部屋いっぱいに広がる音楽を全身で体感できるのがスピーカーの魅力ですよね。その臨場感と迫力はイヤホンやヘッドホンとはまた違った味わいがあるものです。
そんなスピーカー、実は自宅で簡単につくれるんです。モノづくりや工作好きの人は必見、初心者でもできるスピーカーのつくり方をご紹介します。
簡単なスピーカーのつくり方
スピーカーは初心者の人にも簡単につくることができます。たとえばスマートフォンやiPodなどの電子機器を接続して音を出すドッグスピーカーの場合、100円ショップですべての道具・材料をそろえられます。
ドッグスピーカーをつくるのに必要なのは、「円柱形のもの(食品包装フィルムの芯など)」「ポリ缶じょうご2個」の2点のみ。ポリ缶じょうごとは、ポリエチレンタンクに灯油などを注ぐための広口じょうごのことです。円柱形のものは、電子機器とポリ缶じょうごを差し込む土台になるので、底が平らで安定感のあるものがいいでしょう。これにカッターを使って真ん中と両脇に2つの穴を開けます。真ん中の穴には電子機器を、両脇の穴にポリ缶じょうごを差し込めば完成です。ポリ缶じょうごから音楽が流れる、総額300円のドックスピーカーの出来上がりです。
少し本格的なスピーカーをつくるときには、「エンクロージャー」と呼ばれるスピーカーの箱に加えて、「ユニット(音が出る部分)」「スピーカーターミナル(端子)」「スピーカーケーブル」が必要です。これをつくることもそれほど難しくはありません。
まずエンクロージャーにそれぞれの部品を取り付けるためのネジ穴を、キリやドリルなどを使って開けます。ユニットとスピーカーターミナルにスピーカーケーブルをハンダ付けしたうえでエンクロージャーの中に通し、先に開けたネジ穴に沿って留めます。これで市販のスピーカーのような本格的なものが完成します。
外観で印象が変わる!
せっかく自作のスピーカーをつくるのだから、自分の個性を前面に出したこだわりの一品にしたいものです。先に紹介した方法以外にも、空き缶や大きな木のボックスを組み立ててつくることができます。つまり自分のアイデア次第で、どのような外観にも自由に変えられるというわけです。それも自作スピーカーの魅力です。
外観を塗装したり磨いたりすると、よりアレンジの効いたスピーカーになります。たとえばホームセンターで売っている「オイルステイン」や「ブライワックス」などの塗料を塗るだけで、安価な木材でもオシャレな雑貨屋さんに並んでいるようなアンティーク風のアイテムに仕上がります。
また、身の回りのものに注目したこんなスピーカーはどうでしょう?たとえばトイレットペーパーの芯と紙コップを切って組み立てると、ドッグスピーカーと同じ仕組みのスピーカーが完成します。さらに、マグカップにスマートフォンを入れるだけでも、音が反響してスピーカー代わりになります。一度お試しあれ!
こだわった自作スピーカーづくり!
自作スピーカーが簡単につくれると分かったら、次は「音質」です。自作スピーカーにおける醍醐味ともいえるポイントであり、自分好みの音がつくれたときは大きな達成感を得られます。
良い音質のスピーカーをつくるには、材料からこだわってみましょう。低音を強調したい、あるいは高音を強調したいなど、自分の気に入った音質をあらかじめ明確にしておきます。お店で、その好みに合った材料をそろえましょう。低音を強調したいときは、「バズレフ型」と呼ばれるエンクロージャーを選ぶのがコツ。「バズレフ型」とはスピーカーの後ろ側から出た音が前から出た音に悪い影響を与えない仕組みになっています。
良い音質をつくるために、組み立ての段階で押さえておきたい点があります。それはスピーカーケーブルの材質です。ケーブルを変えることは音質の改善にもっとも手軽な方法なので、不満を感じたときには真っ先に取り掛かってみてください。ただ、高品質のケーブルをすでに使っている場合は、あまり効果を見込めないかもしれません。その際は、スピーカー内に電気が流れる回路をつくる「コイル」と「コンデンサー」をオーディオ用に変更すると改善できる可能性があります。
こだわりの逸品を自分でつくってみませんか
スピーカーを自分でつくるというと、「難しい」「面倒」などと感じるかもしれませんが、実際はここで紹介したように簡単につくれてしまいます。身の回りの意外なものをスピーカーに変えることができるので、音楽を聴く楽しさも簡単に倍増させることができます。ぜひ自分だけのこだわりが詰まった、作品をつくってみてください。
制作:工場タイムズ編集部