派遣社員という働き方、求人サイトなどでよく見かけませんか? 定職ではないから安定せず、時折耳にする「派遣切り」に遭う、正社員で働けないから派遣で働いている、など、良くないイメージを持っている人が多くありませんか?
しかし、派遣社員という選択肢がありがたいと感じる人もたくさんいます。今回は、派遣社員のメリット・デメリットをご紹介し、派遣社員だからできることもお伝えしていきます。
そもそも『派遣社員』とは?
そもそも派遣社員とは、「派遣会社と雇用契約を結び、別企業で働くスタイル」を指します。給料の支払いや社会保険の加入先は派遣会社になりますが、派遣先の企業から業務の指示を受けます。
求人サイトなどで募集されている派遣社員の多くが「登録型派遣」という形で、派遣先が決まったら派遣会社と雇用契約を結ぶ形をとっています。これとは別に、派遣先が決まっていなくても雇用契約を結ぶ「常用型派遣」というやり方もあります。
派遣社員の男女比・年齢層は?
厚生労働省が行った派遣労働者実態調査によると、派遣社員で勤務する人のうち男性は約40%、残りが女性です。男性は常用型派遣で働く人が多く、女性は登録型派遣で働く傾向があります。
同じ調査結果には派遣社員で働く年齢層も記載されており、最も多いのは20~35歳の若年層。特に20代後半が最も多く働いています。一方で55歳以上の人も多く、特に男性では10%強が55歳以上です。
派遣社員は、正社員で働くより若い世代と一緒に働く機会が多いです。
派遣で働くことのデメリットとメリット
派遣会社と雇用契約を結んで、派遣先の会社で勤務をする派遣社員。そのメリット・デメリットはどこにあるでしょうか? 代表的なものをまずはデメリットからご紹介します。
派遣社員として働くデメリットは?
デメリットでよく取り上げられるのは以下の3つです。
派遣先で働ける期間が決まっている
登録型派遣の場合、同じ派遣先で働ける期間が最長3年と決まっています。そのため、3年経つと自動的に別の職場に行く確率が上がります。常用型派遣や部署移動で同じ企業で働くことはできるものの、別の職場に行くとなると収入が途絶える可能性も否めません。
責任ある仕事は任せてもらえない
派遣社員は行う業務が決まっています。それ以上の仕事は任されない一方、他にやってみたい仕事があってもできないことがほとんど。特に管理職など責任ある仕事は派遣社員には任せてもらえません。
景気変動の影響を受ける可能性がゼロではない
景気の変動を受けた時、企業がまず守るのは自社で雇用している従業員です。派遣社員は景気が悪くなった時に人員削減の対象になりがち。コロナ禍でも少なからず派遣切りが行われています。
派遣社員で働くメリットは?
悪い点ばかりではありません。メリットとして挙げられるのは以下の5つです。
いろいろな企業にまとめて応募できる
派遣先を決める際、派遣会社のコーディネーターを通して話を進めます。顔合わせや入社日の調整はコーディネーターにお任せでき、複数応募も可能。書類準備も1回でいいのでスムーズに仕事探しができます。
働く期間、日数が自由に選べる
アルバイト以上に働き方の自由度が高いのが派遣社員の特徴。「1日だけ」「長期休暇だけ」といった単発・短期勤務も気軽にできます。仮に1年以上の長期勤務になっても勤務日数・勤務時間の調整も可能。「子供が進学したから勤務時間を延ばしたい」「家族の介護で勤務日数を減らしたい」など、ライフスタイルにあわせた働き方が気軽にできます。
時給がアルバイトより圧倒的に高い
地域によりますが、アルバイトは時給が1,000円未満になることも多いです。しかし、派遣社員の場合、大手派遣専門求人サイトに出ている関東圏勤務募集の平均時給は1,780円!時給2,000円以上のお仕事もたくさんあります。短時間勤務でも高収入が叶います。
気軽に転職ができる
転職のハードルの低さも派遣社員のいいところです。派遣会社の担当コーディネーターに「次を探したい」と相談すれば、次の派遣先を探すのも簡単! 自由がききやすく、いろいろな仕事を経験しやすいのは派遣社員ならではです。
自分に使える時間を作りやすい
勤務日数だけでなく、1日の労働時間を調整しやすいのも派遣ならでは。残業の多い・少ないだけでなく、1日の労働時間が6時間程度の時短勤務も選択できます。仕事が終われば自分の時間を確保できるので、趣味などにも打ち込みやすいです。
派遣社員で働く理由5選
いま派遣社員で働いている人は、どんな理由で派遣社員を選んだのでしょうか? その理由はさまざまですが、以下の5つが比較的多いようです。
やりたいことはないけど、とにかくお金を稼ぎたい
派遣社員で働く最大のメリットが稼げること。仕事内容にはあまりこだわりはなく、自分にできそうかつ稼げそうという視点で仕事を探すことがほとんどです。実際に働いている人の声でも「とにかく稼げるから、時給のいいこの仕事にした」というのはよく耳にします。同時に稼ぎたい人は残業が多い仕事を好む傾向があります。
フルタイムの働き方だとやりたいことができない
家庭がある女性に多い傾向ですが、フルタイム勤務だと家のことができないから派遣社員がいいという意見もあります。フルタイム勤務で家事・育児をするのはなかなか骨が折れます。アルバイト勤務でもいいけれど、時給が低いから家計の足しにならない…。そんな時に派遣社員という働き方を選ぶ場合があります。
仕事と趣味を両立させたい
正社員勤務の場合、残業を強制されることもあります。派遣社員の場合はやるべきことをやりきればそのまま帰れるので、私生活を重視した働き方が可能。休みが多い、もしくは調整しやすい職場や残業がほとんどない職場を気軽に選べるのも派遣社員ならではです。
夢を追いかけながら仕事をしたい
何か夢を追いかけながら働いている人も一定数います。アルバイトより稼げて福利厚生も整っているので、生活費のことを気にせず自分のやりたいことに没頭しやすいです。特に製造業の仕事の場合は夜勤が多く、日中に時間ができることも。その時間を有効活用しながら夢を追うなんてこともできます。
寮がある仕事がいい
寮がある仕事がたくさんあるのは派遣社員ならでは。遠方から引っ越してくる場合や気軽に一人暮らしを始めたい人に人気です。派遣会社によって寮の特徴は変わるので、複数社から話を聞いてみて判断するとよいでしょう。
『派遣社員という働き方』には選択肢がたくさん!
悪いイメージが先行しがちな派遣社員という働き方。しかし給与・勤務日数など働く上での選択肢がたくさんあるので、正社員やアルバイトで働きにくい人にとってはうれしい制度です。
同時に派遣会社が間に入るため、仕事探しの手間も大きく減って気軽に転職ができるので、やりたいこと探しにも最適!
「稼ぎや待遇に不満がある」「なんとなく今の会社で働いているけど、しっくりこない…」などと悩んでいる人にもぜひおすすめします。
制作:工場タイムズ編集部