工場でよくある仕事の一つが「ハンダ付け」。
実はたくさんのものに使われている重要な技術なのですが、どんな仕事なのかご存じでしょうか?しっかりと基礎を身につければ、未経験でもチャレンジ可能な仕事です。
そこで、この仕事の基礎知識や仕事内容、向いている人の特徴などをご紹介します。
土台の要となる、ハンダ付け
身の回りにあふれる様々な電子機器の内部を見たことありますか?内部には、「基板」と呼ばれる、たくさんの部品が付いた緑色の板があります。このような基板は、大きさや形状に違いはありますが、私たちの身の回りにあるほぼすべての電気製品に使われています。例えば、テレビ、ラジオ、洗濯機、炊飯器、湯沸かし器、ゲーム機、ドライヤー、エアコン、洗濯機、携帯電話など……。
そして基板に部品を付けるのが「ハンダ付け」と呼ばれる仕事。基板を裏返しますと、銀色の金属が無数に見られますが、それがハンダ付けした跡です。機械を動かすために、基板に部品を付ける重要な作業なので、ハンダ付けに失敗するとせっかくの製品が正常に作動しません。モノづくりの土台を支える大切な仕事といえるでしょう。
ハンダ付けの仕事内容
ハンダとは、スズとナマリの合金で、ハンダゴテと呼ばれる先端が熱くなる道具で溶かして使います。基板と部品を溶かしたハンダでくっつけるのがハンダ付けの仕事です。ここでは、その仕事の手順や簡単なコツをご紹介します。
1. 利き手にハンダゴテを持ち、反対の手には針金のような形のハンダを持ちます
2. ハンダゴテの先端を、部品をくっつけたい場所に当てて温めます
3. 十分に熱を持ったら、必要な分量だけハンダを溶かします
4. ハンダがなじむのを確認したら、ハンダゴテの先端をはなします
ハンダ付けを上手に行うには、重要なポイントがあります。それは「温度と時間」。温度は約250℃、そして時間は約3秒間。これがハンダ付けを成功させるポイントです。初心者の人が経験するハンダ付け失敗の要因の多くは、温度が適切でなかったり、時間をかけ過ぎたりするためです。最適な温度や時間は、部品の形状や素材によって異なりますが、仕事を進めるうちに感覚として身につくようになります。
また、ハンダ付けの仕事は、簡単なものから複雑なものまでたくさんの種類があります。精密機器を取り扱う場合は、顕微鏡のようなものを覗きながら行う細かい作業があります。ハンダ付けのスキルを磨いていけば、より難易度の高い仕事にチャレンジできるチャンスが増えるでしょう。
ハンダ付けにはこんな人が向いている
ハンダ付けの仕事に向いているのは、どんな人なのでしょうか?
器用な作業が得意な人
ハンダ付けは繊細な部品を取り扱うことがあるので、手先の器用な人は向いています。プラモデルをつくることが好きな人や、ビーズ細工が得意な人など、手先を使う趣味を持っている人ならピッタリです。また、学校の「技術・家庭」の勉強が好きだった、得意だった人にも向いていると言えるでしょう。
コツコツと取り組める人
ハンダ付けの仕事に限らず、モノづくりの仕事はコツコツと取り組める人に向いています。渡された仕事を、決められた時間内にしっかりと仕上げることが重要です。正確なハンダ付けをすることで、予期せぬ機械の故障を防ぐことができます。モノづくりの仕事を楽しみながら、コツコツと目の前にある仕事をこなしていける人に最適な仕事です。
向上心がある人
簡単なハンダ付けから少しずつレベルアップしていくことで、難易度の高いハンダ付けもできるようになります。より難易度が高い仕事を任せられるようになれば、仕事のやりがいが大きくなり、収入面でもプラスになることも。スキルアップを目指して努力を続けられる人なら、難易度が高いハンダ付けにもチャレンジが可能です。
ハンダ付けは技術がなくてもできる?
機械や電子部品など、モノづくりになくてはならない「ハンダ付け」の技術。現在はハンダ付けの技術の普及のために、誰でも受験可能な検定試験が実施されています。正しい基礎知識を学ぶことができ、自分のスキルを磨くことができるので、仕事を始める際のアピールにもなります。ハンダ付けは、趣味の一つとして役立つだけでなく、仕事として初心者でもチャレンジ可能です。経験を積んでスキルアップをしたら、より難易度の高い仕事にチャレンジでき、やりがいも大きくなるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部