地方における通勤手段として「車(クルマ)通勤」が基本になっている地域も多いでしょう。都心であれば電車・地下鉄通勤が一般的ですが、それでもあえて「バイク通勤」を選択する人も少なくありません。バイク通勤を選択している人たちは、どのようなポイントがバイク通勤選択の決め手になったのでしょうか? ここではバイク通勤のメリット・デメリットを含めて考えてみたいと思います。
バイク通勤のメリット
まずはバイク通勤のメリットを考えてみましょう。車での通勤、電車通勤と比べてどの点がメリットになるのでしょうか。
渋滞に強い
バイク通勤のメリットの1つ目は渋滞に巻き込まれにくいことが挙げられます。車の脇をすり抜けて走れることはバイクの大きな特長ですが、一方でこのような走行方法は道交法(道路交通法)違反になることもあるので注意が必要です。
燃費が良い
バイク通勤の2つ目のメリットとしては、ガソリン代が車より安くて燃費が良いという点があります。特に原付スクーターなど単気筒バイクは、1Lあたり70km以上走れるものが多く特に燃費が良いので通勤にオススメだといえます。
ただし50ccエンジンの原付スクーターとなると「30kmの制限速度」や「二段階右折」など法律的な走行上の制限があるので、通勤距離が長い場合はそれがデメリットになるかもしれません。
保険料、駐車料金が安い
125ccまでのバイクでしたら車の任意保険のファミリーバイク特約で済むため維持費も格安になります。車・バイク通勤となると任意保険の加入が必須条件となることが多く、ファミリーバイク特約が利用できる125cc以下のバイクは大きなメリットがあります。
また車と違って駐車場ではなく駐輪場に停めることが可能なので、自動車ほどの駐車料金を気にしなくても良いといったメリットもあります。
バイク通勤のデメリット
先にバイク通勤のメリットを挙げましたが、一方でデメリットはどんなところにあるのでしょうか。
天候や季節によって装備を変える必要がある
バイクは車と違い基本的には屋根がない構造になっています。そのため走行条件が天候に左右されやすく、雨が降った時にはカッパなど雨具の装備が必要になります。また安全のため法律でヘルメットをかぶることが義務付けられているため、夏などは汗で蒸れて髪型が乱れてしまうこともよくあります。
ほかには渋滞時間の出勤となれば思ったほど通勤時間の短縮にならないことや、事故に遭った際の被害の大きさが車より大きくなりやすい点もデメリットと言えるでしょう。
バイク通勤に必要な手続き
適切な手続きを踏むことでバイク通勤をOKとしている会社がある一方で、中にはバイクの危険性を重視し、また周囲の環境や道路事情などからバイク通勤を禁止している会社もあります。「バイク免許の取得年数3年以上」といった条件を課している会社もあったりと色々ですが、ここではバイク通勤に必要な手続きをご紹介します。
必要書類の提出
バイク通勤に必要な書類を以下に示します。いずれも会社に提出します。
・免許証のコピー
・任意保険証のコピー
・自賠責のコピー
・自家用自動車使用許可書(バイク兼用)
・誓約書
自家用自動車使用許可書と誓約書は、会社が用意している書式のものを使用しましょう。使用許可書の中に、自宅から会社までの通勤経路や自宅から会社までの実測の通勤距離などを書く欄があるので、詳細に記載します。
使用許可書は通勤時の事故等による労災保険適用の際に使用されるのですが、許可書に記載にない経路での事故は原則として労災保険が適用されず、通勤経路に記載された道路で通勤している時のみ有効となるので、経路を記載する際には特に注意しましょう。
上記の書類のうちどれが欠けてもバイク通勤の許可を得ることはできません。また会社によっては免許の取得年数をバイク通勤の条件にする場合もあります。任意保険証のコピーは125ccバイクの場合はファミリーバイク特約でも大丈夫です。これらの提出書類を揃えて会社に提出し、会社から通勤許可が下りればバイク通勤が可能となります。
バイク通勤の天候対策
バイクは体が直接外気に触れるので、天候に左右される乗り物です。夏の暑さ対策、冬の寒さ対策、雨の日はさらに装備や服装に気をつけなくてはいけません。ここでは雨の日と雪の日の対策についてご紹介します。
雨の日対策
雨の日でもバイク通勤をするという人もいれば、電車やバス通勤に切り替える人もいるでしょう。また走行中に急に天候が変わるかもしれませんので、雨対策や防水対策の準備をしておくと安心です。
カッパ
透過防水性能のあるカッパが蒸れなくていいでしょう。バイク用のレインジャケットなどが売られているので、それらを買い揃えるようにしましょう。上下セットが基本です。
バイク用のレインブーツ
通常の靴の上に被せるようにして装着するレインブーツもあります。
レイングローブ
防水というより、雨に濡れても乾きやすい性質のものが多いです。これらを揃えると数万円にはなりますが、安全性を考えると揃えれば安心できる装備となります。
雪の日対策
雪が積もる場合があるので、基本的にバイク通勤を控えた方がいいでしょう。今は降っていなくてもこれから雪が降る、降雪予報がある場合も同様です。それでもバイク通勤をする場合は、防寒対策やスタッドレスタイヤの使用などに気を付けましょう。雪から雨に変わる可能性があるので、防水対策のとれる装備も必要です。
通勤に適したバイク選びのポイント
ここからは通勤に適したバイク選びのポイントをご紹介します。
性能で気をつけることは?
バイクの性能については通勤距離によってきます。通勤距離が2〜3km、あるいは5km以内であれば50ccのスクーターバイクでも十分です。この距離なら自転車でも十分に通勤できる距離ですし、場合によっては「アシスト自転車」という選択もあり悩むところかもしれません。バイク通勤で考えると、30kmの速度制限があっても50ccのスクーターバイクで十分です。
通勤距離が5km以上となるとさすがに遠く、速度制限のある50ccスクーターでは通勤が辛く感じられるかもしれません。なので125ccスクーターがオススメです。特に「通勤快速」と呼ばれるスズキの「アドレスV125」などがいいでしょう。
維持費について
バイクの維持費は車と比較すれば格安です。特に125cc以下のバイクは先に述べている通り、ファミリーバイク特約が利用できます。任意保険に加入していなければ新しく加入する必要がありますが、それでも燃費などの維持費を考えれば、車と比べて安く済む点は大きなポイントです。
積載量など
荷物の積載量については、基本的にはリュックか荷台にくくりつける程度のものしか積載できません。スクーターであればシート下にも荷物が入るので雨の日などは便利です。
通勤バイク選びとなると、通勤距離によって事情が大きく変わってきます。特に10kmを超えるような距離を50ccスクーターで通勤するのは大変です。できるだけ125cc以上のバイクを選ぶようにしましょう。なお当然ですが、125ccのバイクに乗るためには二輪の小型免許が必要になります。
バイクが好きならバイク通勤がオススメ!
メリットが多いバイク通勤ですが、同時にデメリットがあることもわかりました。近距離なら50ccバイク(主にスクーター)による自転車感覚での通勤が可能ですが、10kmを超えるような距離となると、50ccバイクでは通勤が辛くなります。そこで125ccのスクーターがおすすめですが、このバイクに乗るには二輪の小型免許が必要になります。
以上のようにバイク通勤にはメリット・デメリットがありますが、やっぱりバイクに乗ることが好き!という人であれば、一度はバイク通勤をしてみるのが良いのではないでしょうか。
制作:工場タイムズ編集部