私たちが普段手にしているスマートフォンは、はじめは設計図から始まります。
このような製品の企画段階から、実際につくって大量生産するまでの方法を考え実行するのが「生産技術職」です。
今回は、生産技術職の仕事で役に立つ資格を3つご紹介します。
MOSについて
「ワード」や「エクセル」など、みなさんも一度は使ったことがあるでしょう。これらの製品はマイクロソフトという会社がつくっています。そのマイクロソフトが出しているオフィス製品の資格がMOSです。現在、学校や会社など、あらゆるところで、オフィス製品は使われています。そんなオフィス製品に詳しいことが証明できるMOSは、生産技術職はもちろん、たくさんの職種で活かすことができます。パソコン業務をする上で、必須のスキルと言っても過言ではありません。
難易度
MOSには、二つのレベルがあります。スペシャリストと、エキスパートです。エキスパートの方が、難しい問題が出ます。しかし、どちらも難易度はそこまで高くありません。エキスパートでも、1~3か月ほど勉強すれば、取得できるでしょう。
勉強方法
勉強は、本やWebサイトを通じてすることができます。また、スクールを開催しているところもあります。自分に合った勉強方法を選択しましょう。独学でも十分習得できる内容なので、まずは自分で勉強してみるのがオススメです。
受験方法
全国一斉試験と随時試験があります。全国一斉試験の場合は、Webサイトか郵送で申し込みをすることができます。また、随時試験の場合は、試験会場が選べるので、その会場へ直接申し込みすることになります。
CADについて
文章を書くための「ワード」、計算をするための「エクセル」だとしたら、「CAD」は図面を書くためのツールです。モノづくりをする上で、設計図を描くことは欠かせません。ワードやエクセルと同じく、パソコンで使えるソフトウェアです。そんなCADに関連する資格の種類はたくさんあります。具体的には、CADトレース技能審査、CAD利用技術者試験、CAD実務キャリア認定制度などがあります。その中でも、より一般的な「CAD利用技術者試験」について、ご紹介します。
難易度
CAD利用技術者試験には、1級と2級があります。1級は2級をクリアした方のみ、受けることができます。2級の合格率は、50~60%ぐらいが目安。出題される問題が基礎で、時間も無制限なので、わりと簡単な資格となっています。
勉強方法
MOSと同じく、本やオンライン、スクールでの勉強が可能です。また、厚生労働省による失業中、求職中の方を対象とした公共職業訓練というものもあります。この制度を利用すればMOSやCADの講習を無料で受講することができます。
受験方法
CAD利用技術者試験の公式Webサイトから、受験の申し込みをすることができます。試験の実施日は、年に2回だけとなっています。そのため、受けることを考えている方はあらかじめ情報収集をしておきましょう。
CPE資格について
CPE資格とは、生産技術におけるマネジメントスキルの資格です。MOSやCADとは異なり、生産技術のあらゆる知識が求められます。生産技術に関わる管理する側の資格としては国内で唯一の存在です。工場などで生産技術にずっと関わっていて、さらにステップアップしたい方を対象としています。
難易度
難易度の高い資格です。合格率は50%前後となっています。しかし、そもそも、この試験を受けられる人は、ベテランの方だけです。生産技術に関わる業務経験が、5~10年程度ある方。また、生産技術の管理に必要な、あらゆる知識を持っている方などが、対象となっています。
勉強方法
問題はCPE認定テキスト「生産技術者マネジメントガイド」から出題されますので、このテキストがメインとなります。今回ご紹介したMOSやCADのように多くのスクールや参考書があるようなメジャーな資格ではありません。そのため、勉強方法の選択肢が少ないです。受験を希望する方は、CPEの公式Webサイトからテキストを買うことが近道です。
受験方法
CPE資格の公式サイトから申し込みをすることができます。申し込み期間が、年に二期しかないので注意が必要です。オンラインで試験予約をする場合は、希望する試験の日時と会場を選択し、申し込みを済ませます。その後、コンビニ等で支払いを済ませ受験票を持参して当日試験を受ける流れとなります。
まとめ
いかがでしたか?今回は、生産技術に関わる資格を、三つご紹介しました。MOSのように、比較的簡単に習得できる基本的な資格。生産技術において欠かせない、設計図のスキルを試すCAD利用技術者試験。さらには、上級者編として、CPE資格を取り上げました。生産技術における知識・経験を証明するうえで、これらの資格取得は、有効な手段といえます。もちろん、資格の習得に向けて学んだ知識は、そのまま実務で活かすことができます。資格には種類もレベルもたくさんあります。まずは、自分に合った資格を見つけ、計画的に取得を目指しましょう。
制作:工場タイムズ編集部