中卒の方が就職活動を行う際に、どのような部分に気を付けたらいいのかご存じでしょうか。中卒だと就職が難しいというイメージがありますが、就職を成功させている方は存在しており、押さえるべきポイントがあります。本記事では中卒の求職者におすすめの仕事を中心に、知っておくべき知識についてまとめました。これから就職活動を行う求職者の方はぜひ参考にしてみてください。
中卒だと就職が難しい理由
中卒だと就職が難しいとされる理由は以下の通りです。
- 中卒の正社員の割合は少ない
- 求人数が少ない
それぞれについて解説します。
中卒の正社員の割合は少ない
令和5年の厚生労働省の就業形態別若年労働者割合調査によると、学歴別の正社員の割合において中卒の正社員の割合は37.5%であり他の学歴が50%以上の数値(※)の中、最も低い結果となっています。
「就職が難しい」といわれているのには、正社員になっている中卒者の数が少ないことが影響していることが考えられます。
※”厚生労働省公式HP”参照
求人数が少ない
令和5年の厚生労働省によるハローワークの求人状況の調査によると、高卒新卒者の求人数が48,4000人であるのに対し、中卒の求人数は1,969人(※)と少ない数値です。
学歴別の求職者の中で中卒の求職者の数が少ないため、2つの数値に差があるのは当たり前ですが、就職を目指す方にとってハードルの高さを感じるポイントとなっています。
※”厚生労働省公式HP”参照
中卒で就職した場合の平均年収は280.2万円
平成18年の厚生労働省による学歴別の賃金調査によると、中卒の平均年収は280.2万円(※1)となっています。
平均給与の推移の調査(※2)によると平成18年の平均年収(452.1万円)に比べて平成30年の平均年収(433.3万円)は20万円近く低下しており、現在ではさらに低くなっていることが予想されます。
※1“厚生労働省公式HP”参照
※2“厚生労働省公式HP”参照
中卒におすすめの仕事
中卒におすすめの仕事は以下の通りです。
- 飲食業・接客業
- 工場作業員
- 建設現場作業員
- 営業職
- 介護助手
- 公務員
それぞれについて解説します。
飲食業・接客業
中卒におすすめの仕事のひとつに飲食業と接客業があります。なぜなら両者ともに実務経験でスキルを磨くことが一般的であり、未経験でも採用されやすい仕事だからです。
飲食業や接客業は手際の良さやコミュニケーション能力に自信がある方におすすめの仕事です。
工場作業員
工場の仕事は大量生産を目的としていることから求人が多く、学歴や経験を重視しないことから中卒におすすめの仕事です。品質を確保するために業務がマニュアル化されていることが一般的であるため、業務が覚えやすいところもおすすめする理由のひとつです。
作業場の仲間と意思疎通を図れる一般的なコミュニケーション能力があり、単純作業が苦にならない方に適した仕事です。
建設現場作業員
建設現場作業員は建物の建築や土木作業を行うため、学歴より体力が求められる仕事なので中卒におすすめです。危険を伴う仕事であり集中力を必要とし、チームで行う作業が多いため仲間と連携が図れる力が必要です。
実務経験を積めば施工管理といった管理職へのキャリアアップも可能な業界なので、体力に自信があり、向上心がある方におすすめです。
営業職
営業職は製品やサービスを売り込むための営業活動を行う仕事で、おもに対面でコミュニケーションを取り企業や個人の取引先と契約を結ぶことを目的としています。契約を結ぶためには、自社の商品やサービスの特徴を理解して、顧客のニーズを満たす提案を行う必要があります。
仕事の性質上ノルマを抱えることが一般的であるため、対人スキルの高さやプレッシャーに耐える精神力が求められます。営業職も学歴に左右されない能力を重要視するため、中卒におすすめの仕事です。
介護助手
介護助手は老人ホームや介護施設でサービス利用者の方の身の回りの世話を行う仕事で、介護福祉士や介護職の”人事院公式HP”資格を持ったスタッフのサポートを行います。利用者の体に触れる作業は介護職員初任者研修修了以上の資格が必要であり、介護助手は資格がなくてもできる仕事です。
国家資格である介護福祉士は3年以上の実務経験と所定の研修(※)を受けていれば、学歴を問わず受験資格が与えられるため、キャリアアップを目指す方にもおすすめです。
公務員
安定した給料がもらえるというイメージが強い公務員ですが、公務員試験は中卒でチャレンジできます。例として紹介すると、国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)という試験は、試験がある年において「高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者(※)」という受験資格であり、年齢条件さえ満たしていれば受験可能です。
公務員の高卒者試験が受けられない年齢の場合、大卒程度の試験を受けることになるため難易度が上がることが一般的です。公務員として働きたい場合はしっかりと準備をして、受験に望みましょう。
※1”人事院公式HP”参照
中卒の就職活動は「工場ワークス」がおすすめ
中卒で就職を目指すなら工場の求人を取り扱う「工場ワークス」がおすすめです。全国の工場をはじめとする製造業の求人情報を20,144件(2024年2月5日現在)掲載しています。
未経験歓迎の求人や女性が活躍している職場の求人、寮完備の求人などさまざまな条件から検索できるため、手間なく希望の職場が見つかります。
応募は会員登録後エントリーページから応募するだけで、求人先からメッセージが届きます。
工場勤務を目指す方はぜひ工場ワークスを利用してみてください。
中卒の就職面接のポイント
中卒の就職面接を成功させるポイントを以下にまとめました。
- 簡潔に自己紹介する
- 志望動機を結論から述べる
- 必ず面接の練習をする
それぞれについて解説します。
簡潔に自己紹介する
面接において必ず自己紹介を求められますが、その際は「氏名、年齢、職務経歴」を簡潔に述べましょう。自己PRと混同して長々と述べてしまうと、印象が悪くなるため簡潔に行うことが重要です。
職務経歴はアルバイトも含めて述べ、職務経歴がない場合は学生時代に力を入れていたことを伝えましょう。
志望動機を結論から述べる
志望動機を伝える際は結論から伝えて、面接官が理解しやすいように心がけましょう。結論から述べると最も伝えたいポイントが頭に入りやすく、志望動機が伝わりやすくなります。
例としては「志望理由は○○です。なぜなら御社の○○のサービスについて興味があり、学生時代に○○の活動をしていたからです」といった具合です。
冒頭に結論を述べて、根拠となる理由を実体験とともに伝えると効果的です。志望する企業の公式HPで企業の情報を覚えて、内容に盛り込むことも重要です。
必ず面接の練習をする
面接時に詰まってしまったり、言葉が出なかったりすると努力をしていないと判断されかねないため、スムーズに受け答えができるように、必ず面接練習をしましょう。
面接時に予想される一般的な質問は以下の通りです。
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望動機
- 学生時代・前職で力を入れたこと
- 入社したらやりたいこと
- 最後に何かありますか?という質問
上記のようなことを想定して、家族や友人に協力してもらい対面で練習すると、第三者目線の意見がもらえるため効果的です。
中卒の履歴書の書き方
以下の中卒の履歴書の書き方について解説します。
- 中学卒業以降の学歴も記入する
- 修正を無くすために下書きを行う
- アルバイト経験をアピール材料にする
中学卒業以降の学歴も記入する
履歴書には中学卒業後に高校を中退したことも記載しましょう。高校に入学したことも経歴のひとつなので隠さずに書く必要があります。中退に関して止むを得ない理由(家庭の事情といった場合)がある場合は1行下に記載しましょう。
間違っても高卒にするといった、嘘は書いてはいけません。後で嘘が発覚した際に、内定取り消しになることがあります。
修正を無くすために下書きを行う
履歴書はボールペンで記載して、修正液や斜線といった修正なしで提出するのが基本です。修正がないように鉛筆やシャーペンで下書きを行って、ボールペンで清書をしましょう。
清書が完了したら、下書きが残らないように消しゴムで綺麗に消すことが重要です。消す際はインクが乾いたことを確認してから行いましょう。
アルバイト経験をアピール材料にする
正社員経験がない場合はアルバイト経験を経歴に記載しましょう。経歴にはアルバイトは記載せず正社員の経験を記載することが一般的ですが、前述の場合は記載すべきです。
応募先で活かせる経験がある場合は、1行下に記載するとよいでしょう。例としては飲食店への応募の場合、「○○コンビニエンスストアー 入社(アルバイト)」の下に「調理・レジ業務担当」といった具合です。入社後に活躍できることを積極的にアピールしましょう。
学歴不問の資格取得も検討しよう
受験資格に学歴を問わない資格の取得も、今後のために役立ちます。
学歴不問の以下の資格について簡単に解説します。
- 宅地建物取引士
- 介護職員初任者研修
- 秘書検定
- 高卒認定試験
宅地建物取引士
宅地建物取引士は「宅建」とも呼ばれる国家資格で、不動産を購入または借りようとしている人が損害を受けないようにするために、土地や建物について説明を行う資格です。一定規模以上の不動産業では宅建士の設置が義務付けられており、需要が高い資格です。
宅地建物取引士は国内に居住していれば誰でも受験でき、独立開業も目指せます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護職員として、介護サービス利用者の介護業務が行える研修です。修了すれば老人ホームや介護施設で利用者の体に触れて作業することができます。
さまざまなスクールがあり、設定されたカリキュラムの研修を受ければ取得でき、高齢化社会の現代において需要が高い研修です。
秘書検定
秘書検定とは企業で秘書として勤務するために必要な基本的なビジネスマナーや常識を備えるための検定で、学歴不問で受験できます。秘書検定には4段階の等級が設定されており、マークシートと記述式の問題が出されます。
正社員としての経験は少ないが、ビジネスマナーを身につけて企業に勤めたい方におすすめの資格です。
高卒認定試験
高卒認定試験とは高等学校を卒業した者と同等以上の学力があることを証明するための試験で、取得すれば大学や短大、専門学校の受験資格が得られます。高卒以上の学歴が求められる就職試験や資格試験にも活用できるため、就職先の幅が広がります。
16歳になる年度から受験可能なので、選択肢を広げて目的の場所で活躍したい方におすすめです。
就職活動は学歴問わず努力が必要
就職活動を成功させるためにはどのような学歴の人でも、事前の情報収集や勉強、面接練習などが必要です。中卒は求人数が少ないことや正社員の割合が少ないなど厳しい面がありますが、努力すれば就職は可能です。自分にあった就職先を見つけて、就職活動を成功させましょう。