期間工から正社員を目指す場合、なりやすい年齢はあるのか?特徴やどうしたら正社員登用制度を受けられるのか詳しくご紹介します。また、各メーカーについても解説します。
期間工から正社員になれる?
正社員登用制度を設けているメーカーでは、期間工から正社員になることができます。
期間工として作業経験がある人を正社員として雇えば、即戦力になるため、正社員登用に積極的なメーカーもあります。
実際に、年間200人以上の期間工を正社員として雇用するメーカーもあるほどです。
期間工から正社員になるためには、正社員登用試験に合格する必要があります。
メーカーによっては、試験に合格したら準社員として数ヶ月勤務をした後に、正社員に登用するという流れの場合もあります。
そもそも、希望するすべての期間工が、正社員登用試験を受けられるわけではありません。
試験自体は難しいものではないので、各メーカーが定める条件を満たせば正社員になるのは難しいことでもありません。
期間工から正社員になれる可能性があるメーカーでは、期間工の募集要項に「正社員登用制度」の記載があります。
「正社員登用制度」の記載がない場合は、正社員になれる可能性は低いといえます。
期間工から正社員を目指す場合は、応募する前に募集要項をきちんと確認しておきましょう。
なりにくい年齢もある
実は、期間工から正社員になりにくい年齢もあります。
人材育成のために、若い期間工を正社員登用するメーカーがほとんどです。
そのため、20代であれば正社員になりやすいですが、30代以降だとなりにくくなります。
メーカーによっては、正社員登用試験の応募条件に「29歳まで」と記載されていることもあります。
ただし、これはあくまでも目安であり、30代、40代だと絶対に正社員になれないというわけでもありません。
例えば、フォークリフトや玉掛けなどの資格があったり、上司の推薦が得られたりすれば、30代・40代でも正社員になれる可能性はあります。
20代だと何も資格がなくても正社員になれますが、特別な資格がない30代・40代の場合は、正社員になるのは厳しいといえます。
待遇は変わる?
期間工から正社員に雇用形態が変わると、福利厚生などの待遇は基本的に変わりません。
業務内容もほとんど変わりはありませんが、正社員になることで各業務に責任が伴います。
収入に関しては、期間工から正社員になることで、手取りが少なくなる可能性もあります。
期間工の場合は、日給・時給で計算し、交替制手当や満了金を含めると年収が400万円以上になることもあります。
しかし、正社員になると月給制になり、通常勤務になることも多いため、年収は300万円ほどにしかならないこともあるのです。
ただし、これはあくまでも期間工から正社員になって数年間のことです。
正社員になれば昇給があり、満了金の代わりにボーナスも年2回貰えます。
ほとんどの場合は、月給やボーナスは勤務年数に応じて高くなるため、長期的に考えると正社員の方が年収は高くなります。
期間工は最長2年11ヶ月までと勤務期間が決まっていますが、正社員は定年まで働けるという安定感もあります。
雇用形態が正社員になれば、社会的な信用も得られるため、期間工から正社員になれば精神的なメリットもあるのです。
正社員登用制度を受けるには
正社員登用制度を受けるためには、会社が定める条件をクリアしなければいけません。
年齢の条件は各メーカーで異なりますが、その他の条件はどのメーカーもほぼ同じです。
それでは、正社員登用制度を受ける条件について確認しておきましょう。
遅刻欠勤をしない
期間工から正社員になれるかどうかは、日頃の勤務態度や勤務状況が大きく関わってきます。
そのため、正社員登用制度を受けるためには、遅刻や欠勤をしないことが重要です。
遅刻や欠勤が多いと、戦力にならず、責任のある業務は任せられないと判断されます。
よほどの事情がある場合は別ですが、決められた日時にきちんと出社して勤務するのは、社会人として当たり前のことです。
期間工から正社員になるには、仕事ができるかどうかよりも、当たり前のことをきちんとできるかを重視されるのです。
上司の推薦を受ける
正社員登用試験を受けるには、直属の上司の推薦を受ける必要があります。
各期間工のことをよく把握しているのは、直属の上司にあたる、それぞれの部署のチームリーダーや係長などです。
勤務態度や勤務状況はもちろん、協調性があるかなど、上司が総合的に判断をします。
正社員として責任のある業務を任せられる人物であれば、正社員登用試験を受けるための推薦をしてくれます。
筆記試験
正社員登用試験には、筆記試験があるメーカーがほとんどです。
試験の内容は専門的なものではないので、難しくはありません。
会社の規則や一般常識を身につけており、中学校卒業程度の学力があれば充分です。
合格点はメーカーによって異なります。
メーカーによっては、筆記試験用の問題集を貸してくれることもあります。
筆記試験に合格するか心配な場合は、会社に借りたり、中学生用の国語や数学の問題集を買ったりして、勉強しておくと安心です。
面接試験
正社員登用試験では、面接試験もあります。
面接で聞かれる内容としては、この会社で正社員になりたいと思った動機、正社員になったらやりたいこと、自分の長所・短所などです。
面接試験では、聞かれたことに対して、はっきりと自分の考えを答えることが、合格のコツです。
正社員登用実績のあるメーカー
トヨタ
トヨタでは、年間200〜300人が期間工から正社員になっており、正社員登用実績はトップクラスです。
正社員登用試験は、年1回行われています。
■応募条件
・1年以上勤務
・上司の推薦
■試験内容
・筆記試験
・面接試験
トヨタ期間工から正社員になるための条件として、年齢制限は設けていませんが、29歳以下だと受かりやすいといわれています。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
スバル
スバルの正社員登用実績は、年間200人ほどの期間工が正社員になっています。
正社員登用試験は、1年に1回です。
■応募条件
・上司の推薦
■試験内容
・筆記試験
・面接試験
スバルでは、正社員登用試験の応募条件に年齢制限はありません。
正社員になれるのは、社会人としてある程度の経験を積んだ30代が多く、40代や50代でも合格している人もいます。
また、スバルの場合は、女性期間工も積極的に正社員として採用しています。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
ホンダ
ホンダでは、正社員登用試験を1年に2回行っています。
正社員登用数などの実績は明記されていませんが、期間工から正社員になれる人は一定数います。
■応募条件
・上司の推薦
・履歴書、レポート提出
■試験内容
・筆記試験
・面接試験
ホンダでは、正社員登用試験の応募条件に年齢制限はありません。
40代でも、上司の推薦を受けられれば、試験は受けられます。
しかし、実際に合格する割合としては、やはり35歳以下が多いようです。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
ダイハツ
ダイハツの正社員登用実績も、トップクラスです。
特に、滋賀工場とダイハツ九州工場は、気格好から正社員になりやすいといわれています。
正社員登用試験の回数は会社の業績によって、1年に1〜2回行われます。
■応募条件
・上司の推薦
■試験内容
・筆記試験
・面接試験
ダイハツの正社員登用試験は、本社で行われることがあります。
ただし、ダイハツ九州工場は、ダイハツから独立した会社の工場なので、正社員登用試験はダイハツ九州工場で行われます。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
アイシン
アイシンは自動車部品メーカーで、2021年4月にアイシンAWとアイシン精機が合併してできた会社です。
そのため、アイシンとしての正社員登用実績は、2022年3月時点では明記されていません。
アイシンAWとしては、試験を年に1〜2回開催し、3人に1人が正社員になるという実績があります。
アイシンになっても応募条件や試験内容はほとんど変わらないはずです。
アイシンAWの情報を参考にしてください。
■応募条件
・6ヶ月以上勤務
・上司の推薦
■試験内容
・健康診断
・筆記試験
・面接試験
アイシンAWの正社員登用試験で行われる健康診断では、よほど悪いところがない限りは不合格になることはありません。
ただし、刺青やタトゥーがあるのはNGです。
年齢制限も特になく、繁忙期であれば、40代や50代でも正社員になれる可能性があります。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
デンソー
デンソーは、毎年200〜300人の期間工が正社員として採用されています。
正社員登用試験は、1年に2回行われています。
■応募条件
・6ヶ月以上勤務
・上司の推薦
■試験内容
・筆記試験
・面接試験
デンソーの正社員登用試験の応募条件に、年齢制限はありません。
しかし、キャリア形成のため、20代が正社員になりやすく、30代前半までなら合格する可能性はあります。
40代になると少し厳しくなりますが、勤務態度がよかったり、特別な資格があったりなど、戦力になれる何かがあると充分に正社員になれる可能性はあります。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
ジヤトコ
ジヤトコでは、正社員登用の実績について明記されていません。
期間工の募集要項にも、正社員登用制度の記載がないため、期間工から正社員になれる可能性は低いといえます。
しかし、制度として設けていないだけで、勤務態度や勤務状況によっては、正社員になれる可能性もゼロではありません。
ジヤトコで期間工から正社員になりたい人は、期間工の面接を受ける際に質問してみましょう。
※正社員登用制度の有無や試験の応募条件・内容などは、入社時期、勤務地などによって異なります。最新の求人情報も確認してください。
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