工場で働く人たちには、どれくらいの休憩時間があるのでしょうか?
集中力を持って仕事にあたるためには適度に休憩を取ることが大切です。では、工場の休憩時間はどう決まっていて、どんな過ごし方をするのが良いのでしょうか?
今回は工場での休憩時間と、その過ごし方についてご紹介します。
休憩時間ってどのくらい?
最初に、働く人を守るための法律「労働基準法」の中で、休憩時間がどのように定められているかお伝えします。
・労働時間が6時間以下の場合は休憩なし・労働時間が6~8時間の場合は45分以上・労働時間が8時間を超える場合は1時間以上
このように、労働時間に応じた休憩時間が法律で定められています。もちろん、「トイレへ行く」など、ごく短時間で職場に戻る場合は休憩時間に含まれないので大丈夫です。
休憩時間は働く人が自由に過ごせる時間のことです。電話番や来客との応対などいつ仕事が入るかわからない状態で休んでいるのは休憩時間とは言いません。また、休憩時間は労働時間の途中で取ると決まっています。始業時刻からいきなり休憩に入ったり、休憩したまま終業時刻を迎えることはできない決まりです。
また、休憩時間内に戻ってこられる場合は外出が認められています。工場の中庭でスポーツをしたりデスクで食事をすることについては、仕事に支障が出ないと判断された場合に限り認められます。ちなみに飲酒は仕事に支障があると判断されるため、認められません。
基本的には全員一斉に取る
労働基準法では労働時間は「一斉に与えなければならない」とされています。したがって休憩も一斉に与えられます。ただし、交代で休憩を取らないと仕事がストップしてしまう職種に関しては例外が認められています。たとえば「運送業」「販売業」「料理飲食業」「理容業」「金融保険業」「映画演劇業」「通信業」「保育業」「病院・診療所」「官公署」がそうです。工場の場合は「一斉就業・一斉休憩」が原則です。
一斉休憩が原則とはいっても、どうしても無理なときは工場長らとの話し合いで例外を設けることができます。たとえば部や課ごとに休憩したり、場合によっては個人も例外的に休憩時間をずらすことができます。たとえば、工場で働く人は正午から1時間、工場の食堂で働く人たちは14時から1時間といった感じです。また、幼稚園への子供の送り迎えなど外出時間が決まっている場合も休憩時間の移動が認められることがあります。
企業によって違う休憩時間
ライン作業で動いている工場の場合、休憩時間になると一度ラインを止めるところが一般的です。そのため休憩は一斉に取るところが多いです。
就業時間が8時間を超えることがある会社の場合、休憩時間を分割することができます。たとえば正午から12時30分に1回目、15時から15時30分で2回目というふうに合計が1時間以内に収まれば大丈夫です。
また、工場によっては、法律で決められた休憩時間以外に10分~15分程度の小休憩を設けているところがあります。小休憩を禁止する法律はありません。むしろ適度に休憩を挟んだほうが集中力が続き、生産性が上がると判断されているのです。
休憩を有効活用するには?
労働時間が長くなると、疲れて作業の効率が落ちるだけでなく、思わぬ事故が起きることがあります。休憩時間というのは、そのようなことを防ぐために設けられたリフレッシュ時間です。では、休憩時間を有効に使うためには、どんな過ごし方がいいでしょうか?
たとえば、昼食を取った後、気の合う人たちと談笑したり、スマホのチェックをしたり、10分程度の仮眠を取るのもいいでしょう。深呼吸やストレッチ、軽い運動もオススメです。資格取得を目指している人は、その時間に勉強することもできます。自分なりに休憩時間を45分と15分に区切って、45分間は昼食とリフレッシュ、残り15分間はストレッチという具合に使うと、同じ休憩でもメリハリをつけられ、その後の作業効率が上がります。
工場内に休憩所が設けられていたり、売店や食堂がある場合は大いに活用したほうがいいでしょう。また、近所にショッピングセンターなどがあれば、ちょっとした外出をするのも良い気分転換になります。
休憩時間は自由にリフレッシュしましょう
休憩時間は貴重なリフレッシュ時間です。とはいえ、「休憩時間を有効活用しなきゃ!」と無理に考えなくても大丈夫。過ごし方は人それぞれです。食事を取った後は、自由に楽しく過ごして気分転換し、その後の仕事にまた集中する。こんな感じでメリハリをつけられれば、仕事の効率も上がって、毎日を楽しく過ごすことができますよ。
制作:工場タイムズ編集部