部屋の壁にペンキを塗ったり、工作物やプラモデルに塗料を塗ったりした経験はあるでしょうか。慣れるまではペンキが跳ねたり垂れたり、塗装した部分にあやまって触れてしまったりと、服が汚れますよね。
塗装のプロである塗装工の人も、作業着にペンキが付きながら仕事をしている姿を町で良く見かけます。そこで、塗装をするときにどんな服を着ればいいか、その基本をご紹介します。
塗装に向いている服装とは?
塗装をするときの服装を選ぶポイントは2つあります。それは「汚れても良いこと」と「動きやすいこと」です。
建設現場で働いている人の服を思い出してください。例えば、ズボン。「ニッカ」「ニッカズボン」と呼ばれているズボンは、膝の下でギュッと絞ってあるズボンです。また、「鳶服」と呼ばれている服装もズボンが特徴的で、すねの下までダボっとしていて幅の広いズボンです。これらはどちらも動きやすさを考えてデザインされていて、特に膝を動かしやすくするための工夫です。塗装の仕事も高いところでの作業があるので、動きやすさは大切です。そのため、「ニッカ」や「鳶服」のように、動きやすく汚れても大丈夫な作業着が基本です。
作業着を着て仕事をしている人は、よくベストを着用しています。これも同じく動きやすくするためですが、上着の袖が邪魔にならないようにするためでもあります。袖が邪魔になると作業が遅くなってしまうこともあり、どこかに引っ掛かると怪我の原因になります。真冬のように寒いときは、ジャンパーなどを羽織りますが、袖が邪魔にならない服装というのが基本です。
そのほかにも、車の整備士などが着ている、ズボンと上着が一体となった、いわゆる「つなぎ」も塗装の仕事をするときに着る服です。これもニッカや鳶服、ベストと同じ理由から、塗装の現場ではよく見かける服装です。上着とズボンが別々だと、上着の裾がズボンの上にはみ出し、それが引っ掛かって事故に繋がることがあります。つなぎを着ていれば、その点で心配はいりません。
塗装をするときの服装のポイント
ここでは塗装時の服装のポイントを細かく見てみましょう。
半袖
ベストを着る理由で説明しましたが、なるべく長袖よりも「半袖」を選ぶのがポイントの一つです。「半袖」を選ぶ理由は「安全性」に加えてもう一つ理由があります。それは「塗装した部分に触れない」ことです。塗料を塗ったあと乾くまでにその部分に触れてしまうと、きれいに仕上がりません。先に塗った部分に知らないうちに服が触れないようにするために、半袖を着る場合があります
タオル・バンダナ
髪に塗料が付くと、取りにくいです。何かをかぶって作業をすると良いのですが、帽子をかぶるとつばが邪魔になったり、作業中に落ちたりします。そこでオススメなのが、「タオル」や「バンダナ」です。これらを頭に巻いて作業すれば、髪が汚れることもなく、汗が垂れて目に入るのも防いでくれます。さらに、帽子に比べて洗うのも簡単です。汚れても家で洗えば繰り返し使えます。
古着
プロの人のような専用の作業着を用意するのが面倒なときは古着を活用するといいでしょう。新しい服を汚してしまうよりは捨てても良い古着にしておけば、作業中も必要以上に服の汚れを気にしなくて済みます。できるだけ動きやすい服を選ぶようにしましょう。
また作業を行う際には、マスクを付けることもあります。スプレー噴射器を使って塗装を行うときなど、塗料を吸い込まないようにするためにマスクを活用します。
腕が上がれば汚れない!?
「塗装の仕事は必ず服が汚れる」と思われがちですが、腕の良い塗装工は服に塗料を付けることなく塗装ができます。塗装の仕事を始めたてのときは、服を汚さないのはなかなか難しいでしょう。しかし、塗装の仕事を続けているうちに、塗料が付くポイントもわかるようになってきます。例えば狭いところで作業をするときや、天井など頭上に塗料を塗るときなどは注意しないと服が汚れてしまいます。そんな服が汚れるポイントを知っていれば、汚れないように工夫したり注意したりして作業を進められるようになります。ただ、服を汚さないようにするあまり、作業スピードが落ちないようには気を付けたいところですね。
はじめは古着がオススメ!
塗装の仕事をするときの服装は「汚れてもいい」と「動きやすい」ことがポイントです。プロの塗装工のようにニッカや鳶服、つなぎといった作業着を着ると良いでしょう。そのほかにもより手軽に、捨ててもいい古着を選ぶことや洗いやすい服を選ぶことで対策できます。塗料の汚れは長い時間放置しておくと落ちにくいことが多いので、シルクやウールなど高級な素材の服は避けた方が良いでしょう。
制作:工場タイムズ編集部