工場には規模にかかわらず、最高責任者として「工場長」という役職があります。
工場で働いている人の中には、普段から工場長とよく話をしている人もいれば、ほとんど触れ合う機会がない人もいるでしょう。工場長とは具体的にどんな仕事をする人なのでしょうか?
今回は意外と知らない「工場長の仕事」をご紹介します。
工場長って、どんな人?どういう仕事をしているの?
そもそも工場長はどのような立場で、どんな責任があるのでしょうか?また、どうすれば工場長になれるのでしょうか?
仕事内容と目的
工場の最高責任者が工場長です。工場全体の目標を掲げ、達成するために従業員たちが何をするべきかをわかりやすく伝えます。たとえば、遅れ気味の納期を改善することが目標だとすると、それを達成するためにはいつまでに何をするべきを具体的に「見える化」し、従業員に指示します。あいまいな目標や計画では従業員が混乱するので、はっきりとした数字や日時で指示するのがポイントです。
また働きやすい環境を整えることも工場長の大切な仕事です。それができてこそ従業員が効率よく働くことができ、目標を達成しやすくなります。そのため従業員と日ごろからコミュニケーションを積極的にとり、それぞれがどういう能力を持ち、どんな考え方をしているのかを把握しておくことが大事です。それをもとに従業員のスキルアップにつながる人材育成を行います。
どうすれば工場長になれるの?
工場長は、工場で従業員がつくことができる最高位の役職です。工場の規模や形態によりますが、大企業では役員のすぐ下の位置づけになります。しかし、特に決められた学歴や資格が必要なわけではなく、工場を持つメーカーに就職することが工場長になる近道です。その工場のことをよく知っている従業員が、叩き上げで工場長になる場合がほとんどなのです。つまり、頑張り次第で工場長になれるチャンスがあるということです。
工場長の仕事ってやりがいはあるの?
工場内の業務をすべて取り仕切る立場なので、それに伴う責任があります。その責任の大きさをやりがいに感じている人は多いでしょう。また、従業員が一丸となって目標に進み、達成した時の充実感は計り知れないものがあります。
従業員が笑顔で働いている姿を見るのは嬉しい!
働きやすい環境を整えると、「この工場で働けて良かった!」という従業員の笑顔を見られるようになります。その瞬間は、工場長としては嬉しいものです。また、工場の立地や環境によっては、近隣の雪かきやゴミ拾いなど業務外のボランティア作業をすることがあります。そういう時にも積極的に参加すると、従業員に笑顔の輪が広がり、「良い仲間に恵まれた」と感じるものです。
みんなが一丸となって働き、目標を達成した時の充実感は最高!
工場長は、本社の営業部や社外の取引先の人とよく接する機会があります。工場で働く人たちが一丸となって目標を達成し、お客さんから「ありがとう」「美味しかった」「とても良かった!」などの喜びの声を直接聞けると、大きな達成感や充実感を味わえます。
工場長に向いている人って?
将来、工場長になりたいと考えている人もいるでしょう。では、どのようなタイプの人が工場長として向いているのでしょうか?
誰とでも壁をつくらずに話せる人
工場長は、従業員をまとめたり指導をするだけでなく、取引先と話をする機会が多くあります。時には言いにくいことを指摘する機会もあるでしょう。それを考えると、誰に対しても壁をつくることなく、会話ができることは大切なスキルです。
慎重な性格で、細かいことに気づける人
工場内の施設や機械の取り扱いを誤ると、思わぬ事故やケガにつながります。工場内は安全第一。整理整頓や電源のオンオフ、衛生面などに細心の注意を払うことで、そうした事故を防ぐ役割も工場長の仕事です。
キャリアアップの意識が強い人
「品質を上げる」「原価意識を持つ」「安全性に気をつける」「従業員の健康管理に気を配る」など工場長には学ぶことがたくさんあります。常に向上心を持って学び続けるエネルギーの強い人が向いています。
責任を伴うからこそ達成感が大きい
工場長は「従業員とコミュニケーションをとって、働きやすい環境づくりに努める」「従業員の能力を伸ばし、健康管理に気を配る」「製品の品質の向上、コスト削減、納期厳守などの目標を達成する」という役割を同時にこなします。こう考えると、「工場長って何だか大変そうだなあ」と思う人がいるかもしれません。しかし、大変で責任を伴う役割だからこそ、達成感や充実感が大きく、やりがいを感じられるもの。工場長になるには、その工場で働き続けることが近道です。工場でキャリアアップしたい人は、ぜひ工場長を目指してみてください。
制作:工場タイムズ編集部