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箸の作り方を知りたい! 工場だけじゃなくて、自分でも作れるの?

2017/01/12公開 / 2023/06/01更新

日本は四方を海に囲まれた島国という特性から、日本ならではの独自の文化が昔から多数存在しています。日本で産まれ育てば、小さな頃から当たり前のように使う「箸」も、その一つです。

ところで、箸はいつから使われるようになり、どのように作られているかご存じですか?

今回は、箸の歴史や工場での製造方法、さらに自分だけの「マイ箸」の作り方についてご紹介します。

箸の歴史と種類を教えて!

そもそも箸はどのようにして日本中に広まっていったのでしょうか?まずは、箸の歴史と箸の種類についてお伝えします。

箸文化の起源と歴史

箸は土器と違って腐敗してしまうため、日本でいつ頃から使われていたのかは、はっきりわかっていません。しかし、弥生時代末期の遺跡からは、一本の竹を折り曲げてピンセットのような形にした「折箸」(おりばし)が発見されています。ただし、これは祭祀(さいし=神や祖先などを祭ること)の際に使用する祭器で、食事用に使うものではなかったと考えられています。日本人が箸を食事用に使い出したのは聖徳太子が活躍した600年頃のことで、中国から日本を近代国家として認めてもらうために、それまで手づかみで食べていたのを朝廷内では箸を使って食事をするようにしたことがきっかけであると言われています。また、箸を使う文化は中国の影響を受けて広まりましたが、箸置きは日本の美意識が生んだ、日本独自の文化となっています。

箸の種類

箸には持ち手の部分(天)を削った「天削(てんそげ)」や、千利休が考案したことから名づけられた両端が細く中央部分が太い「利久」、角や面が削られていて上から見ると小判のような形に見える「上小判」など、いろいろな種類のものがあります。日本の箸はほとんどが天然の木の素材から作られており、木を守るために上から漆が塗られていることが一般的です。

割り箸は工場でどう作られているの?

続いては私たちが日常的に使用している割り箸の作り方を工程ごとにご紹介します。これは一例で、工場によって作り方が少し違います

皮むき

割り箸の原料としては杉や竹のほか、白い部分の多いエゾマツがよく使われます。原木はまず製造工場に運ばれ、機械で表面の皮をむきます。

玉切り

皮むきした丸太を割り箸の長さに合う大きさに切断します。

手割り

丸太を木目に沿って、みかんの切り口のように細かく割っていきます。

煮沸

滅菌するために丸太を蒸釜の中に入れ、煮沸して柔らかくします。

スライス

蒸した丸太をカッターにセットし、割り箸の厚さになるよう木目に沿ってスライスしていきます。その後さらに箸の寸法になるよう裁断機でカットし、割り箸の形にしていきます。

乾燥

カットした割り箸は、温風で乾燥させます。

選別

乾燥後、割り箸は手作業で選別され、汚れがあるものや形・色などが悪いものは、不良品として取り除かれます。これで割り箸の完成です。

自分だけの「マイ箸」を作りたい!

最近ではエコブームの影響で、自分だけの「マイ箸」を持ち歩く人がいます。最後は、マイ箸の作り方をお伝えします。

作りたい箸のタイプを選ぶ

同じ箸でも、全体が四角形になっている「角箸タイプ」や、丸型になっている「丸箸タイプ」などがあります。自分がいつも使っている箸と同じタイプのものを選ぶと良いでしょう。

箸の長さを決めてカットする

木地を自分好みの長さにカットしましょう。一般的に成人男性なら23cm前後、成人女性なら21cm前後がちょうどいいと言われています。

全体を削る

カッターや切り出しナイフを使って、少しずつ削っていきます。削りすぎると作り直すことになるので、少し削ったら実際に持って感触を確かめるという作業を繰り返すことが大切です。

仕上げ

全体の荒削りが終わったところで、最後にサンドペーパーで箸の表面を整えたら完成です。

現在では、全国のいろいろな場所でマイ箸を作れるワークショップなどが開催されています。なかには、自分の名前や好きな絵などを入れられるところもあります。また、市販のキットなども販売されているため、自宅で「マイ箸作り」を楽しむこともできます。

箸の作り方をマスターして、「マイ箸」を作ってみよう!

長い歴史を持つ日本の箸文化からは、箸置きを開発した美意識、箸を美しく使いこなす日本人の手先の器用さと合わせ、日本のモノづくりのレベルの高さがうかがえます。また、買い物の際にレジ袋を有料化しているスーパーなどもありますが、一部ではエコのため、割り箸を有料化する店も出てきています。自分で袋を持参する「マイバッグ」のように、「マイ箸」も広く定着する日が来るかもしれません。そんな日が来る前に、箸の作り方をマスターして、一度「マイ箸」を作ってみませんか?

制作:工場タイムズ編集部

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