DIY、日曜大工をする人にとって持っていると便利な工具の一つが、回転に打撃力を加えて効率良くネジを締めることができる「インパクトドライバー」です。
住宅の建築や、家具などの建具にネジが使われることが多くなっています。また最近では、市販の組み立て家具においてもネジで留めるタイプが増えています。
今回は一本あると便利なインパクトドライバーについて紹介していきます。
インパクトドライバーの特徴
インパクトドライバーは、机やベッドなどのDIYでよく使われている大きさの板に対して、長くて太いビスやネジを締め付けるのに適しています。
インパクトドライバーについている専用のビット(先端に取り付けるパーツ)を交換すれば、ネジやナットを締めるだけでなく、板や木材に下穴をあけることができます。インパクトドライバーはそれ一つで、下穴用の小さい穴をあける作業も行うことができるのです。
一般的に使われるドリルドライバーは回転だけで締め付けるので、硬い木や下穴があいていない板では、無理に締めようとしてネジ穴をつぶしてしまうことがあります。一方、インパクトドライバーは回転に加えて打撃力があるので、効率良く締め付けることができます。
ただ、一般用のインパクトドライバーには、ドリルドライバーのようにネジを締め付ける力を調整するための「クラッチ」という機能がありません。やわらかい素材や薄い素材に使うと、締め付けの力加減によってヒビが入ったり、割れたりすることがあります。力が強いので、小さいネジや木のネジにはドリルドライバー、比較的大きなネジや硬い素材にはインパクトドライバーが向いています。
インパクトドライバーの性能と選び方
使用用途によって、性能の違うインパクトドライバーを選びましょう。
トルク(Nm)
トルクとは、「締め付ける強さ」を指します。インパクトドライバーは、ビスを締めるときには回転力に加えて打撃力が増すので、トルクは強くなります。シンプルなインパクトドライバーは、最大締め付けトルクが充電式で170Nm程度です。家庭用なら130 Nm以上あれば本格的な日曜大工やDIYでも問題なく使えます。トルクが大きいほど作業は早くなりますが、パワーも強くなります。素材によって丁度良いなパワーが変わるので、調整機能がついていないものについてはトルクが大きくなりすぎないように気をつけましょう。
電圧(V)
V(ボルト)とは、バッテリーの電圧単位のことをいいます。電圧が高いほどより大きなパワーを引き出すことができます。基本的にコード式と充電式があります。ハードな作業や連続して使う場合はコード式が向いていますが、家庭用であれば充電式で大丈夫でしょう。10.8~12 V程度あれば十分です。バッテリー切れが心配なときは予備バッテリーがあると安心です。
インパクトドライバーの使い方
インパクトドライバーのビットを取り換えれば、ネジ締めだけでなく、穴をあけたりボルトを締めることができます。基本的に、ビットはワンタッチでつけ変えることができます。外側のロックを解除し、引っ張りながらビットを取り付け、手を放すと固定されます。取り付け終わったらきちんとロックされているか確認しましょう。
回転方向は、ヘッドの下の部分にある突起部分を押して、「正転」「逆転」の切り替えを行うことで調節できます。正面から見て突起が右に出ているときは正転、左に出ているときは逆転です。穴をあけたり、ビスを締めたりするときは正転にし、ビスを緩めたり、ドリルを引き抜いたりするときは逆転にします。
インパクトドライバーを使うときは、機械がぶれないようにしっかり持ちます。ビス打ちするときは下穴をあけておくと打ちやすく、よりきれいに仕上がります。打つ面に対して垂直になるように支え、しっかりネジ(ビス)の頭と溝とビットを合わせてから締めます。締めすぎると木材やビスの頭が傷んでしまうので、ゆっくり締め付けることがポイントです。
また、初心者が一度でネジを締めようと思うと、ネジ穴からビットが外れてしまうことがあります。ネジを締める勢いを調整することで、溝から外れて下の木材を傷つけてしまうおそれをなくします。本体はしっかり固定して、ケガをしないように注意をしながら作業しましょう。
本棚やウッドデッキにはインパクトドライバー!
インパクトドライバーは大型家具の製作や、内装のリノベーションを考えている人にとって、持っていると何かと便利な道具です。丈夫な材質に向いているので、組み立て家具ではなく、材料を切り出し、自分で一から本棚などの家具や、庭のウッドデッキなどをつくるときに持っているととても役に立ちます。インパクトドライバーは、回転すると同時に打撃が加わって大きな音が出るので、マンションなどの集合住宅で使うときは作業場所に注意しましょう。
制作:工場タイムズ編集部