3Kとは「きつい」「きたない」「危険」の頭文字から作られた言葉で、労働者が敬遠する職業や仕事を指します。本記事では、3Kといわれている職業や、仕事内容、3Kに似た言葉である「新3K」や「6K」についても解説します。また、3Kの仕事に就くメリットや国土交通省の取り組みなども解説しているので、3Kの職種に興味がある方は必見です。
3Kとは?
3Kとは「きつい」「きたない」「危険」の頭文字から作られた、労働条件が厳しい職業を指す言葉です。一般的には土木・建設作業員や清掃員、看護師、介護職などが当てはまります。
しかし、これらの仕事は日常生活を維持するうえで欠かせないもの。正しくはエッセンシャルワーカーと呼ばれ、人々の暮らしを支えています。
3Kといわれる職業と仕事内容
3Kといわれる職業には、土木・建設作業員や清掃員、看護師、介護職などが挙げられます。それぞれどのような職業なのか気になる方もいるでしょう。ここでは、3Kといわれる職業とその仕事内容を解説します。
土木・建築作業員

土木・建設作業員は、道路や河川、宅地などの土木工事を行う職業です。資材の運搬や掘削、道路の整備などさまざまな業務を担っています。
体力が必要となる職業ですが、未経験でも働き始められるうえ、作ったものが人々の暮らしの基盤となるのがうれしいポイント。さらに、経験を積むことで現場監督(施工管理)へのキャリアアップが可能な点も魅力です。
清掃員

清掃員は、オフィスビルや商業施設、学校、病院などの清掃を行う職業です。担当場所の清掃や物品の整理整頓、ゴミの回収などさまざまな業務を担っています。
一人でコツコツ作業を進められる点や必要以上のコミュニケーションをしなくてよい点などが魅力のひとつ。よく気がつく方やルーティーン作業が好きな方、黙々と作業に取り組みたい方に向いています。
看護師

看護師は、傷病者や産後間もない女性の世話や診療の補助を行う職業です。人々の健康を守るだけでなく、日常生活のサポートや相談に応じることも求められます。
看護師として働くためには国家資格が必要ですが、収入が安定している点や就職や転職がしやすい点が魅力です。さらに、患者やその家族などから感謝されるため、やりがいも感じられます。
介護士
介護士は、介護を必要とする方の生活全般をサポートする職業です。介護業界で働いている方であれば、無資格者や介護福祉士も介護士と呼びます。
介護士は経験や年齢、性別を問わず働き始められるのが魅力です。また、少子高齢化に伴いその需要も高まっています。また、シフト制を採用している職場が多いので、日勤や夜勤など柔軟に働ける点も魅力です。
3Kの仕事に就くメリット
「きつい」「きたない」「危険」と聞くと、3Kの仕事にマイナスなイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、3Kの仕事にはさまざまなメリットがあるのも事実です。ここでは、3Kの仕事に就くメリットを解説します。
給与や待遇がいい
3Kの仕事は、給与や待遇が良いとされています。3Kの仕事は、日常生活を維持するうえで欠かせないものです。たとえば看護師や介護士は夜勤があり夜勤手当が付くため、給与が高い傾向にあります。
また、これまでは給与が低く、待遇がよくない職場もありましたが、現在は給与や待遇の見直しが行われており、順当な環境で働くことが可能です。
勤務体系が改善されている
勤務体系が改善されている点も3Kで働くメリットのひとつです。前述の通り、3Kの仕事は勤務体系が悪く、労働者が心身ともにストレスを抱えるケースが多々ありました。
しかし、働き方改革や労働者の声によって、その勤務体系が見直されています。これまで労働時間や休日がネックで働けなかった方でも、働きやすい環境に改善しつつあります。
仕事にやりがいを感じられる
仕事にやりがいを感じられる点も3Kで働くメリットのひとつです。3Kの仕事は人々の暮らしを支える仕事のため、作ったものが残ったり、利用者に感謝されたりといったやりがいがあります。
また、社会貢献度が高いため「人の役に立ちたい」という思いが強い方は、とくにやりがいを感じられるでしょう。
転職や就職がしやすい
3Kの仕事は求人数に対して志望者が少ないため、転職や就職がしやすいとされています。とくに経験者は即戦力となるため、重宝されるでしょう。
また、未経験歓迎の求人も多く、社会人未経験の方やブランクがある方、年齢を重ねた方でもチャレンジしやすいのが魅力です。
新3Kや6Kとは?
3Kは土木・建設作業員や清掃員、看護師、介護職などの職業を指す言葉です。そのほかにも、新3Kや6Kと呼ばれる職業があります。ここでは、新3Kや6Kの意味を解説するのでチェックしてみてください。
新3K:事務職や販売職が抱える課題
新3Kとは、「帰れない」「厳しい」「給料が安い」を指す言葉で、事務職や販売職などの職業が当てはまります。
労働環境の劣悪さやノルマの厳しさ、給与面など、ホワイトカラーならではのデメリットを表現した言葉です。
6K:従来の3Kと新3Kを足した仕事
6Kとは、従来の3K「きつい」「きたない」「危険」と新3K「帰れない」「厳しい」「給料が安い」を組み合わせた言葉です。
土木・建設作業員や清掃員、看護師、介護職、事務職や販売職など、体力面や精神面で負担が大きい仕事を表現しています。
7K:女性がIT職場で働く不安要素
7Kとは、従来の3Kに「規則が厳しい」「休暇がとれない」「結婚ができない」「化粧がのらない」を足した言葉です。
これは、システムエンジニアとしてIT職場で働く女性が多忙なことを表現しています。ただし近年はIT業界でも働き方の見直しが行われているため、7Kは解消されつつあるといえるでしょう。
新3Kを実現するための国土交通省の取り組みとは
近年は従来の3Kを解消するべく「給与」「休暇」「希望」の新3Kを実現する取り組みが行われています。どのような取り組みが行われているか気になる方も多いでしょう。ここでは、新3Kを実現するために国土交通省が行っている取り組みを解説します。
給与
新3Kのひとつが「給与」です。3Kの仕事は生活に欠かせない仕事であるにも関わらず、薄給というケースも少なくありません。
そこで、国土交通省では日建連による「労務費見積り尊重宣言」のもと、下請企業からの労務費見積りを尊重する企業を、総合評価や成績評定において優位に評価(※)し、給与アップへの働きかけを行っています。
※“厚生労働省「新3Kを実現するための直轄工事における取組」”参照
休暇
「休暇」も新3Kのひとつです。国土交通省では、週休2日の確保状況に応じて、労務費などの補正を実施し、さらに成績評定の加点・減点を行う「週休2日対象工事」を発注しています。
また、給与や賃金、手当などの補正を通じて、休みの増加による日給制作業員の収入減少を抑えているのです。
※“厚生労働省「新3Kを実現するための直轄工事における取組」”参照
希望
新3Kのひとつが「希望」です。国土交通省では、i-Constructionの推進によるICT施工を実現し、建設現場の生産性を向上させることを目標(※)としています。
i-Constructionとは、建設現場にICT(情報通信技術)を導入し生産性の向上を目指すプロジェクトです。この取り組みにより、生産性が向上するだけでなく、労働者の負担を軽減できます。
※“厚生労働省「新3Kを実現するための直轄工事における取組」”参照
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3Kと呼ばれる仕事にはいい面もある!
本記事では、3Kといわれている職業や、仕事内容、「新3K」や「6K」について解説しました。マイナスイメージを抱かれがちな3Kですが、近年は労働環境が改善されているため、より働きやすくなっています。本記事を参考に、3Kと呼ばれる仕事の魅力を再確認してみてください。