製造業でメーカー職員以外の働き方としては、請負・派遣というスタイルの働き方があります。
このような外部スタッフとして工場で働くとき、同じメーカーの工場に複数の人材サービス事業者が取引し、採用活動を行う場合もあります。
どの請負事業主を選べばよいかの指針として「製造請負優良適正事業者認定制度」という制度が注目されています。
今回はその制度と公式認定マークの「GJマーク」についてご紹介します。
どんな制度なの?
では、製造請負優良適正事業者認定制度とはどんな制度なのでしょうか?
より信頼できる”請負事業主”であることがわかりやすくなる!
製造請負優良適正事業者認定制度とは、ユーザー企業に「質の高い請負サービス」を提供し、同時に働く人に対して「質の高い雇用機会」を提供する請負事業主が、製造請負優良適正事業者であるかどうか審査・認定する制度です。”より信頼できる”請負事業主であることがわかりやすくなります。
なんと国の行政機関、厚生労働省の委託事業!
認定制度は、厚生労働省の委託事業(「請負事業適正化・雇用管理改善推進事業」)の一環として、「製造請負事業改善推進協議会」が運営を行っています。
GJマークって?
GJマークは、製造請負優良適正事業者認定制度の認定企業であることの「証し」です。「良い仕事(Good Job)」の頭文字(GとJ)で表現されています。
GJマーク認定された企業を選ぶメリットは?
仕事を探すとき、GJマークの認定された請負事業主を選ぶことのメリットをご紹介します。
1.安全、安心
法令順守はもちろんですが、コンプライアンスの概念が盛り込まれていること、「5S活動」を奨励し取り組んでいること、請負料金の設定が合理的に設定されていることなどの審査項目があり、安全・安心な職場であることを表しています。
2.スキルアップができる
一般作業員からリーダーや管理者に昇進した実績があること、キャリアパスを明確にしていること、「職業能力開発」の体制があることなどが審査項目に盛り込まれているため、スキルアップが見込めるというメリットがあります。
3.適切な処遇や評価がされる
現状の能力がきちんと評価されること、能力評価の結果が処遇に反映される仕組みがあることなど、適切な処遇や評価がされるというメリットがあります。
このように、この制度は、自ら申請して審査を受け、審査基準を満たした信頼できる請負事業主であることを証明する、プラスアルファの基準となります。
GJマークってどうやって取得しているの?
GJマークの取得には、審査を受けて、認定されることが必要です。
審査は、書類審査(1次審査)と現地調査(2次審査)、最終審査で構成されており、まず法令を順守していることを前提として、厳密に実施されます。審査項目は、下記の4つの要素があります。
1.経営方針:経営方針の明示・周知、コンプライアンス方針の社内外への明示など
2.ひとづくり力:キャリアパスの明示、能力評価・人材育成の仕組みなど
3.ものづくり力:適正な製造請負を実施するための体制、生産性向上・改善活動への取り組みなど
4.労働者保護:社会保険の加入徹底、安全衛生活動の実施など
制作:工場タイムズ編集部