冷凍食品工場でのほとんどの作業は、冷凍倉庫内で行われています。これは冷凍食品の品質を守るため、ある一定の温度以下に設定した室内で作業をする必要があるからです。そのため、工場内で作業に従事する人は、防寒具や防寒着、防寒用の安全靴の着用などが必須となります。この記事では冷凍食品工場での仕事内容と、寒い環境で働く際の注意点などもあわせてご紹介します。
冷凍食品工場での仕事内容
食品工場といっても、冷凍食品工場で食品を作るというわけではありません。食品工場で作られて、既にできあがったものが冷凍食品工場の冷凍倉庫に保管されているからです。そのため、冷凍食品工場での仕事内容は主に
・検品作業
・梱包作業
・出荷作業
の3つに分けられます。
ここではそれぞれの作業について、仕事内容を詳しく説明していきます。
検品作業
検品作業の場合、第一に確認しなければいけないのが賞味期限です。賞味期限が過ぎているものは廃棄をしなくてはいけません。
一般的に、冷凍倉庫では「先入れ先出し」が基本です。そのため、賞味期限が近づいているものから出荷をする必要があります。また賞味期限の期日が近すぎるものも、その時点で廃棄とする場合が多いようです。
次に、不良品が含まれていないかなどの検査を行い、不良品の仕分けを行っていきます。この時、異物が混入していないかなどのチェックは目見(目視)で行うしかなく、検品作業の中でも特に力を入れてしっかりと検査を行います。冷凍食品は一般家庭向け商品もあれば業務用向けの製品もあるので、その内容はまちまちです。
梱包作業
検品作業を通過して送られてきた冷凍食品を段ボール箱などに梱包します。的確で素早い作業が求められる部分です。フォークリフトで運搬しやすいように荷積みするまでが梱包作業となります。
出荷作業
荷積みされた冷凍食品をフォークリフトで冷凍車に運搬します。工場内でも外気に触れることになるので、時間に追われる作業となります。品質維持のためにも、ここでも迅速な対応が求められます。
荷積みが終われば集配センターに集められるか、そのまま直接バイヤーのもとへ配送することになります。また海外向けの場合は、港や飛行場への配送となります。
冷凍食品工場で働くメリット
冷凍食品工場で働くメリットとしては、次のような理由が挙げられます。
時給が高い
冷凍食品工場は、求人情報などを見てもわかるように、時給が一般の食品工場と比べて高く設定されている場合が多いです。勤務場所が冷凍庫内ということで、比較的過酷な労働条件となることがその一番の理由です。
そして慢性的に人手不足となっているのが実情で、現在においても外国人労働者を多く引き受けている工場が多く、そのため日本人労働者の確保も急務であり、それが時給単価を押し上げているもうひとつの要因となっています。
スキルが求められない
冷凍食品工場での作業は主に検品・梱包・出荷という内容になるので、特別な高いスキルを求められることがありません。迅速丁寧な作業が求められる点は、どの作業現場でも同様です。
勤務時間帯が選べる
冷凍食品工場の場合、24時間稼働しているところが多い傾向にあります。そのため、夜間勤務をしたい人にとっては、勤務時間を選べるのはメリットになるでしょう。もちろん昼間のみの時間帯を選んで勤務するということも可能です。
黙々と仕事をしたい
冷凍食品工場に限られるわけではありませんが、工場内での作業になるので、一人で黙々と仕事をすることができます。対人関係が苦手という人にとって向いている作業環境といえるのは間違いありません。
冷凍食品市場は一兆円産業といわれています。既に業務用・家庭用を足して市場規模は一兆円を超え、その市場は拡大傾向にあります。さらに国内だけでなく世界的に需要が拡大しているので、冷凍食品工場の求人は常に募集を行っている状況だと考えていいでしょう。
過酷な労働環境だと思いがちですが、反対に仕事のしやすさを考えた快適な労働環境となっているところが現在の傾向でもあります。
冷凍食品工場で働く際のポイント
冷凍食品工場での仕事は、基本的に冷凍庫内で作業を行うことになります。そのため、しっかりとした準備をして作業に入らなければなりません。ここでは冷凍食品工場で働く際の注意点について説明していきます。
防寒対策をする
冷凍食品工場内の設定温度はマイナス15度以下となります。寒さの度合いでは、「吐く息が凍る」「空気を直接吸うことができない」ような寒さです。そのような環境の中で作業をすることになるので、防寒対策は万全に行わなければいけません。そのための防寒着や防寒具、防寒用の安全靴などは工場から支給をしてくれます。
その他の部分については、自分で工夫して冷気が防寒着や防寒具の中に入ってこないように防寒対策をしなくてはいけません。ある程度の指南については、工場側から説明や適切なアドバイスがあるはずですが、基本的には首や背中、お腹を冷やさないことが肝心です。
また手先の作業、目見での作業となるので、指先が冷えないように、さらには視界をさえぎらないように注意して防寒着、防寒具を着用し、防寒対策を行うようにしましょう。
衛生管理に気をつける
食品を扱う工場なので、衛生管理には特に注意をする必要があります。工場内に入る際には当然のことですが手洗いをするのは必須事項であり、工場によっては手の洗い方などにも細かいルールを設けられている場合があります。そして除菌室や防塵室を通って工場内に入らなければなりません。
作業の途中でトイレなどに行って、戻ってくる時にも入場と同じように衛生管理に気をつける必要があります。食品を扱う工場では欠かせないルーティンとなるので、衛生管理の重要性を自分に言い聞かせて、決められたルールに従うようにしましょう。
素早く丁寧に食材を置く など
冷凍食品工場内では、ベルトコンベヤーで運ばれてきた冷凍食品を素早く検品・梱包しなければいけません。そのため丁寧な作業と合わせて、素早い動作も要求されます。もちろん最初から完璧にできるわけではありませんから、徐々にスピードに慣れていくことが必要です。まずは丁寧に作業を行うことから始めましょう。
冷凍食品工場での仕事に応募する際の志望動機
冷凍食品工場からの求人に対して、応募する際の志望動機の例を以下に2つ挙げてみます。
手先が器用
「手先が器用で、細かい作業が得意なので工場勤務を志望しました。ひとつのことをきちんと最後までやりとげることができ、視力もよいので目見でのチェックなどにもしっかりと対応できます。工場の単純作業だけにとどまらず、こうしたらもっと効率よくできるのでは?もっと自分の中で処理能力を上げることができるのでは?といったことを考える作業を行うことができます」
黙々とする仕事が向いている
「内向的な性格なので、一人で黙々と行う仕事がしたいというのが志望動機です。体力には自信があるので、夜間勤務なども十分に対応できる自信があります。仕事に対して完遂意識が強く与えられた仕事は確実にやりとげます。また、与えられた仕事だけではなく、仕事に対しての改善提案などもできるようにしていきたいと思います」
寒い中でも決められた作業を丁寧に行える自信があるならおすすめ
冷凍食品工場での仕事は、思っている以上の寒さの中で行う作業となります。そのため、しっかりとした寒さ対策をすること、さらには寒さに対する対応力が必要となります。働き始めは思った以上の寒さに驚いて、続けられるかどうか不安になるという人も少なくないようですが、工場では休憩時間もしっかりと確保されているので、健康被害などの心配は少ないでしょう。
どの仕事でもそうなのですが、仕事に対する対応力が必要であり、迅速かつ丁寧な作業が求められます。決められた作業を丁寧にこなし、寒さに耐えることができるという自信を持って作業が行えるのであれば、冷凍食品工場での仕事はおすすめの職種であるといえるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部