病気やケガにかかった時に誰でも一度は使ったことのある保険証。そんな保険証には種類があります。
普段からこれらの違いについて調べたり考えたりすることは少ないかもしれません。
保険証にはどんな種類があって、それらにはどのような違いがあるのでしょうか。
工場で働くときはどの保険?
そもそも保険証には、「社会保険」と「国民健康保険」の二つがあります。工場で働く場合、雇用形態に限らず主に勤務の時間・勤務日数によって適用される保険が変わります。
求人欄などで「社保完備」と書かれている会社であれば、正社員は社会保険に加入できます。「社保完備」の会社で働くパート・アルバイト、派遣社員、契約社員などの人は、立場に関係なく法律で決められた一定の勤務時間・勤務日数をクリアすることで社会保険への加入ができます。派遣会社などを通じて働いている人は、実際に働いている会社もしくは紹介してもらった派遣会社の社会保険へ加入します。
また、家族の「扶養」となっている人や学生の場合は国民健康保険などに個別で入るのではなく「扶養」に入ったまま社会保険の適用を受けた方がお得な場合があります。
・社会保険に加入している人(例:サラリーマンの夫)の扶養に入っている妻(パート)のような場合・社会保険に加入している親(例:サラリーマンの父)の扶養に入って同居している子(学生)の場合
社会保険における扶養の条件は「収入が130万円未満」であると決められています。その場合「被扶養者」として保険料の支払いがゼロになります。扶養に入っている人は、収入が130万円を超えるかどうかの調整を考えておきましょう。
「社会保険」と「国民健康保険」は支払い方法が違います「社会保険」の場合、保険料の半額を会社が負担しているので、働く人の保険料も給料から天引きされていることがほとんどです。給与明細では「控除項目」などと書かれている部分に、「健康保険」や各種保険料金の天引き額がのっています。
「国民健康保険」の場合、住んでいる地域の役所から送付されてきた納付書を利用して自分で支払います。支払額は収入などに応じて一年ごとに決まります。
国民健康保険ってなに?
日本では社会保険に加入していない人は自動的に国民健康保険に加入することになっています。この制度があるおかげで、国民みんなが安心して保険を受けることができます。
誰もが加入するので日本全体のセーフティネットになっていますが、社会保険に比べると費用をすべて自分で負担しなければならないため、割高になるというデメリットがあります。また、社会保険にあるその他の保障が国民健康保険には適用されていない場合があります。
社会保険ってなに?
社会保険に加入している会社に勤めている正社員と「正社員の4分の3以上の勤務時間と勤務日数」を働いている人が加入するのが社会保険です。先ほど、パートやバイト、派遣社員、契約社員などの人は法律で決められた勤務時間・勤務日数をクリアすることで社会保険への加入ができることを説明しましたがこれがその条件となります。
例えば、週40時間で月20日が規定の勤務となっている会社の場合、週30時間以上・月15日以上働いている人すべてが対象になります。(※この条件は、2016年10月に拡大される予定なので、働く人は社会保険に入りやすくなります)
基本的には国民健康保険に比べ、社会保険の方がメリットが大きいといわれています。保険料の半額を会社が負担してくれるので、国民健康保険より支払いが割安で保障が手厚いです。社会保険には、出産で会社を休むときに受けることのできる出産手当金のような公的補助制度もあります。
また、会社を辞めて自営業を始める場合などは「任意継続」といって、以前加入していた社会保険を利用することもできます。保険料はすべて本人負担となるため、国民健康保険よりも支払額が割高になることがあったり、期間が限られていたりすることがあるので退職時によく確認しておきましょう。
まとめ
「社会保険」と「国民健康保険」のどちらを利用するかは、自分が働いている先が社会保険に加入しているかどうかと、自分がどのくらいの時間働いてどのくらいの給与所得を得ているかで変わってきます。「扶養」の範囲にいる方を除いて、どちらかを自由に選べるのではなく、働き方などに応じて決まるものなのです。自分が今どういう状況で働いているか、特に時間と日数を正しく把握してみましょう。不安を感じることがあったら、勤務先 の健康保険担当者や派遣会社に確認してみると安心です。
制作:工場タイムズ編集部