自分の頑張りが認められると評価されて、賞がもらえることがあります。実は工場にも賞があるのです。
環境にやさしい工場や人材育成に貢献した工場など、優れた工場には賞が与えられます。
今回はそんな工場に与えられる賞についてご紹介します。
工場にはたくさんの賞がある!
では、実際にどのような賞があるのでしょうか?各賞の内容は次のとおりです。
緑化優良工場等経済産業大臣賞
経済産業省から贈られる賞です。工場と周辺の環境を調和させるため、工場に緑を増やす取り組みを行い成功した企業を表彰しています。
省エネ大賞
経済産業省がスポンサーとなり、一般の財団法人から贈られる賞です。省エネへの優れた取り組みやビジネスモデル、製品などを表彰しています。工場が受賞した例としては、地球温暖化対策としてCO2(二酸化炭素)の排出量を減らした工場が知られています。ほかにもエネルギー源を重油からクリーンな都市ガスに変え、製造過程で発生した燃料の残りカスを電気や熱エネルギーとして有効活用した事例などがあります。
GOOD FACTORY賞
GOOD FACTORY賞とは、工場の生産性や品質を向上させる取り組みに成功した企業に贈られます。国内の工場だけでなく中国などのアジア地域に進出している企業など、国を問わず幅広く表彰しています。
GOOD FACTORY賞とは?
ではここで、2011年に商標登録(商品やサービスの名前やマークを、会社や組織の財産として国に登録すること)が行われたGOOD FACTORY賞について、詳しくご紹介します。
設立経緯
現在、多くの日本企業が中国やアジアの新興国で工場などの生産拠点を持っています。モノづくりに取り組む、そうした製造現場からは日々多くの知恵やスキルが生まれています。それらの素晴らしいノウハウを共有し、今後に活かしたいという思いからGOOD FACTORY賞はできました。
審査基準
審査には四つの基準が設けられています。
・「仕組み」…活動を進めるための仕組みづくりがなされているか。
・「運営」…日常の業務にムダな活動やムリな動きがないか。
・「効果性」…目標の達成に高い効果が出ているか。
・「マネジメント基盤」…活動を効率よく進めるためのマネジメントを行う仕組みがあるか。
審査は、一次審査、二次審査、最終審査までの三段階で実施されます。一次審査は書類のみ、二次審査は現地調査、最終審査ではこれらを総合的に踏まえた判定が行われます。
受賞することのメリット
GOOD FACTORY賞を受けることで、メディアに取り上げられるチャンスが期待できます。表彰式への出席はもちろん、事例をほかの工場に対して発表できる機会が持てます。さらに新聞・雑誌に記事が掲載されるため、企業の知名度がアップし、名誉を獲得することができるでしょう。
GOOD FACTORY賞の種類
GOOD FACTORY賞には、各視点から四つの賞が贈られます。それぞれの概要と、これまでの受賞例をご紹介します。
賞の種類と受賞例
「ものづくりプロセス革新賞」
モノづくりに関わるプロセス(工程)を全体的に改善し強化した取り組みを表彰します。
過去には海外で現地の人材がリーダーシップを取り、品質を高めた事業が表彰されました。目標達成に向けてつくられた戦略、その効果が評価された事例が受賞しています。
「ものづくり人材育成貢献賞」
技術を部下や後輩に伝えたり、次世代を担う優秀な若手を育てるなど、工場全体での人材育成の取り組みを表彰します。
工場の性質に沿って人材を育てる仕組みを独自につくった事例や、現地の人材を育てて経営を行えるまでに成長させた事例が評価されています。
「ものづくりCSR貢献賞」
省エネや福利厚生など、モノづくりがCSR活動として社会に貢献しているかという側面から表彰します。
新しく事業を行うとき、従業員だけでなく関連する企業や教育機関を巻き込んでの取り組みが表彰されました。また、地域を巻き込む形で課題の解決を図った工場なども受賞しています。
「ファクトリーマネジメント賞」
上記の三つの賞から総合的に工場運営を評価して表彰します。
現地の人材が自立して工場を運営し、現地独自の企画を成功させるなどの取り組みや、その体制をつくった点が評価されました。
GOOD FACTORYだからこそ成長する
自分の勤めている工場が賞を贈られることは名誉なことです。企業の知名度の向上にも役立ちます。はじめて出会う工場でもこうした受賞歴を見ることで、その企業の人材育成や環境問題への取り組みが優れていることがわかるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部