アンティークなデザインが好きな人から支持されている「エイジング塗装」。これは、特殊な塗料を塗って、あたかも年月が経過したことで風化したような加工を行うことです。
壁や家具などにエイジング塗装を施すことで、古き良き時代の雰囲気を再現し、独特のオシャレさを出すことができます。
最近では家で簡単にできるエイジング塗装が、DIYに関心のある人たちに注目されています。
エイジング塗装とは?
エイジング塗装とは、特殊なペンキなどを塗ることで傷やサビといった経年変化(時間が経って起きる変化)を表現する塗装方法のことです。オシャレなカフェやレストランでよく見られます。
たとえば、普通にペンキを塗った自宅のポストに、エイジング塗装用の特殊な塗料を重ねます。すると、見た目が汚くなることなく、自宅の建築年数や周囲の雰囲気に合わせた経年変化を自然につけることができます。
ポストに限らず、壁や家具などにエイジング塗装すれば、ヨーロッパの家具のようにアンティーク風やビンテージ風に仕上げることができます。普通のペンキでは時間の経過までは表現できませんが、エイジング塗装なら時間が経って、深みが増した雰囲気を伝えることができます。また、既製品にひと味ちがう趣を出したい人にもオススメです。
ちなみに、アンティークは100年以上、ビンテージは20~30年以上100年未満と区別されるのが一般的です。
どんなところに使われている?
年代や歴史を表現できることから、ホテルやショッピングモール、テーマパークによく使われています。たとえば「古き良きアメリカの建物」を表現したいとき、新築の建物をわざと古く見せるためにエイジング塗装が施されます。
アメリカではエイジング塗装の専門家がいます。木材やレンガの劣化まで表現できるので、カフェやアンティーク家具店だけでなく、テーマパークの塗装の際に活躍しています。
また、建物の雰囲気に合わないものを隠したいときにも便利です。たとえば、古い建物に現代的な消火栓扉はミスマッチです。こういうときは柱や建物の壁に合わせて、消火栓扉ごとエイジング塗装する方法がとられます。エイジング塗装によって、木目調や岩のブロック、石積みの壁などの素材を表現できるので、建物や部屋全体の雰囲気を統一したい人にオススメです。
DIYでエイジング塗装!
プロの業者でなくとも、家で簡単にエイジング塗装ができます。まず、ホームセンターなどで購入できる「ガードラックアクア」を使って、エイジング塗装する方法をお伝えします。ガードラックアクアとは、エナメル調仕上げの水系木材保護塗料です。今回は風合いを表現するために色同士を混ぜて、「エジプシアンブルー」という色を作ります。
使用する道具
・エイジング塗装したい木材サンドペーパー、塗料を入れる容器、はけなど
・塗料ガードラックアクア(下地用のエジプシアンブルー)
・塗料(ホワイト・イエロー・レッド・ブルー・ブラック・ガードラックアクア(塗り重ねるための塗料))
エイジング塗装の方法は、まず、ガードラックアクアを混ぜて、下地用の塗料を作ります。ホワイト・イエロー・レッド・ブルー・ブラックを、6:1:2:4:3の割合で混ぜて「エジプシアンブルー」という色を作っていきます。エジプシアンブルーは、いわゆるアンティーク調の木製品を作りたいときにぴったりの下地です。青みが出る色調なので、もっと木目風にしたい人は、お好みでガードラックアクアのチョコレートを使っても風合いが出ます。
下地を塗ってから表面のべたつきがなくなり、乾燥するまで待ってください。塗装する木材の質や大きさによって差がありますが、2時間以上かかるでしょう。下地が乾燥したら、ガードラックアクアのホワイトを塗り重ねていきます。
このホワイトが乾燥したら、エイジング塗装の仕上げに移ります。サンドペーパーは、数字が大きくなるほど目が細かくなります。粗い質感を表現したい人は120~150番のサンドペーパーを、細かい作業を好む人は180~240番程度のものと使い分けるといいでしょう。
自宅でオリジナル家具を作ってみよう!
エイジング塗装の良さは、自宅でオリジナルの家具や小物を作ることができる点です。購入すると、値段の張るアンティーク家具も、自分で作れば安上がりです。サンドペーパーだけではなく、くぎや金づち、ニードル(針)などを使って、木目の荒れを表現してみましょう。あなただけのオリジナルデザインの家具や小物を作ることができますよ。
制作:工場タイムズ編集部