スーパーやコンビニにはお弁当やお惣菜、パン、お菓子、肉、野菜、飲み物など、たくさん の食材が並んでいます。これらの食品は、みなさんが食べやすいように加工されています。
今回はそんな「食品加工」の仕事についてご紹介します。
食品加工ってどんなことをするの?
食品加工の仕事は、食べ物を「おいしく」「安全な」状態で保存したり運びやすいように手を加えたりしていく仕事です。例えば、お惣菜、お弁当やパンやケーキ、お菓子などを作ったり盛り付けたり梱包したりします。他にも食品の下ごしらえをする仕事もあり「食品加工」には多くの仕事内容が含まれます。
食品加工工場ごとに取り扱う食品も手順も大きく異なりますが、共通しているのは注意深く衛生管理が行われることです。原料を仕入れるとまず検査をします。おいしさの目安となる鮮度をチェックし、異物やゴミ、虫などが入っていないかも確認します。ここから原料を洗い、選別して調理を開始します。
できあがった食品は、おいしさを失わないように急速冷凍をしたり真空パックに詰めたりします。こういった対応も食の安全を守るためには欠かせません。検品も何度も行うことが多く、こうして私たちの手元に安全な食品が届けられているのです。
働く人は就業前に専用の衣服(衛生服)を身につけ全身の消毒をします。食品を直接手にする場合は少なく、専用の手袋をすることがほとんどです。調理場用の安全靴の着用が義務付けられていることもあります。そのため、食品加工の仕事をしている人は、時間に余裕を持って職場に到着し、仕事開始前に 入念な準備をしてから仕事に取りかかっています。
食品加工の仕事の種類
基本的な仕事の流れは、まず衛生服などに着替えて手などを消毒して工場に入るところから始まります。食品加工で使用する道具は仕事によって違います。例えば、お肉を加工する仕事では包丁を使って肉を切っていくこともあれば、機械を使って指定の大きさにカットしていくこともあります。このように、料理の形態によって作業内容はいくつかあります。
野菜サラダの製造
野菜サラダは、テーブルで作業する場合とラインで作業する場合があります。ライン作業の場合、効率よく作業をこなしていくので作業のスピードが大切です。得意・不得意や適性もあるので、慣れるまでは仲間とコミュニケーションをとりながら着実に作業をこなしていきましょう。また、ゆで卵やツナなど崩れやすいものを載せる際はより丁寧に作業をするとよいでしょう。
食肉の加工
流れ作業になっていることが多いのが特徴です。主に力のある男性担当者が肉を搬入して、それを機械で大きく切り分けるところから作業はスタートします。この肉のカタマリを女性の担当者たちが受け取り、計量して決まった量ごとに包丁で肉を分けていく作業をします。
この食肉加工などの冷凍されている食材を扱う場合は、食の安全を守るために季節を問わず冷蔵庫のような涼しい作業場で仕事をすることがあります。そのため、衛生服の下に保温力の高い下着を着用するなど、体調管理にも工夫をしながら働きましょう。
パンの製造ライン
パンの食品製造のラインに入る仕事は、できあがったパンを販売できるかどうかの確認をしていく作業などがあります。焦げすぎているパンはないか、形が崩れているパンはないかどうかなどを確認します。テンポをつかむことができれば初心者でも こなせる簡単な仕事です。ラインが動いている間は、一人ひとりが丁寧に作業をしているので、途中で持ち場を抜けることにならないよう仕事前にはトイレにいくなど体調の管理をしておきましょう。
女性に向いている3つのポイント
食品加工の仕事は女性に向いているといわれます。そのポイントは3つご紹介します。
調理作業に慣れていることが多い
女性は男性に比べて料理を得意とする人が多いため、包丁など調理器具の取り扱いに慣れており、抵抗なく仕事を始められます。基本が身についているので、仕事を覚えるスピードも早い傾向があります。一般家庭でもよく調理をするお弁当やお惣菜、デザート類の製造現場では調理経験を活か しやすいかもしれません。
食品に興味 のある人が多い
女性の方が、「食の安全」や「おいしさ」「生活の質」の向上に対する感度が高いといわれることがあります。そのため、仕事へのモチベーションが長続きして責任感を持って取り組める人が多いです。
パン類やコンビニエンスストアに出されるデザート類の製造現場では、常に同じものを作っているわけではなく、時期等によって作業内容が変わったりします。そういうときも新鮮な気持ちで取り組むことができる「興味」と「責任感」のある方はこの仕事を長く続けることができるでしょう。
力のいらない作業が多い
ライン作業が多いため、力に自信がない女性でも無理なく作業をすることができます。女性の多い環境ということもあり、材料の運び入れなどでもし力が必要な場合があっても周りがサポートをしてくれるでしょう。実際に工場を見学すると、女性が多く活躍しているのを目にすることができます。
まとめ
食品加工の現場で仕事をする場合、栄養士や食品衛生管理士、調理師といった資格があると有利になることもありますが、基本的には資格は必要なく未経験でも 取り組むことができる仕事です。工場見学を実施している食品工場はいろいろあります。この仕事が気になる人は、時間があるときに工場見学へ行ってみるのもいいでしょう。
制作:工場タイムズ編集部