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身の回りの電池

新しい技術が続々と! 暮らしを支える身近な電池の仕組みと種類

2017/01/25公開 / 2023/07/10更新

アルカリ乾電池、リチウムイオン電池、燃料電池と、電池にはいろいろな種類があります。

使い捨ての電池もあれば、充電式の電池もあり、自然エネルギーを利用して電気を発生させるクリーンエネルギーも登場しています。私たちの暮らしの中では多くの電池が使われていて、電池のない生活は考えられません。

それなのに、電池のことをどこまで知っているかというと、意外に知らないことが多いのではないでしょうか?

そこで今回は、電池の仕組みや電池の種類、「夢の電池」の開発状況などについてご紹介します。

身近な電池! 乾電池の仕組みと種類

まずは私たちの生活に身近な存在である乾電池の種類や仕組みについてお伝えします。

乾電池の種類

乾電池の代表的な種類は「マンガン乾電池」「アルカリ乾電池」「リチウム乾電池」です。

マンガン乾電池

懐中電灯や時計、リモコンなど小さな電流で対応できる製品に使われます。また、しばらく休ませると電圧が回復するという特徴があります。

アルカリ乾電池

ラジコンカーやCDプレイヤーといった、長時間連続して使用する家電製品に適した高出力の乾電池です。自然放電が少ないため、長期の保存にも向いています。

リチウム乾電池

マイナス極に金属リチウムを使用した高電圧の乾電池で、電力容量はマンガン乾電池の約10倍あります。形状は円筒形のものよりも、ゲームや電子手帳、電卓などに使われるコイン形のほうが知られています。

乾電池には大きなものから順番に、単1から単6までのサイズがあります。大型の乾電池なら家電製品を長時間使用できますし、小型の乾電池は小さな電子機器への使用に向いています。それぞれにメリットがあり、用途に合わせて使用できるようになっています。

乾電池の仕組み

乾電池は「小さな発電所」と言われ、化学反応によって電気を発生させます。乾電池のプラス極には「炭素棒」や「二酸化マンガン」、マイナス極には「亜鉛」が使われていて、乾電池の内部に充填(じゅうてん)された電解質(電気を通す物質)の反応によってマイナス極で発生した電子をプラス極へと移動させます。この移動の際に電気が発生するのです。電解質は電池の種類によって違い、液体のものもあれば乾電池のように粉末状の固体となっているものもあります。乾いた固体の電解質を使っているから「乾」電池なのです。

電気が貯められる「蓄電池」とは?

続いては、電気が貯められる「蓄電池」についてお伝えします。

1次電池と2次電池

蓄電池とは、充電や放電を繰り返しできる電池のことで、「2次電池」とも呼ばれます。それに対して、充電できない乾電池のことは「1次電池」といいます。充電できる蓄電池には「災害時にも電気を使用できる」「夜間に貯めた電気を昼間に使うことで電気代を減らせる」といったメリットがあります。その分、1次電池と比べると価格は高めです。

リチウムイオン電池

蓄電池の中に「リチウムイオン電池」という種類があります。リチウムイオン電池とは、1991年に実用化が開始された小型で高容量な蓄電池です。プラス極とマイナス極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行います。先ほど「乾電池の種類」の項目で紹介した「リチウム乾電池」とは別物です。2016年4月には、化学メーカーの「カネカ」と愛知工業大学が「従来の100倍以上の速さで充電できるリチウムイオン電池」を開発したとしてニュースになりました。

これからの進化に期待! 新しい電池の技術

上記のリチウムイオン電池以外にも、新しい電池が次々開発されています。その中からすでに実用化されていたり、実用化に向けて研究が急ピッチで進んでいる2つの電池をご紹介します。

全固体電池

全固体電池とは、リチウムイオン電池の基本部分はそのままに、プラス極・マイナス極・電解質のすべてが固体になっている蓄電池のことです。従来のリチウムイオン電池よりも薄いのに出力は数倍になり、さらに発火の危険性がなくて安全性に優れているといった点がメリットです。実用化のメドは2030年となっていますが、前倒しされる可能性もあります。

燃料電池

燃料電池とは、水素と酸素の化学反応で電気を発生させる装置のことです。名称に「電池」と入っていますが、乾電池や蓄電池のように、貯められている電池を使用するものではありません。水素と酸素があればずっと電気を発生させることができる上、発電時に水しか排出されないため、クリーンで環境に優しい「夢のエネルギー」と呼ばれています。すでに実用化されていて、小型のものは自動車や船舶などの動力源に、大型のものは発電施設などで使われています。

世界中で研究が進む「夢の電池」

出力が大きくて長持ちし、環境に優しい電池をどうすれば開発できるのか?――そんな夢の電池を目指して、世界中で研究が進んでいます。なかには、血液中のブドウ糖を使って電気を起こす「バイオ電池」、海水を使う「海水電池」、さらには服そのものが太陽電池と化した「服電池」なるものまで研究されています。想像するだけでワクワクしますよね。大手メーカーの中には、電池をつくっている工場の見学を受け付けているところがあります。興味のある人は、ぜひ出掛けてみてください。マンガン乾電池を手づくり体験できるところもあって、面白いですよ。

制作:工場タイムズ編集部

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