お昼どきや、ちょっとした晩御飯に便利なコンビニ弁当。どなたでも一度は食べたことがありますよね。
そんな、便利でおいしいコンビニ弁当が、どのように作られて私たちの手元に届くのか、知らない方がほとんどではないでしょうか。
そこで今回は、コンビニ弁当の製造工程や、どんな工場で、どのように作られているかについてご紹介します。
食品製造工場には特別なエリアがある?
コンビニ弁当は、主に、食品製造工場と呼ばれる工場で作られています。食品製造工場といっても、作っている食品は一つではありません。例えば、コンビニ弁当以外にも、お菓子や調味料も、食品製造工場で作られます。しかし、作るものに関わらず、「安心・安全」なものを作るために、どの食品製造工場にも、簡単には立ち入ることのできないエリアがあります
その呼び方や分け方は、工場によって違いますが、ほとんどの食品製造工場は、工場内が「一般区域」と「清潔区域」に分かれています。
一般区域は、外部との接触が多いエリアです。例えば、原材料の受け入れで、ダンボールが工場に持ち込まれたりする場所です。もう一方の清潔区域は、人やモノの移動が制限されていて、食品が汚染されないようキレイに保たれています。食中毒の予防や、異物混入を防ぐため、従業員がここに入る際には、いくつものステップを通過する必要があります。どのようなステップがあるのか、具体的にご紹介します。
体調のチェック
食品にバイ菌が入らないよう、腹痛や発熱など、体調不良がないことを確認します。
身だしなみを整える
作業着に着替え、大きな鏡で身だしなみをチェック。帽子から、髪の毛が出ていないことを確認します。
ほこりやゴミを落とす
粘着ローラーを使い、作業着についた毛髪などを、徹底的に取り除きます。作業場への入り口に、エアーシャワーという機械を設置し、毛髪や小さなほこりを徹底除去している工場も多いです。
手を洗い、消毒する
専用のマスクを付け、丁寧に手を洗います。手のひら、手の甲はもちろん、指と指の間、爪の先も専用の石鹸や爪ブラシを使って、入念に洗います。最後にアルコールで消毒し、専用の手袋をつけてさらに消毒をします
このように、食品の生産現場に入るまで、徹底した衛生管理がされているのです。やっと清潔区域にはいることができました。その中はいったいどうなっているのでしょうか。
コンビニ弁当の製造工程を教えて!
清潔区域内で行われている食品の加工ですが、ここではコンビニ弁当がどのように作られているのか、その過程を追っていきましょう。
原材料の保管
入荷した材料は、賞味期限や鮮度、温度、異物の有無などをチェックし、それぞれ適正な温度で保管します。
下ごしらえ
生の肉や魚、野菜などの生鮮食品はそれぞれ専用の場所で下ごしらえをしてから加熱調理などの工程へ送られます。
炊飯工程
お米の種類や気温、湿度に合わせて水加減を調整し、異物がないことを確認してから洗米から浸漬(お米に水を含ませる)、炊飯、蒸らし、冷却まで機械が自動で行っています。
おかずなどの調理
煮る、蒸す、焼く、揚げるなど、それぞれの料理に合わせて専用の機械が使われます。充分に加熱されていることと品質を均一に保つため、食材の温度をはじめ、焼く時間や揚げる時間、油やオーブンの温度をはかります。味付けや出来あがりの見栄えまで、徹底して細かく基準が決められ、そのマニュアルに沿って調理されていきます。
冷却
加熱調理後のおかずやご飯は専用の容器に移し、真空冷却機で速やかに冷やします。加熱調理後に食材をそのままにしてしまうと劣化が進みやすく、腐る原因になるからです。
盛り付け
冷却したおかずやご飯を、手作業で弁当容器に盛りつけていきます。担当する食材ごとに従業員が配置され、ベルトコンベアを使った流れ作業で行われる場合が多いです。
検品・出荷
できあがったお弁当にフタをして、表示シールを貼ります。最後に機械や目視でいくつかのチェックをして完成!物流センターへ運ばれ、温度管理されたトラックで各店舗へ出荷されます。
食品製造工場で働いているのはどんな人が多いの? 仕事内容は?
実際に私たちの手元に食品が届くまで、このような多くの工程があります。そして、工程が多い分、食品の加工に関わる人や、仕事もさまざまです。
食品製造工場の仕事は人気が高く、派遣やバイト、パートといった、いろいろな雇用形態の方が、数多く働いています。マイペースで働きやすいお仕事なので、無理なく長く続けて、正社員を目指すこともできます。この人気の背景には、時給相場が上がっていることや、工場見学ブームによって、注目されていることがあげられます。
また、シフトの種類が充実していて、自分のライフスタイルにあった時間で働くことができます。朝出勤して夕方にあがるという、朝方のシフトで働くことが一般的。そのほかにも、早朝出社して昼過ぎまでの、朝の短時間のシフト、午後から出社して夜までの、遅めの出勤のシフトなどがあります。
仕事の内容は、材料を機械にいれ、調理する作業、できた料理を容器にいれ、盛り付ける作業、冷蔵倉庫内で商品の仕分けなど、先ほどご紹介した製造工程にそって、分担作業になっています。難しい作業はほとんどないですが、スピードやチームワークが必要です。コツコツと集中して作業すること、チームで働く意識が求められる職業です。
まとめ
これまでご紹介した通り、食品工場でのいろいろな工程によって、私たちがおいしくコンビニ弁当を食べることができています。工場をキレイに保つために、工場には簡単には立ち入ることのできない場所があり、そこで働く方たちも普通の生活では絶対にしない方法で作業着や体をキレイにしています。コンビニ弁当のウラにはこんな取り組みがあったことを、ご理解いただけたでしょうか。派遣やバイトの方も多く働いているので、コツコツと集中する仕事が得意な方にはチャレンジしやすい職場といえます。実際に働いてみると、食品工場の新たな一面を知れるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部