加工食品や冷凍食品を扱う食品メーカーでは工場で製品の製造を行っていることが多く、そこで多くの人が「食品製造業」に携わる人として働いています。食品製造業で行われる仕事の中には高度なスキルを必要としないものもあり、アルバイトなどで簡単に入社できる機会も多いです。そのためか、食品製造業の仕事に応募しようと考える方も少なくありません。
今回はそんな食品製造業の仕事に応募する際に役立つ志望動機の書き方についてご紹介します。この業界に興味を持ち求人に応募しようと考えている方は、履歴書作成の参考にしてみてください。
食品製造業の仕事とは?
まずは食品製造業で行われている仕事内容をひとつずつ確認していきましょう。
食品の製造
食品工場では、その名のとおり食品の製造が主な業務となっています。具体的には食材のカットや簡単な調理などが人の手によって行われており、ほとんどの作業員はこの仕事を行うこととなります。また、特に大きな工場ではほとんどの製造工程が機械化されており、その場合は機械への食材の投入や、機械が正常に動いているかどうかの確認などが主な仕事となります。
仕分け
食品製造工場ではただ製品を製造するのではなく、製造した製品を仕分け、出荷しやすい状態にする作業も行われています。具体的には、製品を指定された数量や種類ごとに分け、後述の「包装のための準備」をする段階がこの仕分け作業にあたります。
包装
仕分けられた製品は人の手によって包装され、出荷されていきます。ただし、この作業に関しても規模の大きな工場では機械化されていることが多いため、包装資材を機械へ補充したり、しっかりと包装がなされているかどうかの確認、などが人間が行う主な仕事となります。
その他
この他に食品製造工場で行われている仕事には「製品の安全性を確認する作業」や「機械の保守作業」など様々なものがあります。これら「その他」に該当する仕事の種類は、同じ食品業界内の会社であっても取り扱う食材の種類などによって異なるため、詳しい仕事内容を知りたい場合は応募前に調べるほか、面接時に質問をしてみるとよいでしょう。
食品製造業の志望動機を書くポイント
食品製造業の仕事に応募する際は、この業種ならではのポイントをおさえた上で履歴書を作成すると、応募先企業に志望動機を理解してもらいやすくなります。具体的には以下のポイントをおさえるのがおすすめです。
志望企業の強みや特徴を押さえて志望理由を書く
食品製造業界に限った話ではありませんが、求人に応募する際は、何よりも志望企業のことをよく知っていることをアピールするのが重要です。例えば、その業種で活かすことができる資格やスキルが身についていたとしても、その会社がどのような製品を取り扱い、どのような方法で製造しているのかといった細かい部分を全く理解していない人が応募してきた場合、採用担当者としてもその人を採用するべきかどうかを迷ってしまうことでしょう。
このことから、食品製造を行っている企業に応募する際には、志望企業が行っている業務やその企業ならではの強みをよく理解し、それらを交えた志望動機を書くのがよいでしょう。
食品が「好き」だけでなく、食品加工を通じて顧客に届けたいことについて書く
履歴書を作成する際、「その企業が取り扱っている製品が好き」といったことを記載する方は少なくありません。たしかにそのような動機に対して悪いイメージを持つ採用担当者は少ないかもしれませんが、これだけでは志望動機としては不十分であるため、自分をアピールするまでには至らないでしょう。
このことを考慮し、食品製造を行う企業に効果的に自己アピールを行うためには、食品が好きということだけでなく、食品加工を通じて「顧客に何を届けたいのか」といったことを詳しく記載するのがおすすめです。
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食品製造業を目指す際のポイント
履歴書を作成する際には自分自身の強みをアピールするために、自分の特技や性格についても記載するのがよいでしょう。特に以下のポイントをおさえると、自分自身を効果的にアピールすることができます。
食に関する知識が豊富であること
新たな人材を採用する際には、その人材に伸びしろがあるかどうかを重視する企業が多いです。食品製造業では食に関する知識が豊富な人材ほど、より高度な知識を身につけるための基礎ができていると考えられるため、履歴書を作成する際には食に関する知識の豊富さをアピールすることを心掛けるとよいでしょう。
集中力が高く、コツコツ業務をこなせること
特にアルバイトとして食品製造工場で働く場合、最初のうちは食材のカットや、規格を満たしていない食材を探して廃棄する、といった単純作業を任されることが多いです。このような作業を何時間も続けるためには高い集中力が必要となることから、集中力があり、コツコツと業務をこなせることをアピールするのも有効です。
食の安全の重要性をよく理解していること
食中毒の発生や異物の混入などは食品製造を行う企業にとってイメージ悪化の原因であるため、製造を行う現場に対しても注意を徹底していることがほとんどです。そのため、食の安全の重要性をよく理解していることをアピールするのも効果的です。
食品製造業の志望動機の例文
以上のことを踏まえ、食品製造を行う企業の求人に応募する際には、以下のような志望動機を記載するのがおすすめです。
例文1
「私が貴社を志望した理由は、貴社が行う食の安全性に対する取り組みに共感したためです。外国からの食品輸入量の増加や、国内における加工食品への需要の増加などで、今後も食の安全を守ることの重要性はより高くなっていくと考えます。既に食品の高い安全性の確保に努めている貴社で働くことで、ただ食品の製造に携わるのではなく、食の安全を守りながら消費者の健康的な食生活をサポートすることにも携われると思い、今回応募いたしました。」
例文2
「私が貴社を志望した理由は、貴社が野菜を中心とした健康的な食品の製造を行っている点に魅力を感じたためです。私の祖父母は農業を営んでおり、幼いころから私自身も野菜の収穫を手伝うことが多く、食事以外の面でも野菜の存在を身近に感じていました。貴社で野菜を中心とした食品の製造に携わることができれば、祖父母から教わった野菜に関する知識を活かすことができるだけでなく、祖父母の意思を受け継ぐことで個人的なやりがいも大きく得られると思い、今回応募いたしました。」
例文3
「私自身が調理が得意だということもありますが、何よりも自分が作った料理を人に食べてもらえることに大きな喜びを感じることから、貴社を志望いたしました。食品製造を行っている企業は数多く存在しますが、御社はすべての製造工程を機械化するのではなく、人の手が必要な工程ではきちんと手作業を行っているため、私自身の調理スキルを活かしながら働くことで、より多くのやりがいを実感できるのではと考えました。」
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まずは企業のことをよく調べてみよう!
食品製造工場で行われている業務には単純作業が多いため、志望動機を書くのは難しいかもしれません。しかし、自分が考えていることを一度整理し、志望企業の特徴をよく理解すれば、自然と書くべき内容も決まってくるでしょう。
また食品製造業の仕事で人材募集をしている企業の特徴は様々であることから、まずはその企業のことをよく調べ、その企業ならではの特徴をまとめることから始めてみると、この業種に関する経験が全く無い方でも志望動機を書きやすくなります。
制作:工場タイムズ編集部