工場などの現場では、ふとしたミスや見落としが大きな事故につながることもあります。だからこそ、作業を始める前に「どんな危険が潜んでいるか?」をチームで話し合い、あらかじめ対策を立てておくことがとても重要です。

この記事では、事故を未然に防ぐための基本となる KY活動(危険予知活動) や、その進め方である KYT(危険予知トレーニング) の方法、そして日々の現場で役立つ「ヒヤリハット」の考え方について、わかりやすくご紹介します。

KY活動(危険予知活動)とは?

KY活動とは、作業を進める中で起こりうる危険について話し合い考えることによって、一人ひとりが仕事に隠れた危険に気づけるようにすることです。

事故・災害を防止するには、業務を始める前に、「どんな危険が潜んでいるか」を職場で話し合い「これは危ないなぁ」と危険のポイントについて合意します。そして、対策を決め、行動目標や指差し呼称項目を設定し、一人ひとりが指差し呼称で安全衛生を先取りしながら業務を進めます。このプロセスがKY活動です。

引用元:厚生労働省「KY活動」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000075092.pdf)

こうした日々のKY活動は、ヒューマンエラー(人的ミス)防止に対して最良の手段になります。
また、KY活動推進に必要な手法を取得するための危険予知訓練を「KYT(危険余地トレーニング)」と呼びます。

KY活動の進め方

事故や災害を防ぐには、仕事に入る前に「どんな危険があるか?」をチームで話し合い、「これは危ないな」と危険ポイントを共有 → 対策を立て → 行動目標や指差し呼称を設定しながら作業を行います。

この流れそのものが、KY活動です。ヒューマンエラー(人的ミス)を防ぐための、もっとも有効な手段とも言われています。

KYT(危険予知トレーニング)とは?
KY活動を効果的に進めるために必要なスキルを学ぶ場が KYT(危険予知トレーニング) です。KYTでは、「事故につながりやすい場面」や「現場の状況」を題材に、5〜6人のグループで 4R方式 を使って議論します。

4R方式の進め方

段階内容
現状の把握現場の危険な状況を見つける
本質の追求その危険の本質を掘り下げる
それぞれ個人ならどうする個人としての対策を考える
そのグループならこうするチームでの対策を決める

話し合った結果は全体で共有し、現場の安全意識を高めます。

KYTで防ぐ!ヒヤリハット

「ヒヤリハット」とは、重大な事故にはならなかったものの、危険が潜んでいた瞬間を指します。

たとえば:
大きな荷物を抱えて階段付近を歩いていたとき、つまずいて転びそうになった…
このような ヒヤリとした出来事 を記録・共有することが、重大事故の防止につながります。
「1件の重大事故の背景には、29件の軽微な事故、300件のヒヤリハットがある」とも言われています。

まとめ

工場での安全作業を守るためには、日々のKY活動が不可欠です。
4R方式を使ったチームでの議論や、ヒヤリハットの共有を通じて、
危険に「気づける力」を高め、安心して働ける現場づくりを進めましょう。

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