私たちはいろいろと便利な道具を使って生活しています。それらが壊れてしまったとき、小さな道具や値段の安いものなら買い換えるでしょう。
しかし自動車や大型家電、スマートフォンやパソコンなどは、そうそう買い換えるわけにはいきません。そこでお世話になるのが「修理工場」です。
電器店で家電の修理をお願いしたとき、修理後に受け取った書類に工場の名前が書かれているのを見た人もいるのではないでしょうか?
今回は、修理工場のお仕事をご紹介します。
修理工場って何をしているの?
「修理工場」は、基本的に修理をするモノごとに専門の工場があります。ここでは代表的な工場を見てみましょう。
自動車整備工場
自動車整備工場には、認証工場と指定工場の二種類があります。認証工場とは、地方運輸局長の「認証」を受けている工場です。この認証を受けると、その工場は自動車の分解や整備をすることができます。認証工場の中で「設備」「技術」「管理組織」が一定の基準を満たしていると、地方運輸局長から指定自動車整備事業の「指定」を受けることができます。これを「指定工場」といいます。工場に「指定工場」を表す標識が掲げられているので、見るとすぐにわかります。
家電修理工場
家電の修理工場は国からの指定はありませんが、大型家電を扱うので規模が大きい工場が目立ちます。電器店などで受け取った故障品を修理し、お店へ発送する業務を行います。
パソコン・スマートフォン修理工場
パソコン・スマートフォンも国からの指定等はありません。修理のために必要な設備や測定機器が整っていれば、依頼を受けた店舗で修理を済ませる場合がほとんどです。そのため駅前や繁華街、住宅街に立地している修理工場があります。多くの工場では故障の種類によってマニュアルが用意されています。
その他
ほかにも大型の家具や玩具を専門に修理する工場や、衣料品やカバン類、ソファなどの布や革製品を扱う工場などがあります。
修理工場でのお仕事って?
修理工場内でのお仕事も、規模に応じていろいろなものがあります。ここでは代表的なものを説明します。
自動車整備工場でのお仕事
自動車整備士
自動車の分解や組み立てを行う専門技術を持った人のことです。トラブルが発生した自動車の診断と修理、定期的なメンテナンスや調整を行います。「自動車のお医者さん」と例えられることがあります。修理を担当するためには、「自動車整備士」という資格が必要です。
板金塗装
事故などで破損した自動車のボディを修理・修復して元どおりに塗装したり、色を塗り替えたりする仕事です。塗装の際に自動車のエンジンを外すことがあるため、「自動車整備士」の資格があるとかかわれる仕事の幅が広がります。
家電修理工場
生活家電にはたくさんの種類があります。たとえば、洗濯機やエアコンなどの「白物家電」、テレビやレコーダーといった「AV機器」、固定電話やファクシミリなどの「情報家電」です。毎日使うため、故障することが多くなりがちでしょう。最近では複雑な仕組みの家電が増えており、それぞれの製品に合った方法で修理を行います。
ハンダ付け
電気回路等の修理をするときにハンダ付けをして回路を繋いだり、内部の部品を取り換えたりします。
組み立て/組み付け
修理前に一度分解した製品を、修理後に元の形に組み上げていきます。修理が済んだ製品を発送するための梱包(こんぽう)の仕事まで兼ねることがあります。
パソコン・スマートフォン修理工場
スマートフォンや携帯電話、パソコンは日々進化し、複雑な仕組みになっています。預かったものを分解して修理し、あらためて組み立ててから修理後の確認検査をします。発送用の梱包作業までがマニュアル化されていて、経験が浅くても対応できるお仕事が多くあります。
有資格者修理
一部のメーカーや製品については修理技術者向け試験が実施されていて、独自の資格制度を持っていることがあります。当然、資格を持っていると修理の幅が広がり、それだけ重宝されます。
修理工場で働くのに向いている人
こんな人なら修理工場で楽しく働くことができるでしょう。
車やバイクが好き
その製品を好きな人のほうが興味を持って仕事に取り組めます。車やバイクに乗るのが趣味の人なら自動車整備工場で楽しく働けるので、作業がはかどります。
機械や性能に興味がある
故障した機械のことを隅々まで知っていないと修理ができません。もともと機械いじりが好きで、新しい製品が出てきたらどれくらい性能がよくなったかといったことに興味がある人が向いています。
原因の追求や研究が好き
故障やトラブルの原因は状況によって違います。その原因を詳しく調べたり研究するのが好きであればあきらめることなく、再びその機械を動かせるよう修理できるでしょう。
修理の先まで見据えてみよう
修理工場でのお仕事は直すだけではありません。場合によっては依頼者に状況や原因をわかりやすく説明したり、トラブルを起こさないためにアドバイスをします。そのように、この仕事にはサービス精神を求められるところがあります。好きな製品の修理に取り組むと趣味と実益を兼ねられるので、興味を持って仕事ができるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部