工場で働いている人の中には、「腰痛」に悩まされている人がいるのではないでしょうか。
工場の仕事では同じ姿勢で立ち仕事をすることがあり、そういうときは足腰に負担がかかりやすく、腰痛の症状が出てしまう人がいます。
しかし、同じ仕事をしていても、腰痛になる人とならない人がいるのも事実です。「なぜ腰痛になりやすいのかという理由」や、「腰痛にならないための方法」を知っておけば、腰痛を防いだり、症状をやわらげることができます。
ここでは工場の勤務と腰痛の関係から、腰痛にならないための予防法を紹介します。
腰痛の原因とは?
工場で行う仕事の中には、長い時間立った状態で行う仕事があります。立っているとき、人間は無意識のクセで、身体の左か右のどちらか半分に重心をかけてしまいがちです。身体の片方に不自然に力を入れているような立ち方を続けていると、やがて骨盤がゆがんでしまい、腰痛を引き起こす原因になります。
腰痛を防ぐためには、良い姿勢を保つことが大切です。猫背にならないよう、意識して背筋を伸ばし、仕事に取り組むようにしましょう。ただし、背筋をあまりにピンと伸ばしすぎても逆に背骨に負担がかかってしまうため、力を入れすぎないようにするのがポイントです。膝を軽く曲げて立ったり、腹筋に力を入れて肩の力を抜いて立つようにすることも、良い姿勢を保つコツです。
また、筋肉が硬くなっていることが原因で腰痛が起きることがあります。筋肉が硬くなると神経が圧迫されるため、全身の血のめぐりが悪くなります。その結果、筋肉に酸素や栄養が送り込まれにくくなり、腰に重さを感じるようになって腰痛につながってしまうのです。さらに、筋肉が硬い状態がしばらく続くと、そのうちにそれが普通であると身体が認識してしまうため、元のやわらかい筋肉に戻りにくくなってしまいます。
腰痛を予防しよう!
立ち仕事で同じ姿勢を続けることは、身体の筋肉が固まりやすくなってしまうため、腰痛の原因につながります。もともと私たち人間の身体は、長い時間同じ姿勢を続けることに対応していません。仕事中「ずっと同じ姿勢になっているな」と感じたら、少しでもよいので身体を動かして姿勢を変えるようにしましょう。
また、毎日の生活の中に適度なウォーキングを取り入れることをオススメします。歩くことによって筋肉を刺激することができ、血流もよくなります。景色を見ながら外を歩くことはよい気分転換になりますし、身体を動かすことでストレスが解消されます。
腰痛を予防するためには、毎日の食事に気をつけることも効果的です。腰には体重の負担がかかりやすいため、肥満は腰痛の原因になります。パンやごはんなどの炭水化物、揚げ物などの脂っこいもの、炭酸飲料やお菓子などは食べすぎないこと。忙しいからといって朝食や昼食を抜き、夜などにまとめてたくさん食べることも肥満の原因になります。毎日同じ時間に、三食きちんと食べるよう心がけましょう。
普段の食事の中で、筋肉をつくるためのタンパク質、骨を強くするためのカルシウム、骨をつくるのに欠かせないミネラルやビタミンが多く含まれているモノを意識して食べることをオススメします。これらは、腰痛予防に効果的な栄養素なのです。タンパク質やカルシウムは、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの豆類に多く含まれており、ミネラルやビタミンは、ほうれん草やレバーなどに多く含まれています。これらの食品をバランスよく食べることで、腰痛に悩まされない健康な身体をキープすることができます。
こまめにストレッチを!
腰痛を予防したり、やわらげるためには、まめにストレッチをすることも効果的です。筋肉を疲れさせないために、できれば1時間に1回は身体を動かすことが大切です。いろいろなストレッチの方法がありますが、今回は仕事の合間でも気軽にできる、立ったままで行うストレッチをいくつかご紹介します。
腰や背筋のストレッチに効果的な前屈
立った状態で、両方の足を膝のところでクロスさせます。ゆっくりと上半身を前に倒していき、痛みを感じないところで5秒間、そのままの姿勢を保ちましょう。終わったら、足を逆にクロスさせて同じ動きをする。これを数回繰り返します。
腕のストレッチ
両方の腕を腰の後ろに回して、両手を組みます。組んだ両方の腕を上がるところまで持ち上げていきましょう。そのままの状態を数秒間保ち、終わったら下へ降ろします。
立ったままできる!壁を使ったストレッチ
壁の前に立ち、両足のどちらか片方を前へ。その状態で、両腕を伸ばして壁につけます。両手を壁に押し付けながら、出した方の足の膝を曲げて、徐々に腰を反らせましょう。この動きを片足5回ずつ繰り返します。
腰痛は毎日の生活の中で予防できる
腰痛は、食べ物に気をつけたり簡単なストレッチをするなど、少しの工夫で防ぐことができます。また、立ち仕事をしていて腰痛になってからでも、徐々にストレッチによって体を慣らせばその後の症状を改善したり、再発を予防することができます。毎日の生活の小さな習慣が腰痛予防につながりますので、今回ご紹介した内容を参考に、元気に働けるよう健康的な生活を心がけましょう。
制作:工場タイムズ編集部