工場勤務に興味がある人の中には「実際のところ、どれくらい稼げるの?」と考えている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、生きていく上でお金はやはり大切。せっかく働くのであれば、できれば年収が高いところでしっかり稼ぎたいですよね。
では、生活が安定しやすく、結果的に長く勤めることができる職場とは一体どういうところなのでしょうか。
本記事では、そんな工場勤務の人の年収と、時給が高い業界や職種をご紹介します。
工場勤務の仕事内容、やりがいとは?
最初に、工場で行われている主な仕事の内容と、そのやりがいを見ていきましょう。
製造
工場というと、ただ「物を作っている」という漠然としたイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか? 実際、多くの工場では原料を機械へ投入するなどして製品を作り上げる「製造」の仕事が行われています。
この仕事は単純作業だけでなく、簡単な機械操作などを覚えることでさまざまな作業に携わることができるという点も、大きなやりがいの1つです。
組み立て
工場では、機械では行えない組み立て作業を人の手によって行うこともあります。この作業は「ライン作業」として扱われることが多く、同じ作業を長時間にわたって行う集中力のある人は、一段とやりがいを感じることができるでしょう。
検査
工場では出荷する商品に問題がないかを確認するために、検査も入念に行われています。この仕事もまたライン作業として行われることが多く、組み立ての仕事と同様に集中力のある人ほどやりがいを実感できるでしょう。
工場勤務の年収って?
「工場ワークス」(https://04510.jp/ 株式会社インターワークス)が2018年11月に発表したデータによると、2018年10月度の工場勤務をする人の1カ月あたりの月給は全国平均で201,979円でした。ここからボーナスなしで年収を計算すると、工場勤務をしている人の平均年収は、201,979円 × 12カ月 = 2,423,748円です。また、時給は全国平均で1,262円でした。
(【出典】「製造業求人情報サイト『工場ワークス』 2018年10月度 製造業平均賃金調査」http://interworks.jp/press-page/610)
また「正社員とバイトではどれくらい給与が違うのか?」という点も気になるところだと思います。一般的には、最初のうちは大して収入は変わらなくても、長期的に考えると正社員のほうが得られる年収が高くなります。
バイトの場合は時給制や日給制であることがほとんどですが、夏期休暇や年末年始の休暇などで工場が休みになる時期は、その期間に働くことができないため収入も減り、月ごとに得られる金額が変わってしまいます。
一方、正社員の場合は月給制の人が多く、工場の稼働日数にかかわらず、毎月同じ額の給料を受け取れます。「今月はいくらもらえるのか?」と不安を抱えることは基本的になくなるでしょう。「やっと正社員になったのに、バイト時代と大して手取り額が変わらない」と感じる人がいるかもしれませんが、それは給与から社会保険料などが引かれているためです。しかも正社員の場合は、昇給や、会社によってはボーナスが支給されたり、役職手当などが付いたりすることがあります。
工場勤務で賃金が高い業種は?
工場にはいろいろな業種がありますが、特に賃金が高い業種はどれでしょうか?
同じく「工場ワークス」が発表した平均時給のデータを見ると、
1位:車・バイク・重機系 で 1,395円
2位:半導体・先端技術 で 1,318円
3位:医療・福祉・介護・製薬 で 1,273円
となっています。
(【出典】「製造業求人情報サイト『工場ワークス』 2018年10月度 製造業平均賃金調査」http://interworks.jp/press-page/610)
1位の「車・バイク・重機系」の特徴の一つは、求人数が多いことです。自動車は組み立てに多くの人数が必要で、製造するために必要な部品の数も1台あたり約2万~3万点に上ります。部品の種類も多岐にわたりますので、自動車メーカーだけではすべての部品を製造することができません。部品ごとに専門の工場が存在するため、工場の仕事の中でも全体的に求人数が多くなります。それだけ人を集めるのも大変になりますから、それに伴って平均時給が高くなっていると考えられます。
2位の「半導体・先端技術」もここ数年、順調に賃金がアップしている業種です。国内景気の回復が大きな理由とする考え方が一般的です。
3位の「医療・福祉・介護・製薬」は、求人数自体はそれほど多くはないものの、専門的な知識を活用する仕事が多いため、賃金が高く設定される傾向にあります。たとえば製薬工場の場合、薬事法に則った製造が徹底されています。また高齢化社会が進んで、医療や福祉・介護関連の求人がますます増加しているのに対して、特に福祉・介護の分野で働く人の数が慢性的に不足していることが、時給が高くなっている理由の一つと見られます。
職種別! 高賃金ベスト3
それでは、職種別で見た場合の平均時給はどうなのでしょうか。
「工場ワークス」のデータを見ると、
1位:クレーン で 1,509円
2位:メンテナンス・保守・安全 で 1,498円
3位:溶接 で 1,476円
となっています。(【出典】「製造業求人情報サイト『工場ワークス』 2018年10月度 製造業平均賃金調査」http://interworks.jp/press-page/610)
1位の「クレーン」は工場勤務の仕事で多い単純作業とは違い、高度な技術を要する仕事であることから、その分賃金が高く設定されています。また、クレーンの操作には資格が必要であることから、その保有者に対して別途手当を支給している企業が多いことも、賃金が高い理由の一つとなっています。
2位の「メンテナンス・保守・安全」の仕事は、工場で稼働している機械の保全を行い、常に業務がスムーズに進むことだけでなく、作業員の安全を確保することを主な役割としています。このことから、この職種はより多くの利益を上げること以上に重要な役割を担っており、その分高い賃金設定をしている企業も多いようです。
また、この職種にも「機械保全技能士」や「第一種・二種電気工事士」といった資格が活かせるという特徴があり、これらの保有者に別途手当を支給している企業が多いことも賃金が高い理由といえます。
3位の「溶接」は主に金属加工の製造工程で行われており、金属を溶かして材料を接合させる仕事です。溶接を行う人は「溶接工」と呼ばれ、自動車や機械や造船など、幅広い分野で溶接作業を行います。高い給料の業界で働くわけですから、時給も高くなります。
工場勤務の仕事に転職するメリット・デメリット
続いては工場勤務の仕事に転職するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
工場勤務の仕事というと、給料が安いというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし先にご紹介したとおり、工場勤務の仕事の給料は時給制の場合でも全国平均が1,262円となっており、上昇傾向にあるといえます。また、正社員として採用されればボーナスもしっかり出るため、現在の仕事より年収が多くなることも期待できます。
デメリット
工場勤務の仕事は時期によって忙しさが異なり、繁忙期には残業や夜勤が必要となる場合があります。そのため、時期によって体力勝負となるという点は、人によってはデメリットになるかもしれません。
また、仕事内容からもわかるとおり、工場勤務では同じ作業を何時間も続けて行うことが多いことから、フルタイムで勤務しているとどうしても集中力が維持できなくなってしまうことがあります。よって、同じ作業を何時間も続けるのが苦手という方にとって、工場勤務の仕事は長期的に続けるのが難しいというデメリットもあります。
賃金の高い業種や職種を選べば、しっかりと稼げる!
同じ工場勤務でも、時給や年収は仕事の内容によって変わります。工場での仕事の時給は、景気回復の影響でここ数年、全体的にアップしています。これまで知らなかった職種や技術を扱う仕事に、意外と賃金や条件の合う仕事があるかもしれません。どんな仕事が工場にあるのか、Webサイトなどで探してみてはどうでしょうか?
制作:工場タイムズ編集部