同じ場所でも、昼と夜とではその姿は大きく違います。
なかでも、夜になればとてもきれいにライトアップされ、幻想的なムードに一変するのが工場です。
昼間の光景からは想像も付かない、星空のようにライトがちりばめられた一面の夜景。今回は、関東の工場夜景の中からオススメの穴場スポットをご紹介します。
神奈川県で楽しめる工場夜景とは!
神奈川県には、横浜を筆頭に多くの夜景スポットがあります。ここではひと味違う県内の工場夜景を見てみましょう。
川崎の工場夜景
京浜工場地帯とは?
神奈川県の川崎市・横浜市から東京都にかけて広がる京浜工場地帯。貿易に関する船舶の出入りが多い川崎港、横浜港、東京港を有します。そのため鉄鋼や化学、機械、繊維、食品まで多くの事業所や従業員が集まり、国内一の規模を誇っています。
日本七大工場夜景のひとつ
陽が落ち、夜を迎えれば、多くの工場に明かりが灯ります。その非日常的な光景は、三重県の四日市コンビナートと並んで「日本七大工場夜景」のひとつに数えられる美しさです。「まるで宇宙空間!」「工場ならではの力強い輝きを感じる!」と若いカップルから中高年まで大きな支持を得ています。
工場夜景のブームの火付け役
京浜工場地帯の夜景にスポットが当たるきっかけは、2008年に川崎産業観光が工場夜景のモニターツアーを試験的に行ったことでした。これが爆発的な人気を呼び、その後、民間企業まで巻き込んだツアーが組まれるようになりました。現在では工場夜景ナビゲーターという肩書の添乗員が同行し、魅力を解説してくれるツアーが人気です。
その他の工場夜景
池袋公園(横浜市中区)
根岸の北東エリアにある池袋公園からは、根岸製油所のメタリックな工場夜景を眺めることができます。住宅街の向こうに見える、近未来を連想させるプラチナ色の光景。煙突からモクモクと噴き上げる炎がさらに非現実の世界へと誘い込みます。
汐留橋(川崎市川崎区)
工場夜景の中でも、穴場として知られているのが汐留橋。水辺に揺らめく小さな夜景スポットです。南東エリアを望む夜景は、プラント群の光の先に見えるオレンジ色の倉庫照明が臨場感を演出します。
本牧臨海公園(横浜市中区)
根岸エリアの工場夜景を、ベンチに腰掛けながら存分に堪能できるスポットです。根岸製油所の独創的な世界観だけではなく、手前に走る首都高湾岸線の車の動きが光に動く輝きをプラスさせます。
千葉県にも?工場夜景が楽しめる場所
関東で工場夜景が楽しめるのは、神奈川県だけではありません。千葉港周辺の工場地帯が一望できるスポットが存在します。
千葉港工場
千葉港工場巡りクルーズが組まれているほど、人気の高い定番スポットです。暗闇の中に浮かぶ石油油槽所や化学工場を間近に見られ、その大迫力を満喫できます。各工場や千葉港についての初心者向けのガイドがある工場夜景クルーズもあります。
千葉ポートタワー
高さ125メートルにも及ぶ展望台から、工場地帯をはじめ東京湾まで見渡すことができる千葉ポートタワー。360度に広がる景色を、高い視点から余すことなく堪能することができます。
袖ヶ浦
京葉工業地域の中でも、人通りの少ない袖ヶ浦周辺の工場夜景が楽しめるポイントです。公道沿いから見える多くの工場を、ドライブがてら楽しめます。袖ヶ浦海浜公園では工場夜景を背にすると、東京都、神奈川県、そしてアクアラインの夜景を望むことができます。
養老川臨海公園
紅葉スポットとしても知られる養老川の河口にある養老川臨海公園。駐車した車内や公園のベンチからなど、工場夜景初心者の人でも楽しめるスポットです。周辺に広がる工場群を誰にも邪魔をされず、たっぷりと観賞できます。
工場に飽きたら鉄道夜景はいかが?
夜景の穴場とされるのは、工場だけではありません。街に溶け込む鉄道夜景も実に魅力なんです。
岳南鉄道とは?
鉄道夜景として有名なのが岳南鉄道です。岳南鉄道は静岡県富士市の吉原駅から岳南江尾駅までの9.2kmを片道20分の直通で結ぶ旅客列車です。主軸であった貨物列車の運行は終了しているものの、富士市の支援を受けて運行を続けています。
「夜景」という言葉から連想するキラキラと光り輝く光量はありませんが、趣のある車両や駅舎、そして車内から見える光景は「日本夜景遺産」に認定されています。全国初となる鉄道夜景の認定に至るほど多彩な魅力の詰まった奥深い夜景が広がっています。
大丸東京店展望フロア
東京都八重洲口にある大丸東京店。その12階にあるレストランエリアから、東京駅の構内を見下ろせるスポットがあります。行き交う電車たちのジオラマの光や、周囲にそびえる丸ビルや新丸ビルなどのビル群は、ここでしか味わえない鉄道夜景です。
京王電鉄 若葉台車両区
都心と多摩ニュータウンを結ぶ京王相模原線の拠点ともなっている若葉台車両区。都営地下鉄新宿線の車両などの通行も多く、水銀灯に映し出される象徴的なステンレスの車体が、まるで宇宙ステーションにいるかのような雰囲気を醸し出します。暗い夜空の下を通過していく車体の様子は、美しいのひと言です。
普通とは少し変わった夜景を
昼間に何度となく通り過ぎていても、楽しめる工場夜景。今回紹介したところは日頃の疲れを吹き飛ばし、幻想的な非日常空間へと導いてくれる穴場スポットです。自分たちのペースでのんびり夜景を楽しんでみてください。
制作:工場タイムズ編集部