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ステンレスの溶接加工の種類とは|素材の種類と溶接のポイントも解説

2024/09/13公開

ステンレスの溶接加工とはステンレスを溶かして接合する作業のことです。本記事ではステンレスの溶接加工の種類や素材の違い、溶接を成功させるためのポイントについて解説します。本記事を読めばステンレスの溶接加工の基本的な知識が身につくはずなので、ぜひ参考にしてみてください。

ステンレスの溶接加工とは

ステンレスの溶接加工とは金属を熱で溶かして接着させる加工のことを指します。ステンレス素材は錆びに強くさまざまな製品に利用されているため、ステンレス溶接は多くの製造現場で行われています。

ステンレスの溶接加工の種類

ステンレスの溶接は技術が必要とされており、その理由としてさまざまな溶接方法があるためとされています。ここでは以下のステンレス溶接加工の種類について解説します。

  • TIG溶接
  • MIG溶接
  • 被覆アーク溶接
  • サブマージアーク溶接
  • レーザー溶接
  • 抵抗溶接

TIG溶接

TIG溶接とはアルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを使用した、火花が飛ばない溶接の方法のことを指します。不活性ガスの中でアークにより母材を溶かし、溶加材を用いて溶接を行う方法でスパッタが出にくい所が特徴です。ステンレスだけではなく鉄やアルミにも利用できます。

MIG溶接

MIG溶接とはTIG溶接と同様に不活性ガスを使用しますが、TIG溶接と違って放電する電極が溶けて母材を溶接する方法になっています。電極には溶接ワイヤが内蔵されており、モーターによって電極部分に送り出されて、発生するアークによって溶かされます。

被覆アーク溶接

被覆アーク溶接とは母材と同じ材質の溶接棒を電極として使用し、さらに溶加材として溶接する方法です。被覆アーク溶接は手溶接とも呼ばれ、コストがかからず安価な設備で行えるのが特徴です。

サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接とは電極となるワイヤと被覆材を設置して、ワイヤと母材の間にアークを発生させる溶接方法です。サブマージアーク溶接は太径ワイヤに大電流を流すため溶込みが深く、溶接面の形状や品質が安定しており、耐久性が高い仕上がりになるのが特徴です。

レーザー溶接

レーザー溶接とはレーザーの熱によって接合部分を溶かし、母材同士を溶接する方法です。発生する熱が少なく、熱による素材のゆがみを防ぎやすいのが利点です。細部の加工やコンピューター制御にも適しているため、自動車工場におけるボディの溶接にも利用されています。

抵抗溶接

抵抗溶接とは溶接する金属を重ね合わせて、電極で挟んで圧力を掛けながら電流を流し、発生した熱で溶接する方法です。作業を機械に任せられるため自動化しやすく、効率が良いというメリットがあります。

ステンレスの種類と溶接のポイント

ステンレスは大きくわけると3種類に分類でき、素材によって溶接のポイントが異なります。ここでは以下の3つの素材に合わせた溶接ポイントについて解説します。

  • オーステナイト系ステンレスの溶接
  • マルテンサイト系ステンレスの溶接
  • フェライト系ステンレスの溶接

オーステナイト系ステンレスの溶接

オーステナイト系ステンレスとはクロムとニッケルを含有するステンレス素材のことです。耐食性に優れ加工しやすい性質であることから、幅広い分野で利用されています。オーステナイト系ステンレスは温度変化が急激すぎると脆くなる性質を持っているため、溶接時の熱量を抑える、熱が集中しない溶接継手とする、治具で拘束するといった対策が必要となります。

マルテンサイト系ステンレスの溶接

マルテンサイト系ステンレスはクロムを主に含有したステンレス素材のことで、熱を入れた後に急激に冷やすと割れやすくなる性質を持っているため、溶接時に750度程度の加熱を行う、加工前に余熱を加えるといった作業が必要になります。

フェライト系ステンレスの溶接

フェライト系ステンレスはマルテンサイト系と同様のクロムを多く含んだ素材ですが、より含有量が高いのが特徴となっています。熱によって変性して強度が下がってしまう特徴を持っているため、熱を加える部分を少なくする、熱を加える時間を短くする、予熱の温度を高くしすぎないといったポイントを押さえて作業することが重要となっています。

ステンレスの溶接加工の難しさ

以下のステンレスの溶接加工の難しさについて解説します。

  • ステンレスの種類によって溶接方法が異なる
  • 素材選びを間違えると錆びやすくなる

ステンレスの種類によって溶接方法が異なる

ステンレス素材は種類ごとに特性が異なり、溶接によって割れや変形、腐食が起こるため、溶接加工を行いながらも強度を保つのが溶接のポイントとなっています。ステンレス素材に合わせた溶接方法を選択する必要があるため、豊富な知識や技術、手法によっては専門的な設備が必要になる点が難しいとされています。

素材選びを間違えると錆びやすくなる

ステンレスは別の金属を溶接した際に、電位差によって溶接した別の金属が錆びやすくしてしまうという性質があります。ステンレスを含む複数の素材で製品を作る場合に、素材ごとの特性を理解して不具合が起きない素材選びや溶接方法を選択する必要があるため、製品によっては専門的な知識が必要になる場合があります。

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ステンレスの溶接は難しく高い技術が必要

ステンレスには種類があり、素材の違いに合わせて溶接方法を変えることが重要です。ポイントを押さえて行わないと割れの発生や耐久性の低下など不具合が起きる場合があります。ステンレスの溶接に興味がある方は、本記事を参考に理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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