数が3年以上であることが支給条件となるケースが多いものの、まとまった資金を退職後の生活費などに充てやすい特徴があります。
3. 中小企業退職金共済制度(国のサポートによる外部積立)
中小企業退職金共済制度(中退共)は、国がサポートする外部積立型の退職金制度です。
派遣会社が毎月共済へ掛け金を積み立て、退職時に共済から直接本人の口座へ退職金が振り込まれます。万が一派遣会社が倒産した場合でも、積立金は外部で安全に管理されているため確実に受け取れる安心感があります。
(制度について|加入をご検討中の方(制度について知りたい)|中小企業退職金共済事業本部(中退共) https://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/kentou/seido/)
4. 派遣先の退職金制度(派遣先の正社員と同等)
派遣先均等・均衡方式が適用されている場合に該当し、派遣先の正社員向けの退職金制度が適用される方法です。
派遣先が大企業であれば高水準な退職金が期待できます。ただし派遣契約の終了に伴って精算されることが多く、長期的な受給要件を満たすハードルはやや高めです。
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派遣の退職金はいくら?計算方法と金額の目安

それでは退職金はどのくらいもらえるのでしょうか。もらえる退職金の具体額は適用されている制度によって計算式や相場が異なります。
前払い方式と一括支給方式のそれぞれについて具体的なシチュエーションで計算してみましょう。
退職金前払い制度の場合の計算例
基本給に対して5%を時給に上乗せする前払い制度の場合、時給単価に直接反映されます。
例えば基本時給が1,500円の工場求人の場合、5%にあたる75円が加算されて時給1,575円となります。1日8時間で月20日(160時間)勤務した場合、月額12,000円、年間で約14万円が退職金分として毎月の給与に上乗せされて支給されます。
退職一時金制度の場合の計算例と勤続年数別の相場
退職時に一括で受け取る退職一時金制度では国の局長通達等で示される特定の統計データに基づいた支給月数が用いられます。
厚生労働省の同等以上を確保するための通知資料などでは勤続年数に応じた支給月数の指標が提示されています。試算モデルとしては勤続3年で1.2ヶ月分、勤続5年で1.9ヶ月分、勤続10年で4.1ヶ月分などがひとつの目安とされています。
例えば基本月給が20万円の派遣スタッフが同じ派遣会社で3年間勤続して退職した場合、20万円×1.2ヶ月分で24万円が支給目安となります。5年間勤続した場合は20万円×1.9ヶ月分で38万円が目安となります。勤続年数が長くなるほど算定率が高くなる仕組みになっています。
(厚生労働省「労使協定方式に関する局長通達(派遣労働者の賃金等の算定基準)」https://www.mhlw.go.jp/content/001547248.pdf)
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退職金にかかる税金と手取り額の違い
退職金の受け取り方によっては、かかる税金や社会保険料の計算ルールが変わります。
退職時に一括でもらう一時金は「退職所得」として扱われます。退職所得には手厚い控除があり、勤続20年以下の場合は勤続1年につき40万円までは税金がかかりません。例えば勤続3年なら120万円まで非課税となり、支給額が丸ごと手元に残ります。
一方で毎月の時給に上乗せされる前払い制度は通常の給与所得になります。所得税や住民税に加えて健康保険や厚生年金などの社会保険料の対象にもなるため、額面が同じであっても最終的な手取り額では一時金方式の方が得になるケースがあります。
(国税庁|退職金と税
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm
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将来のために今すぐできる3つのこと
退職金制度を有効活用して損をしないために、今すぐ始められる行動があります。
まず行うべきことは、「現在の労働条件通知書や雇用契約書を確認すること」です。自分の退職金が前払い方式なのか一時金方式なのかを把握することで、今後の働き方や貯蓄の計画が立てやすくなります。
次に、これから仕事を探す場合は退職金制度が充実している派遣会社や工場求人を選ぶことです。「工場ワークス」などの専門求人サイトを活用すれば、待遇面が明確な求人を効率よく検索できます。
さらに、iDeCoやNISAなどの資産形成を併用することも有効です。派遣社員の退職金だけに頼らず少額から積み立てを行うことで、将来の資金的な安心感を一層高めることができます。
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まとめ
法改正以降、派遣社員も退職金を受け取れる環境が整備されました。
前払い方式で毎月の手取りを増やすか、一時金方式で数年後にまとまった資金を受け取るかによってメリットは異なります。ご自身の契約内容をしっかり確認し、希望する働き方に合った派遣会社や工場求人を選択することが大切です。
制度を正しく理解し、工場ワークスなどで自分に合った好条件の仕事を見つけて、安定したキャリアと生活を手に入れましょう。
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記事に関するQ&A
Q. 自分の退職金制度はどこで確認できますか?
派遣会社から交付される労働条件通知書や雇用契約書、または就業規則で確認できます。書類を見ても分からない場合は、登録している派遣会社の担当窓口へ問い合わせることで回答を得られます。
Q. 退職金はいつ支払われますか?
前払い制度の場合は毎月の給与支給日に支払われます。退職一時金制度の場合は派遣会社を退職したあと、1ヶ月から3ヶ月程度で指定口座に振り込まれるのが一般的です。中退共の場合は手続き完了から数週間で共済から直接振り込まれます。
Q. 勤続年数が3年未満でも退職金はもらえますか?
前払い制度であれば勤務初月から毎月の給与に上乗せして支払われます。一方で退職一時金制度や中退共の場合は、支給対象を勤続3年以上と定めている派遣会社が多いため、3年未満の退職では受け取れない可能性があります。
Q. 派遣会社や派遣先が変わった場合、勤続年数はどうなりますか?
同じ派遣会社に所属したまま別の派遣先工場へ異動した場合は勤続年数が引き継がれます。しかし派遣会社自体を変更した場合は勤続年数がリセットされ、新しい派遣会社で1年目からのカウントとなります。
Q. 退職金なしの派遣求人は違法ではありませんか?
同一労働同一賃金のルールがあるため、退職金相当の措置が全くない求人は違法となる可能性が高いです。ただし求人票の時給の中にすでに退職金前払い分が含まれているケースもあるため、内訳の記載を確認することが重要です。
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