DIYをする人は、実際にモノをつくるときに何から始めますか?
いきなり切断の作業に取り掛かる人もいるかもしれません。しかし、DIYにおいて重要なファーストステップはきちんと図面を書くことです。
図面を書いてから作業に取り掛かることで効率的に作業を進めることができます。また、よりイメージに近い形に完成させることができます。
今回は、DIYにおける図面の書き方をご紹介しましょう。
まずは完成形をイメージ! 全体図を書く
作業に入る前に、まずは完成イメージを紙に書いてみましょう。紙やペンの指定は特にありません。はじめは自分の書きやすい部分から書き始めましょう。
たとえば、簡単な本棚をつくる場合には、まず四角を書いてその中に線を引いていき、好みの数にマスを分けます。このとき、必ず寸法と留め具の位置を書き忘れないようにしましょう。また、奥行きの寸法も忘れずに書き記します。
こだわりたいデザインや付け足しておきたい部分があれば、ここで書き記しておきます。イメージやデザインが決まったら材料を決めましょう。
部品図を書く
全体図が書けたら、次は部品図を書きます。この図は、実際に作業に入る際に参考とするものですので、一つ一つていねいに書きましょう。
部品図を書くときには、1枚の用紙につき1つの部品を書くのがオススメです。部品1つに対して、正面、裏面、上下左右の側面など、全方向から見た図面を書くことで、実際につくるときにわかりやすくなります。もし、大きいものや細かすぎる部品で1枚の紙に書ききれない場合には、2枚に分けて書くのが良いでしょう。また、全体図を書くときはフリーハンドでも問題ありませんが、部品図を書く際には必ず定規を使用します。各面から見た部品の大きさがそろっているように書くと見やすくなります。
図を書いたらそこに寸法を書き入れましょう。寸法は部品の図の外側に書きます。図の中に寸法を入れてしまうと、数字が入り乱れてどこの寸法かわからなくなってしまいます。
図面を書く際には、下記のように線を書き分けると便利です。
線の持つ意味と名称
線を書く際には、太さや点線などを使い分けます。文字で説明を入れなくても、図を見てすぐにわかるようにするためです。たとえば、一番外側となる「外形線」は太い実線、寸法を書く際は細い実線で書きます。表面からは見えない「かくれ線」はミシン目のような破線、「中心線」は細い線で、長い線と短い線が交互に引きます。そのほかでも、特殊な加工を施す部分には太い一点鎖線を引きます。ちなみに、寸法を書く際に引く細い線のことを寸法補助線、そこに付く矢印の線を寸法線と呼びます。
パソコンで設計図面を書いてみる
最近では、手書きだけではなく、専用のソフトを使ってパソコンで設計図面を書くことが増えました。CAD(キャド)ソフトは、設計用のソフトとして広く知られている製図ソフトです。建築会社や設計事務所などで主に使われています。
CADはどのくらいの価格で手に入るのでしょうか?大企業では数十万~数百万円するソフトが使われています。初心者の人が使えるような簡単なものであれば、1万円程度で購入できます。なかには無料で提供されているソフトもいくつかあります。CADをこれから始めてみたいと考えている方は、まず無料ソフトを利用してパソコンで設計図面を書いてみましょう。
無料で提供されているソフトでも必要最低限の機能が備わっています。機能はソフトの種類によって違いますが、CADソフトの種類は3次元と2次元の二つに大きく分かれます。3次元CADソフトでは、絵を書くような感覚で立体を描くことができます。フリーハンドで複雑な図形を書くのは時間が掛かりますが、CADがあれば簡単に書くことができます。
そして複雑な構造のモノをつくるときに、より本物に近いイメージを得たい場合は、2次元ソフトを使いましょう。無料で手に入るソフトもプロの設計事務所で使われている場合があり、本格的な設計ができます。また2次元CADソフトでつくった図形を3Dソフトに移動できるので、いくつかのソフトを組み合わせて使うのもオススメです。
簡単なつくりであれば、紙への手書きでも十分かもしれません。しかし、複雑になればなるほど、手書きよりもCADが向いているでしょう。
まずイメージを絵にしてみて
DIYをするときに「とりあえずつくってみよう」と作業にすぐ取り掛かる前に、紙とペンを取り出して自分の思い描くイメージを書き出してみましょう。それだけで設計図のベースはできあがります。下準備をきちんと整えることで、より理想に近いモノづくりが実現できるはずです。
制作:工場タイムズ編集部