冠婚葬祭や急な病気などで、すぐにお金が必要な場面は、誰にでも起こり得るものです。
そんな時に役立つ選択肢のひとつが「給料前払い制度」。働いた分の給料を給料日より前に受け取れるため、緊急時のピンチを乗り切ることができます。

この記事では、給料前払いのしくみから利用方法、知っておきたいメリット・デメリットについて解説します。
制度を上手に使って、日々の生活をもっと安心できるものにしていきましょう。

給料の前払いとは?働いた分を先に受け取る制度

給料の前払いとは?働いた分を先に受け取る制度

給料の前払いとは、すでに働いた分の給料を、給料日より前に受け取れるしくみのことです。「今月は急な出費があってピンチ」という時でも、それまでに自分が働いた分の中からお金を受け取れるので、最近は便利な福利厚生として導入する会社が増えています。

この制度の一番のポイントは、カードローンやキャッシングのような「借金」とは全く違うというところ。自分で稼いだお金を、タイミングを早めてもらっているだけですから、心理的な負担もなく安心して利用できます。

よく似た言葉に給料の「前借り」がありますが、実は中身は別物です。前借りは、まだ働いていない未来の給料を会社から「借りる」こと。それに対して前払いは、あくまで「すでに働いた分の給料」を「先に受け取る」だけです。会社に借金をするわけではないので、気兼ねなく使えるのがうれしい特徴です。

給料を前払いしてもらう3つの方法

給料を前払いしてもらう3つの方法

急な出費でお金が必要になったとき、給料を前払いしてもらう方法はいくつかあります。自身の状況や会社の制度によって選択肢が異なりますので、事前に内容を把握しておきましょう。

【方法1】会社の福利厚生「給料前払い制度」を利用する

一番手軽なのが、会社の福利厚生にある「給料前払い制度」を使う方法です。スマホアプリなどから申請するだけで、早ければ数時間後には給料が振り込まれたり、24時間対応のATMでお金を受け取れる手軽さが魅力です。

ただし、利用するときにはシステム利用料や振込手数料がかかることがほとんどです。また、「働いた分の〇%まで」のように前払いできる金額に上限がある場合も多いので、事前に会社のルールを確認しておきましょう。

もし、今の会社に制度がなかったり、「そもそも前払いに頼らなくてもいいくらい、もっとしっかり稼ぎたい」と思ったら、今より給料のいい職場へ目を向けてみるのもおすすめです。工場・製造業特化型の求人サイト「工場ワークス」なら、「高月収・高時給」でガッツリ稼げる求人や、「前払いOK」の仕事がすぐに見つかりますよ。

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【方法2】労働基準法に基づく「非常時払い」を申請する

もし会社に前払い制度がなくても、労働基準法第25条にある「非常時払い」というしくみを使える可能性があります。

これは、出産や病気、災害などの非常事態でどうしてもお金が必要になったとき、労働者が請求すれば、会社は給料日前であってもすでに働いた分の給料を支払わなければならない、と定めた法律です。

いつでも自由に使えるわけではないですが、いざというピンチのときに私たちを守ってくれる心強い味方ですので、頭の片隅に置いておいてくださいね。

参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索

【方法3】制度がない場合、会社に直接相談する

制度も法律の条件も使えないときの最後の手段として、上司や担当者に直接相談してみるのも手です。ただし、会社に義務はないので、必ずOKをもらえるとは限らないことは知っておきましょう。

相談するときは、正直な状況を誠実に伝え、給料の前払いを希望する具体的な理由と金額を明確に提示することが大切です。例えば、急な冠婚葬祭の費用や医療費など、具体的な使途を説明することで、会社の理解を得やすくなるかもしれません。

ただし、あくまで「お願い」する立場であることを忘れずに、会社の状況や規則を尊重した上で相談を持ちかけるように心がけましょう。

従業員必見!給料前払いのメリット

従業員必見!給料前払いのメリット

給料前払い制度には、従業員にとって嬉しいメリットがたくさんあります。

一番のポイントは、急な医療費や冠婚葬祭などでピンチのとき、給料日を待たずにすぐお金を準備できる安心感です。これにより、金銭的な不安からくるストレスを軽減し、目の前の問題に落ち着いて対処できるようになります。

また、カードローンなどの借金とは違って、自分がすでに頑張って稼いだお金を受け取るだけなので、高い利息がついたり、後から返済に追われたりする心配も一切ありません

お金の不安が解消されれば、月末の支払いにハラハラすることもなくなり、心に大きな余裕が生まれます。日々のストレスが減ることで、仕事もプライベートもより楽しめるようになるはずです。

給料前払いを利用する前に知るべき4つのデメリット・注意点

給料前払いを利用する前に知るべき4つのデメリット・注意点

急な出費にとても便利な給料前払いですが、実は使う前に知っておきたいデメリットや注意点もあります。
よく考えずに使いすぎてしまうと、次の給料日までにお金が足りなくなって、あとからもっとピンチになってしまうことも。

今回は、制度を賢く安全に使いこなすために、事前にチェックしておきたい大切なポイントを紹介します。

手数料がかかる場合がある

給料前払いサービスを利用する際には、システム利用料や振込手数料といったコストが発生する場合があります。

一見すると少額に思える手数料でも、何度も繰り返して使っていると、思った以上の出費になってしまうことも。「気づいたら手数料で大損していた」なんてことにならないよう、事前に手数料がいくらかかるのかしっかりチェックして、使いすぎには気をつけてください。

利用できる金額に上限がある

給料の前払いは、基本的には「すでに自分が働いた分の金額まで」しかおろせません。さらに会社によっては、「月に〇万円まで」「給料の〇%まで」といった上限が決まっている場合もあります。

そのため、「今月働いた分の給料を全部前払いしてもらおう」と思っても、全額はもらえない可能性がありますので、注意が必要です。「いざという時に足りなかった…」と焦らないためにも、いくらまで使えるのか、事前に会社のルールを確認しておきましょう。

給料日にもらえる額が減るため使いすぎに注意

当たり前のことですが、前払いしたお金は、次の給料日の分を先払いしてもらっているだけですから、給料日当日にもらえる手取り額はその分減ってしまいます。例えば、先に3万円使ってしまったら、給料日当日にもらえるお金はいつもより3万円少なくなってしまいます。

これを忘れて「今月もピンチだから」と何度も前払いを繰り返すと、給料日になっても手元にお金が全然残らず、またお金が足りなくなるという悪循環に陥ることも。これでは、かえってストレスが増えてしまいますよね。

前払いは本来、急な病気や冠婚葬祭など、緊急事態に対応するための手段です。計画的に、本当に必要な時だけ活用することを心がけましょう。

申請から即日受け取れないこともある

給料の前払いを申請しても、その日にすぐお金が手に入るとは限らないので注意が必要です。

例えば、金曜日の夜や土日祝日に申請すると、口座に振り込まれるのは翌営業日になってしまうことがあります。また、勤怠データが給料前払いのシステムに登録されるまでに時間がかかり、すぐ申請できないケースもあります。

本当に緊急で現金が必要な場合は、振込対応時間や、いわゆる「カットオフタイム」(その時間までに申請すれば当日中に処理される締め切り時間)を前もって確認しておくと安心です。

給料前払いのしくみ:「立替払いタイプ」と「自社払いタイプ」

給料前払いのしくみ:「立替払いタイプ」と「自社払いタイプ」

会社が取り入れている給料前払いのしくみには、大きく分けて「立替払いタイプ」と「自社払いタイプ」の2つがあります。

「立替払いタイプ」は、サービス提供会社が従業員への給料を一時的に立て替えて支払う方法です。従業員はサービス提供会社から直接前払いを受け取り、後日企業が給料日にその立て替え分と手数料をまとめてサービス提供会社に精算します。会社にとっては、急にまとまったお金を用意しなくていいのがメリットです。

もうひとつの「自社払いタイプ」は、会社が自社の資金から従業員に前払いを行う方法で、サービス提供会社は、申請用のアプリやシステムのみを提供します。会社側はお金を用意する手間がかかりますが、その分手数料を安く抑えられる強みがあります。

どちらの方法も、あなたの勤怠データと連動して「すでに働いた分の給料」を正確に算出しているので、安心して制度を活用してください。

まとめ:給料前払いを賢く利用して金銭的な不安を解消しよう

給料の前払いは、急な出費で困ったときの心強い味方です。借金に頼ることなく、自分が頑張って稼いだお金でピンチを切り抜けられるので、精神的にも安心できますよね。

しかし便利な反面、手数料がかかったり、次の給料日にもらえる額が減ってしまったりという注意点もあります。何も考えずに使いすぎると、次の月もまたピンチになる悪循環に陥ってしまうリスクもあります。

前払いはあくまで、いざという時の手段。ルールをしっかり理解して、計画的に「賢く使う」ことが大切です。

「急にお金が必要になっても困らないようにしたい」「毎月のやりくりでハラハラしたくない」という方は、思い切って働く環境を見直してみるのも一つの手です。たとえば、最初から給料の前払い制度を導入している会社や、今よりもっと給料の良い会社への転職を検討してみてはいかがでしょうか?

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給料前払いに関するよくある質問

Q. 正社員でも給料前払いは利用できますか?

給料の前払い制度は、会社が福利厚生として用意していることが多く、正社員や契約社員、アルバイトといった雇用形態に関係なく、働くすべての人を対象にしているケースが一般的です。

ただし、詳しいルールや対象になる人の範囲は会社によって少しずつ違います。一番確実なのは、会社の就業規則をチェックしたり、人事担当者に問い合わせてみることです。制度の有無や詳細について不明な点がある場合は、まずは確認してみましょう。

Q. 前払いの利用は会社に知られますか?また、評価には影響しますか?

まず「会社に知られるか」という点ですが、給料計算業務を行う経理や人事の担当者は、あなたが前払い制度を利用した事実を把握します。しかし、直属の上司や同僚に個別の利用状況が通知されることは通常ありません。基本的にはアプリやシステム、経理部門の間だけでやり取りが完結するしくみになっています。

また「評価への影響」についても、給料前払いは会社が従業員のために用意した正当な福利厚生制度の一つです。そのため、使ったからといって人事評価に不利に働くことは、原則としてありません。どうぞ安心して、必要なときに上手に活用してくださいね。

Q. 利用したことは信用情報に記録されますか?

いいえ、信用情報に記録されることはありませんのでご安心ください。

給料の前払いは、カードローンなどの「借金」とはまったく違います。「自分がすでに働いて稼いだお金」を早めに受け取っているだけなので、CICやJICCといった信用情報機関にデータが登録されることはなく、将来、住宅ローンや自動車ローンを組むときの審査に響くこともありません。

ただし、注意していただきたいのは、「給与ファクタリング」という言葉です。給与ファクタリングとは、「次の給料をもらう権利」を業者に売って、給料日前に現金を受け取るしくみです。給料の前払いと混同されがちですが、全くの別物であり、実は高金利の闇金であるケースがほとんど。絶対に利用しないようにしましょう。