さまざまな製品が作り出されている工場。効率よく、そして品質が良いものを製造すべく様々な技術が取り入れられています。中にはIT技術やAIなど、最新技術を組み合わせている工場も!
この記事では工場見学ではなかなか見られない機械や、最新技術が詰め込まれた工場について5つご紹介していきます。
意外と面白い! ものづくりの製造工程&機械
「身近でよく見かけるけれど、どうやって作られているのだろう…?」と感じる製品、どのくらいありますか? その中でも見ていて面白いものや「こんな動きするの!?」と驚く機械についてご紹介します。
大きなものも容易く作れる! 鋳造(ちゅうぞう)
鋳造は金属加工法の一種。なんと紀元前4000年~2000年ごろに技術が確立されたといわれている超・伝統技術です。
溶かした金属を鋳型(いがた)と呼ばれる型に流し込み、それを冷やして形にします。家電製品の外枠や暖房機器、身近なところだと金属製のフライパンや鍋も鋳造で作られている製品。型の加工次第であらゆるものを作れるので、自由度が高いのが特徴。
「鋳造といえば」というのがこの画像! 赤く光っているのが熱して液状になった金属で、それを流す光景はまさに圧巻。鋳造は大型のものも容易に作ることができ、「マンホールのふた」に「寺院の鐘」「銅像」「建物鋼材」なども鋳造で作られています。
非常に熱い金属を扱うので、安全面の観点から工場内を見せてもらえないことが多い鋳造。今は動画サイトなどに実際の様子が多数あがっているので、興味がある方はぜひ検索してみてください!
ものづくりの相棒! 切削加工
切削加工は、金属や樹脂を刃物で削って形を作る加工方法です。
加工方法は大きく3種類に分けられます。1つ目が「旋盤加工」。高速回転している部材に刃物を当て加工します。2つ目は「フライス加工」。固定された部品に刃物を当てて形を作る方法で、加工の自由度が高いです。最後は「穴あけ加工」。穴あけではボルト穴・軸受け・位置決めなどあらゆる目的に使われる穴を作ります。
どの加工も「旋盤」「マシニングセンタ」と呼ばれる機械で行います。プログラムを登録して機械を動かすので、複雑な形の部品もあっという間にできあがります。機械の中で部材があっという間に部品の形になる姿は感動すること間違いなし! 曲線を多数用いているもの、複雑な部品もあっという間に作れます。
加工の幅広さから、自動車・機械・精密機器・医療機器、身近なところだと水道の水栓など、様々なところに使われている部品が作られています。まさに生活と切っても切り離せない技術、それが切削加工です。
圧巻! 食品工場で活躍する機械たち
食品工場は大量生産の見本。より清潔な環境で多くの食品がつくれるように企業側も日々努力をしています。
例えばフライヤー。おせんべいやスナック菓子など、揚げるお菓子づくりに欠かせない機械ですが、コンベアーの上で流れながら揚げることもあれば、大きな鍋状の機械でかき混ぜながら作ることも。作るお菓子のサイズによって機械のスペックが変わることがあるそうです。
他にも自動でインスタントラーメンの麺を作る製麺機、材料を均等に混ぜるミキシング機、食品につく菌を可能な限り減らせる殺菌装置…食品工場で使われている機械は想像以上にたくさんあるのですね。
AI技術をフル活用した最新の工場
最近では人工知能(AI)を活用したものづくりも多数行われています。最新技術を生かした工場、一体どんなものなのでしょうか?
機械が自動で荷物を運ぶ! 自動化倉庫
作り終わった製品を在庫として保管する倉庫。昨今の物流業界の盛況や人材不足もあり「自動化倉庫」というものがトレンドになっています。
自動化倉庫は最新技術の塊(かたまり)! バーコードを読み取るだけで荷物の位置がわかるのは当然のこと、荷運びを行うロボットに指示を出して必要な製品を運んでもらう、無駄な隙間ができないよう在庫を積んでもらう、タブレットをみれば在庫や製品の数・保管場所が一発でわかる…あらゆることが自動で行われています。
製造部門と連携して無駄な在庫をもたないようにしている工場も多数! 人の手をできるだけ排除することで生産性を高めているのですね。
生産性がさらにUP!?大手企業で始まる「AI製造」
倉庫だけでなく、製造そのものにもAI技術は多数活用されています。
品質管理をAI化して品質向上
例えば、毎日2万本のタイヤを製造しているブリヂストン。タイヤの要であるゴムの品質管理を全自動化しました。人の手が多く必要だった工程をAI化したことで、省人化に加え人の手で行う場合より品質が上がったというリリースを出しています。
じゃがいもの不良を見つけるAIロボット!?
マヨネーズでお馴染みの食品メーカー・キューピーでは、変色したじゃがいもを仕分けるのにAIロボットを使っています。100万個以上の角切りじゃがいもの中から変色したものを取り除くのは至難の業。慣れた人の力でなんとか不良品を見つけ出していました。
そこに「良い製品だけ見つける」AIを導入。いい製品は検知できるものの、不良品は検知できずエラーとなる仕組みです。このロボットは離乳食やポテトサラダの製造ラインで使われています。
まだ発生していない不良品を予見するAIモデル
また富士通研究所では、製造ラインに流れる部品であり得そうな不良品データを作成、実際に検知するAIモデルを開発中。事前のデータ登録や定期的な学習なしに不良品に関するデータが蓄積でき、工場での検査品質向上につなげられると期待されています。
まとめ
様々な機械や技術が活用されている工場。ここで取り上げた以外にも面白い機械や最新技術を取り入れた工場がたくさんあります。
工場見学に行って実際に見てみるのもできますが、ここで取り上げたものの一部は工場見学では見られないものもあります。工場見学で見られないなら、実際に働いて見る・触るのも一つの手。ものづくりの現場でもっともっと面白い機械に出会ってみたいですね!
制作:工場タイムズ編集部