期間工の仕事内容や種類、勤務地、収入、手当、寮、正社員登用制度についてご紹介します。また、仕事内容や勤務時間・休日についても解説します。
期間工とは?
期間工とは、工場で勤務する期限付きの契約社員のことで、「期間契約社員」や「期間従業員」とも呼ばれることもあります。
契約期間は会社や契約によって異なりますが、2週間から最長で2年11ヵ月までと様々です。期間工は、自動車メーカーや自動車部品メーカーを始め、重機や航空機などの製造メーカーが求人を出していることもあります。
大手メーカーの期間工に応募する場合、勤務先は全国各所にあることも多く、採用のタイミングによっては勤務地の希望を出すことも可能です。雇用形態としては、会社が直接雇用する場合と、派遣会社から派遣される場合とがあります。
期間工の仕事は、未経験でも働くことができるため採用のハードルが低く、給与や待遇も手厚いため、短期間で高収入を得たい方に人気の職種です。
期間工の仕事内容に関して
期間工の仕事は、専門性が必要な作業ではなく、未経験でもできる単純作業がほとんどです。
体力が必要な作業ばかりではなく、機械の操作や軽作業が主となっている場合も多いため、体力に自信がない方でも安心して作業することができます。
例えば、自動車製造メーカーでは、自動車の溶接や組み立て、検査などの各工程に分かれて、ライン作業を行うのが一般的です。一方で、自動車部品メーカーは、部品の組み立てや検査など、細かい作業が多いのが特徴です。ただし、期間工へ応募しても実際どの作業を担当するかは企業側が割り振るため、応募者自ら担当を決めることはできません。
担当する仕事によって、勤務形態や残業の有無が異なることもあるので注意が必要です。
自動車車体製造メーカー
まずは、自動車の車体製造メーカーの期間工の仕事内容についてご紹介します。期間工の募集をしているのは、大手自動車メーカーが中心です。
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- マツダ
- 本田技研工業
- スバル
自動車の車体は、主に機械を使って製造を行うため、補助的な作業に人の手が必要となります。そのため期間工が行う仕事は、機械の操作やパーツの取り付け、検査などの仕事が主となります。
ただ、重い部品を扱うこともあるため、自動車車体製造メーカーの期間工はある程度の体力が必要な仕事と言えます。
溶接
プレス加工したパネルから、車体を組み立てていくのが「溶接」の作業です。溶接の工程で期間工の方が担当する可能性があるのは、以下の作業です。
- 溶接用ロボットや機械の操作
- パーツの取り付けやセット
- 細かい部分の溶接
- 溶接後の検査 など
基本的には、大まかな溶接はロボットや機械が行い、ロボットでは溶接できない細かい部分の溶接作業や、溶接するパーツのセットなどには人の手が必要です。
溶接作業が完了した後、さらに目視による検査を行います。
検査が終われば、溶接の工程は完了です。
塗装
溶接が完了したら、車体の「塗装」作業に移ります。塗装の工程で期間工の方が担当する可能性があるのは、以下の作業です。
- 塗装用ロボットや機械の操作
- 塗装前後の処理(洗浄や研磨など)
- 塗装後のチェック など
ここでも主な塗装はロボットが行うため、機械操作や細かな部分の塗装を人の手で行います。自動車のボディを洗浄し、電着塗装やシーラー塗装、本塗装など、複数の段階に分けて塗装を進めていきます。
最後に目視で塗装のムラや傷などが無いかを検査して、塗装の工程は完了です。
車体組立
最後に、自動車のボディに部品を取り付けていく「車体組立」の工程です。
組立の工程で期間工の方が担当する可能性があるのは、以下の作業です。
- 組立用ロボット、機械の操作
- 部品のセット
- 部品の取り付け など
多くの部品を取り付ける自動車の組立は、最も人手が必要とされる作業です。シートやガラスの取り付けなど、大きな部品の組立作業は機械が行いますが、パーツのセットや機械の操作は人が行います。
さらに、バンパーや内装のパーツなどの細かい部品の取り付けは、スパナなどの工具を使って作業員が行います。
自動車部品メーカー
次に、自動車の部品メーカーの期間工の仕事内容についてご紹介します。
期間工の求人を出している部品メーカーは、こちらです。
- デンソー
- アイシン
- 豊田自動織機
- トヨタ紡織
- アドヴィックス
- ジヤトコ
- シーヴイテック など
自動車部品メーカーの仕事内容は、以下のような作業です。
- 機械を使ったパーツの加工
- 部品の組立
- 検査
- 梱包、運搬 など
部品メーカーで作られている製品は、企業によって様々ですが、仕事内容は基本的に小さな部品を扱う軽作業が中心です。自動車車体製造メーカーと比べて、体力に自信がなくてもできる作業が多いため、幅広い年齢層の方が活躍しています。
寮について
大手メーカーには、期間工などの従業員のための寮が用意されています。
部屋はワンルーム〜3DKと広さも様々。一人当たり一部屋が割り当てられるので、プライバシーも確保されています。ベッドや洗濯機など、生活に必要な家電や家具などは、寮の各部屋または共用部屋に用意されているので、買いそろえる必要はありません。
寮費や水道光熱費が無料となっていることも多く、食事はリーズナブルな食堂でとることもできるため、基本的な生活費はほとんどかからないと言ってよいでしょう。
また期間工の寮から勤務地へは、企業ごとに送迎用のバスがあるため、交通費も一切かかりません。
ただし寮の駐車場に自家用車を持ち込むのは制限されている企業が多いので、どうしても車が必要な場合は事前に相談してみましょう。
また、中には家族やペットと共に入れる寮もあります。入寮を考えている方は、応募前にしっかりと入居条件を確認しておくことをおすすめします。
食堂はあるの?
食堂は、勤務先の工場の敷地内や寮に完備されています。食事はどれもワンコインで食べられるような、リーズナブルな料金に設定されています。さらに、毎月食事の補助手当も支給されるため、日々の食費もかなり抑えることができますよ。
食事のメニューは日替わりや、セルフサービスの形式でとる場合が多く、毎日飽きることなく食事を楽しむことができます。
正社員登用・雇用について
期間工には、正社員登用制度が設けられています。正社員登用の比率はおおむね10%前後と高く、期間工から正社員へキャリアアップする方も少なくありません。登用の条件は企業ごとに異なりますが、一般的には20代〜30代の若年であること、期間工としての1年以上の勤務経験を有すること、そして上司による推薦が必要です。
期間工の正社員登用試験には、筆記試験と面接のプロセスがあります。筆記試験では、中学卒業程度のレベルの国語や数学についての問題が出題されます。一方の面接では、期間工としての経験や経歴、就業意欲などについて聞かれることが多いようです。
これらの試験の結果と、普段の勤務態度などを合わせて、正社員登用に値する人物かどうかが判断されます。
給料は?収入・月収はどのくらい?
大手企業の工場であれば、期間工の平均月収は30万円弱、年収は250万円〜450万円が一般的です。契約期間中に寮に入れば、寮費をはじめ光熱費や食費などの生活費もほとんどかからないため、まとまった貯金をすることも可能です。
勤務形態や休日は?夜勤はある?
期間工の勤務時間は8時間で、2交代制または3交代制のシフトで勤務する場合が多いです。企業によっては、夜勤や残業があることも考慮しておきましょう。
休日は基本的に週休2日制となっている企業が多いため、夜勤などでハードに働く分、メリハリをつけてしっかりと休息を取ることができます。
また、大手メーカーの工場はカレンダー通りに稼働しているので、お盆や正月には長期休暇も取得できます。
慰労金・赴任手当などの待遇に関して
期間工は、基本給の他に各種手当が上乗せされるのが特徴です。
期間工で支給される手当には、以下のようなものがあります。
- 赴任手当
- 慰労金
- 経験者手当
- 皆勤手当
- 夜勤手当
- 休暇手当 など
企業に期間工として採用されると、入社祝い金や赴任手当が支給されます。入社祝い金に関しては企業によって異なりますが、10万円以上も支給される場合もあります。
他にも、入寮時には赴任手当として寮までの交通費や引っ越し代金が支給されるため、遠方の勤務地でも安心です。
期間工を一定の契約期間勤務し、退職する際に貰える手当に慰労金があります。契約期間の満了まで勤務した場合は、満了金や満了慰労金と呼ばれます。企業ごとに定められた条件を満たせば、最大100万円もの慰労金が支払われる場合もあります。
さらに、同メーカーで勤務経験がある期間工には、経験者手当が付与されます。
経験者手当の支払い条件は2つあり、
- 契約満了認定者(6ヵ月以上)
- 初回の給与支払日に在籍
を満たせば支給されます。経験者は、前回の契約期間に応じて基本給が上がる場合も多く、経験者手当と合わせて収入増が見込めます。
ただし規定上、同じ企業で契約満了後すぐに再雇用されることは禁止されています。期間工として再契約できるのは、契約満了から6ヵ月後となるため注意してください。
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