小回りが利くドライブ旅もいいけれど、のんびりと移動を楽しむ「電車旅」もオツですよね。今、旅行の移動中をさらに豊かにしてくれる観光列車の旅が人気を集めているんです!
観光列車とは、移動手段だけではなく、乗ること自体が旅の目的になるようなサービスがある列車のこと。日本各地には個性的な観光列車がたくさんあって、車窓から絶景を眺めたり、美味しい食事やスイーツを堪能したり、音楽を鑑賞したりと、客車の中で自分の好きなように過ごせます。
今回は、全国からピックアップした3つの魅力的な観光列車をご紹介します!今度の旅行は、観光列車で特別な時間を過ごしてみませんか?
ノスタルジックな客車に揺られて「SLレトロぐんま水上/横川」
世界的ヒットを記録したアニメ映画『鬼滅の刃 無限列車編』。その中で主人公たちが乗り込むのがSL、つまり「蒸気機関車」です。そんな蒸気機関車に、タイムスリップ気分で乗ることができる観光列車が群馬県にあります。
列車は、高崎駅から上越線水上駅に向かう「SLレトロぐんま水上」、信越本線横川駅に向かう「SLレトロぐんま横川」の2本。全席指定席で、乗車券と指定席券を合わせて片道1520円(子ども750円)で乗車できます。
今も大切に保存されている貴重な蒸気機関車「D51形蒸気機関車(通称:デゴイチ)」または「C61形蒸気機関車(通称:シロクイチ)」のどちらかが客車を牽引してくれます。沿線の自然豊かな景色や汽笛の音、そして蒸気機関車の独特な香りを楽しみながら、レトロなSLの旅を味わえますよ!
「レトロ」を選ぶべし
公式サイトを見ると、同じ路線でも「SLぐんま○○」と「SL”レトロ”ぐんま○○」という2種類の列車があるのに気付いた方もいるかもしれません。「レトロ」を冠した列車を選ぶと、1938〜55年に製造された古い客車「旧型客車」に乗ることができます。
旧型客車はシックな真紅色・群青色・緑色のシートに、木目調の内装がとってもノスタルジック! 車両の天井には電球や扇風機があり、タイムスリップしたかのような気分になれます。窓を開けて(トンネルでは煙が入るので手前で閉めるのをお忘れなく!)、爽やかな風を感じながらSLの旅を満喫しましょう。
また、この車両だけの楽しみ方としては「栓抜き」体験も外せません。ピンとこない方もいるかもしれませんが、昔の車両のボックス席の窓の下には、当然のように瓶飲料の栓を抜く栓抜きが備わっていたのだとか。売店や車内販売で瓶コーラやビールをゲットして、チャレンジしてみては?
※最新の情報は公式サイトをご参照ください。
走るジャズバー♪「A列車で行こう」
続いてご紹介するのは、走るジャズバー「A列車で行こう」。外観は黒とゴールドのツートンカラー。クラシカルな雰囲気が高級感を醸し出していますよね。
A列車で行こうは、熊本〜三角(みすみ)間を運行する観光特急。名前の由来は、誰もが一度は聴いたことがあるビッグ・バンド・ジャズのスタンダードナンバー「Take a A Train」から取ったものです。車内では軽快なジャズを聴きながら、美しい有明海を横目に大人の列車旅が楽しめます。
運賃は、普通運賃と通常期指定席特急料金を合わせて、大人片道2,040円。終点の三角駅は、三角港を発着する天草方面のクルーズ船に接続しており、そのまま天草観光へ向かうこともできます。
大人の楽しみ。おしゃれなバーカウンターへ
列車の1号車には「A-TRAIN BAR」というバーカウンターが備えられており、地元の名産・デコポンを使った「Aハイボール」などのお酒を注文できます。もちろんソフトドリンクもあるので、お酒が苦手な方も安心して楽しめますよ。
車内販売では、地鶏「天草大王」の燻製など、お酒好きにはたまらないおつまみもそろっています。ドリンクと合わせて食べてほしいのが、カカオ研究所の「塩チョコレート」。天草の上質な塩がチョコレートの甘さとコクを引き立て、何ともクセになる味なんです。もちろんハイボールにもぴったり。
座席に座って、ジャズを聴きながら流れていく車窓の景色を楽しんだり、バーカウンターのソファーでお酒とおつまみを味わったり。ぜひ思い思いの時間を過ごしてみてくださいね。
※最新の情報は公式サイトをご参照ください。
海岸沿いの絶景ルートが魅力「etSETOra」
最後にご紹介するのは、広島〜尾道間を走る観光列車「etSETOra(エトセトラ)」。JR呉線といえば、瀬戸内海沿いを走る絶景ルートとしても有名ですよね。穏やかな瀬戸内の海を眺めつつ、自由気ままな列車旅を堪能できます。
運賃は、全車指定席で片道大人2,520円、子どもは1,760円。乗車券とともに普通列車指定席グリーン券が必要です。
この列車の名前「エトセトラ」に、実は広島弁が含まれていることにお気づきでしょうか?「えっと」は広島弁で「たくさんの」という意味なんだとか。この列車の旅で、景色や食など「多くの」瀬戸内の魅力を感じることができるようにと付けられたそうです。
地元の名店たちが手掛ける「スイーツ小箱」に舌鼓
etSETOraでは、往路と復路で楽しめるグルメが異なります。広島〜尾道の往路は「スイーツトレイン」。地元の人気菓子店が手掛けるスイーツBOX「瀬戸の小箱」が楽しめます。そして復路は「バートレイン」。車内で地元の名産品を使った本格的なカクテルや地酒が味わえます。どちらも惹かれちゃう!
往路の「瀬戸の小箱」は和と洋の2種類が用意されています。上品なブルーとホワイトの箱を開けると、宝石のような美しいお菓子が登場! セットのドリンクは宮島の「伊都岐珈琲」の珈琲か、広島の「Tea Factory Gen」の一番煎茶から選べるんだとか。瀬戸内尽くしのスイーツBOX、時間をかけてじっくり味わいたいですね。
ただしスイーツBOXについては、乗車日の4日前までの予約が必要です。車内で癒しのスイーツを味わいたい方はどうぞお忘れなく。
※最新の情報は公式サイトをご参照ください
まとめ
全国の観光列車を目的別にご紹介しました。
目的地をどんどん回っていくアクティブな旅行も楽しいけれど、時にはゆっくり時間を取って「移動」を楽しむ旅を満喫してみるのもいいかもしれません。
観光列車で思い思いに過ごした時間は、きっと忘れられない旅の思い出になるはずですよ。