モノづくりの現場である工場。工場には、たくさんの機械があり、細心の注意を払いながらそれらを扱っています。
しかし、万が一ケガをしてしまった場合、病院代を負担してくれる保険があるのはご存知ですか?また、仕事を辞めて生活が不安定になった時に給付される保険があります。
今回は、このような場合に給付される代表的な2つの保険、労災保険と雇用保険についてご紹介します。
事故にあったときは、これ!労災保険とは?
まず、労災保険についてです。労災保険とは、仕事中の予期せぬことが原因でケガなどをした場合に、治療費を国が負担してくれる制度です。仕事が原因であれば、ケガだけではなく、病気の治療費も負担してもらえることがあります。
この給付を受けるためには労災保険を管轄している労働基準監督署というところに届出をして、給付の認定を受ける必要があります。一般的には、会社が代行をしたり、病院が手続きをしたりします。みなさんが国へ直接届出を出すわけではありません。
労災保険で受けられる給付内容は?
では、具体的にどのような場合に労災保険が支給されるのでしょうか。労災保険の5種類の主な給付をご紹介します。
療養給付
ケガや病気などの治療費に対する支給です。指定されている病院で治療を受けた場合は、現物給付といい、無料で診察を受けることができます。正式な理由があって指定の病院以外で治療を受けた場合は、あとで請求・審査の手続きで認められることで治療にかかった費用が現金で支給されます。
休業給付
ケガや病気で仕事をすることができない。そんなときに給料を補償してくれる給付です。労働基準法で決められた方法で平均賃金を算出し、その60%に相当する額が休業の4日目から支給されます。
傷病年金
ケガや病気の状態が悪いときに支給されるものです。治療を開始してから1年6カ月たっても治らない場合に適用されます。
障害給付
ケガや病気は治ったが、障害が残った場合に支給されるもの。年金もしくは、一時金が支給されます。
遺族給付及び葬祭料
万が一、死亡した場合には、遺族に対して支給されます。年金もしくは一時金、そして葬祭料が支給されます。
失業したときは、これ!雇用保険とは?
次に、雇用保険を見てみましょう。雇用保険とは、働いている人の生活を安定させるために設けられた保険です。
例えば、一般的なのが失業給付。仕事を辞めて、生活が不安定になったときに給付されます。再び就職や職場復帰するための援助です。会社を辞めた理由として認められる場合は、定年、倒産、契約期間の満了などがあります。
ほかにも、高齢者の方の給付金、育児・介護休業を取ったときの給付金、再就職手当などがあります。このように、雇用保険では、失業給付以外にも給付される場合があります。雇用関係で悩んだ場合は、ハローワークなどで一度相談してみるといいでしょう。
失業給付を受けるためには
雇用保険は、どのように受けることができるのか、失業給付を例にご紹介します。
申し込み
離職した日から1年以内に離職票をハローワークに提出し、求職の申し込みをします。
受給資格の審査
ハローワークが、基本手当の受給資格があるか審査します。受給資格の認定にはいくつかの基準が用意されています。
審査の待機
審査を待っている期間の7日間は、基本手当は支給されません。
求職活動
受給資格の認定後は、求職活動を行います。無料の就職相談のサポートを受けつつ、新しい仕事を探します。
失業給付の支給
新しい仕事を探したけど、見つからなかった場合。ここで初めて失業給付が支給されます。この手当が支給されるかどうかの認定は、1か月ごとに行われます。新しい職場が見つからず、就職が困難であると認められた場合には、その都度、手当が支給される仕組みになっています。
まとめ
日頃から注意深く仕事をしていても、工場の機械や道具でケガをすることはまれにあるでしょう。また、短い期間で仕事を変えることが多い方は、仕事の間が空くこともありますよね。労災保険や雇用保険のことを知っておけば、そのようなときに心強いサポートとなります。安心して仕事ができるよう、予備知識として覚えておきましょう。
制作:工場タイムズ編集部