ひと昔前までは、携帯電話といえば「ガラケー」でしたが、現在ではスマートフォンを持つ人が増えています。
ガラケーはボタンで文字や番号などを入力するのに対し、スマートフォンは画面を直接タッチして操作を行います。これに慣れるのに時間がかかった人もいるかもしれませんね。
しかし現在、スマートフォンは若い世代を中心にすっかり定着しました。スマートフォンに慣れ親しんでいる人にしてみれば、「なぜまだガラケーを使う人がいるのだろうか?」と疑問に感じているかもしれません。
今回は、日本のスマートフォン普及率や、スマートフォン使用者増加の背景についてご紹介します。
スマートフォンはどれくらい普及している?
総務省が平成26年に行った情報通信機器に関する調査によると、日本国内でスマートフォンを持っている人の割合は53.5%。テレビを個人で所有している人の割合が55.9%なので、ほぼ同じ割合でいることがわかります。
ガラケー(フィーチャーフォン)の場合はどうでしょうか。同じ調査によると、携帯電話を持つ人の中でガラケーを使っている人の割合は25.5%でした。携帯電話を持っている人のうち4人に1人が、現在もガラケーを使用していることになります。
また、調査の中で、次に購入したい携帯電話の種類を聞いたところ、現在スマートフォンを持っている人のうち52.1%が「必ずスマートフォンを購入する」、31.0%が「おそらくスマートフォンを購入する」と答えています。
一方、現在ガラケーを持っている人では、4.7%が「必ずスマートフォンを購入する」、22.4%が「おそらくスマートフォンを購入する」と答えたのに対し、「次もガラケー」という人が40.0%に上りました。つまり、現在スマートフォンを使っている8割以上の人が「今後もスマートフォンを使いたい」と考え、ガラケー派の4割は「次もガラケー」と考えているということです。
13~69歳まででスマートフォンを使っている人の割合は、62.3%という結果でした。年代別に見ると、10代は68.6%、20代は94.1%、30代は82.2%、40代は72.9%、50代は48.6%、60代は18.3%となっています。このデータから、20代ではスマートフォンを使っている人が圧倒的多数であることがわかります。
なぜスマートフォンの普及率は伸びている?
日本で2人に1人以上の人が持っているスマートフォン。なぜ普及率が伸びているのでしょうか。それにはいくつか理由があります。
まずは「手軽さ」です。従来インターネットに接続するにはパソコンが必要でした。しかしパソコンは、本体を開き電源を入れてからネットに接続する必要があり、外で使う場合は持ち運ぶ手間がかかります。スマートフォンはポケットに入れての持ち運びが可能で、ボタンを押せばすぐにネット接続が行えるため、どこにいても使うことができます。
また、ネットとは別に世界のエンジニアが作った「アプリケ―ション」をインストールできることも、ガラケーにはない魅力の一つです。写真を投稿できるInstagramやソーシャルゲーム、LINE、TwitterといったSNSサービスなど、多くの人がいろいろなアプリをダウンロードして楽しんでいます。
さらに「iPhone」というスマートフォン機種の人気も理由の一つとして挙げられます。iPhoneの強いブランド力とおしゃれなデザインは若者を中心に支持され、現在ではドコモ、ソフトバンク、auの大手3社ともiPhoneを発売しています。
これからもスマートフォン保有者は増える?
すっかり市民権を得たスマートフォンですが、スマートフォンを持つ人は今後さらに増えていくと考えられています。
その理由の一つは、海外との普及率の比較です。日本は海外と比べてスマートフォンの普及率がまだそれほど高くありません。同じアジアであるシンガポールは93.1%、韓国は88.7%の割合でスマートフォンを持っています。それらの国と比べて日本の普及率は大幅に遅れているため、今後もスマートフォンを持つ人が増えていく可能性は高いでしょう。
また、これからも大きく進歩し続けるであろう性能や機種の増加といったことも、普及率アップに貢献するでしょう。バッテリーの耐久時間やカメラの画素数など、各社で開発競争が行われているため、高い性能に魅力を感じた購入者の増加が考えられます。
さらに、メニューボタンなどを大きくして操作しやすくしたシニア向けのスマートフォンも発売されています。これまでガラケーを使っていたシニア層がスマートフォン派に転向する可能性も大いにあります。
スマートフォンの利用に関して、料金が高い」とから利用を避けていた人もいると思います。しかし、携帯電話料金の改定に関する話し合いが政府内で行われています。ネックだった携帯電話の料金が安くなれば、スマートフォンの普及率がグンと上がることは確実と見られています。
拡大の余地が大きいスマートフォンの普及率
スマートフォンは気軽に情報を調べられますし、SNSやアプリを気軽に楽しめるなどメリットがたくさんあります。20代の普及率を見てもわかるように、若い世代はパソコンよりスマートフォンのほうが圧倒的に親しみやすいようです。日本ではこれからもスマートフォンを持つ人の割合は上がり、韓国やシンガポール並みに上昇していくことはほぼ間違いないでしょう。
制作:工場タイムズ編集部