
期間工とは?どんな仕事?
期間工とは、期間従業員とも呼ばれる「工場で勤務する期限付きの契約社員」のこと。「期間契約社員」や「期間従業員」とも呼ばれることもあります。
かつては「季節工」とも呼ばれていて、季節の変わり目や農閑期などに働きに出るスタイルが主流でした。
契約期間は会社や契約によって異なりますが、2週間から最長で2年11ヵ月までと様々です。
また、工場の作業員は派遣社員であることも多いのですが、期間工は会社による直接雇用であるため、派遣会社から派遣されるわけではないのが派遣社員との大きな違いです。
現在では、自動車メーカーや自動車部品メーカーを始め、重機や航空機などの製造メーカーの工場などで直接雇用される求人が再び増えており、安定性と高収入を両立できる働き方として注目されています。
期間工の仕事内容
期間工の仕事は、専門性が必要な作業ではなく、未経験でもできる単純作業がほとんどです。実際どの作業を担当するかは企業側が割り振るため、応募者自ら担当を決めることはできません。
体力が必要な作業ばかりではなく、機械の操作や軽作業が主となっている場合も多いため体力に自信がない方でも安心して作業することができます。
期間工の平均年収・手当について
期間工は、時給や日給が高く設定されていることが多く、日給は10,000円前後であることが多いです。時給換算すると1,200円以上ですが、交代制勤務や残業があると手当てもつきますし、3ヶ月や6ヶ月などの期間を満了する度に満了金とよばれる手当が支給されることがほとんどのため、実際には月収約30万円、平均年収例約450万円などが一般的です。企業によっては、年収例600万円を超える企業もあります。
期間工のメリット
未経験でも働きやすい
先ほども上げた通り、未経験でも手厚い給与や待遇を受けることができます。また、学歴不問の求人も多いため、短期間で高収入を得たい方に人気です。
高収入・手当が充実している
期間工につく手当ては満了金のほか、皆勤手当や休暇手当などがあります。交替制勤務をする際には夜勤手当や交替勤務手当などがあり、会社によっては、入社して一定期間後に入社祝い金や赴任手当、特別手当、経験者手当などが支給されることもあるようです。地方から入社・入寮する場合には赴任旅費が支給される会社もあるので遠方から来る人も安心ですね。
経験者手当には支払い条件は2つあり、
・契約満了認定者(6ヵ月以上)
・初回の給与支払日に在籍
を満たせば支給されます。
経験者は、前回の契約期間に応じて基本給が上がる場合も多く収入増が見込めます。ただし規定上、同じ企業で契約満了後すぐに再雇用されることは禁止されています。期間工として再契約できるのは、契約満了から6ヵ月後となるため注意してください。
また、満了金などの各種手当は、誰でももらえるとは限りません。ほとんどの会社では、期間中の出勤日数や比率などの支給条件が設けられています。遅刻や早退の日数が多いと、手当ては支給されないことがあるので、注意しましょう。
寮完備・生活費のサポートがある
大手メーカーには、期間工などの従業員のための寮が用意されています。
部屋はワンルームが多いですが、一人一部屋が割り当てられるので、プライバシーも確保されています。ベッドや洗濯機など、生活に必要な家電や家具などは、寮の各部屋または共用部屋に用意されているので、買いそろえる必要はありません。
寮費や水道光熱費が無料となっていることも多く、食事はリーズナブルな食堂でとることもできるため、基本的な生活費はほとんどかからないと言ってよいでしょう。また期間工の寮から勤務地へは、企業ごとに送迎用のバスがあるため、交通費もかかりません。
入寮を考えている方は、応募前にしっかりと入居条件を確認しておくことをおすすめします。
正社員登用制度があることも
期間工には、正社員登用制度が設けられています。正社員登用の比率はおおむね10%前後と高く、期間工から正社員へキャリアアップする方も少なくありません。
登用の条件は企業ごとに異なりますが、一般的に20代〜30代の若年であること、期間工としての1年以上の勤務経験を有すること、そして上司による推薦が必要です。
期間工の正社員登用試験には、筆記試験と面接のプロセスがあります。
筆記試験では、中学卒業程度のレベルの国語や数学についての問題が出題されます。一方の面接では、期間工としての経験や経歴、就業意欲などについて聞かれることが多いようです。
これらの試験の結果と、普段の勤務態度などを合わせて、正社員登用に値する人物かどうかが判断されます。
大手メーカーの正社員になれば安定して収入を得られるのも魅力的ですね。
期間工のデメリット
どんな仕事もですが、期間工の仕事にもメリットだけでなくデメリットもあります。
キャリアを積みにくく雇用が不安定
期間工の仕事は製造のライン業務がほとんどのため、単純な作業を繰り返し行うことになります。業務の中で専門知識を身に着けにくいことから、キャリアが積みにくいのもデメリットとして挙げられます。
期間工は採用される段階からあらかじめ期間が定められており、長期雇用を前提としていません。基本的に期間が満了すると契約終了(退職)となります。また、雇用の安定性も少なく、元の期間よりも早く契約を切られてしまう恐れもあります。
夜勤・日勤を繰り返すので生活リズムが不規則になる
期間工の勤務体系は、夜勤を含む2交替制・3交替制となるのが一般的です。基本的に日勤と夜勤のシフトを数日~1週間ごとに交替で繰り返すため、体調が不安定になる人も多いようです。
力仕事で体力が必要
期間工の仕事では、重い荷物を持ったり運んだりといった力仕事がある場合があるため、体力に自信がない方にとっては不向きな仕事だといえるでしょう。また、配属先に重労働がなくても、ライン作業は立ち仕事が基本なので、足腰に痛みを感じやすい人にとっては大きなデメリットです。
寮生活が大変
工場は街から離れた場所にあることが多く、期間工の方向けに寮を完備していることが多いです。しかし、勤務先によっては寮が相部屋だったり水回りは共用の場合があり、生活が合わず負担に感じる人もいるでしょう。
期間工へ応募してから働くまでの流れ
基本的には「応募→面接準備→面接→内定→入社」という流れであることがほとんどです。入寮希望の方は内定後に入寮することができます。
面接で何を準備したら良いか気になる方はこちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
また、期間工として契約をする際には健康診断を行うことがあります。期間工の仕事の中には体を動かすものもありますが、基本的には私生活に支障がない程度の健康状態であれば特に問題はありません。
まとめ:短期間で高収入を得るなら期間工がおすすめ
これまで期間工について紹介してきました。「仕事が大変そうだな」というイメージを持たれる方もいるかも知れませんが、生活費を押さえて給料を稼げるのは魅力的ですよね。
未経験から正社員を目指すことも可能なので「短期間で稼ぐより、長期で安定して稼ぎたい」という方にもオススメです。
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