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緩衝材とは? 身近な緩衝材の種類と貨物の中身に合った選び方

2015/10/13公開 / 2023/05/30更新

壊れやすいものを発送する際などに丁度よいサイズの段ボールが見つからず、段ボールの内部に隙間ができてしまう場合は、緩衝材を入れて隙間を埋めるのが一般的です。

発泡スチロール製のものや中に空気を含んだビニール製のものなど、その種類も多岐にわたる緩衝材は、そのタイプによって使用用途も若干異なり、発送する商品の性質に合ったものを選ぶことで、より高い緩衝効果を得られることもあります。

ここでは緩衝材に関し、その種類や特徴と役割、選び方などについて解説します。

緩衝材とは?

緩衝材とは、壊れやすいものなどを段ボールに入れて発送する際などに、段ボール内の隙間を埋めるために使用されるものです。緩衝材には、その名のとおり衝撃を緩和する効果が求められます。そのため、発泡スチロールや空気を含んだビニール製のものなど、柔らかい素材が使用されることが多く、通販で購入した商品と共に段ボールに入れられるケースなども多いという特徴があります。

また、緩衝材とは広義的な衝撃を緩和する素材を意味することもあるため、足の裏への負担を軽減する効果がある靴の中敷きなども緩衝材ということができます。しかし、一般的な感覚として「緩衝材」とは上述した商品の発送時などに衝撃を吸収するために使用するものを意味するため、ここでは、この一般的な意味での緩衝材について解説していきます。

緩衝材の種類

単に緩衝材といってもその種類は多岐にわたり、各々で適切な使用方法が異なります。続いて、代表的な緩衝材を挙げ、各々の特徴について解説します。

発泡スチロール

発泡スチロールは緩衝材の中でも特に使用頻度の多いもののひとつです。特に発泡スチロールの場合は、エアパッキンなどと比較して強度が高いにもかかわらず、非常に軽いため、ある程度重量のある電化製品の梱包などで使用されることが多いという特徴があります。

一方、発泡スチロールはコストがかかるため、多くの商品を発送する企業などでは、その費用が大きな負担となることも少なくありません。また、エアパッキンなどと比較して柔軟性がなく、緩衝材として再利用することが難しいというデメリットもあります。

気泡緩衝材(プチプチ)

「プチプチ」や「エアパッキン」などの名称で呼ばれることもある気泡緩衝材は、コストが少なく、破損の恐れが少ない商品の簡易的な梱包に適しているという特徴があります。また、柔軟性が高く、再利用しやすいというメリットがある反面、中の空気が抜けてしまうと緩衝効果は殆どなくなってしまうため、再利用できる回数は限定的であるという特徴もあります。

エアークッション

気泡緩衝材と同様に中に空気を入れたビニール製の「エアークッション」は、その名のとおり小型のクッションのような形をしており、気泡緩衝材に比べて若干強度が高いという特徴があります。また、1個あたりのサイズが緩衝材としては大きいことから、商品を入れる段ボール内部の隙間が多い際などに使用するのに適しています。また、コストもかからないことから、多くの通販会社が使用しています。

紙製の緩衝材

紙製の緩衝材は再生紙が使用されていることが多く、緩衝材の中でも特にコストがかからないというメリットがあります。その一方で、丸めて使用するとある程度の緩衝効果を得られるものの、基本的には簡易的な緩衝材であるため、段ボール内部で商品が動くのを防止することだけを目的として使用されることも少なくありません。そのため、壊れやすい商品の梱包には不向きであるという点は大きなデメリットといえます。

緩衝材の特徴と役割

続いて、緩衝材の主な特徴と役割を挙げ、その詳細について解説します。

衝撃からの保護

その名称からも分かるとおり、緩衝材は衝撃を緩和し、保護することを大きな役割としています。そのため、多くの緩衝材は弾力性を生むために空気を含みやすいつくりとなっています。

水漏れや湿気から守る

商品を梱包し、発送する際には、水漏れや湿気から商品を守れる状態にしなければなりません。特に再生紙から作られた紙製の緩衝材や、商品を包み、密封状態にすることができるビニール製の緩衝材は、水漏れや湿気から商品を守ることにも長けており、特に配送に時間がかかる海外へ向けた商品の発送などにも適しています。

資源の節約

緩衝材は再生紙や発泡スチロールなどのように再利用することができる素材が使用されることが多くなっています。そのため、資源の節約という点においても緩衝材が担う役割は大きく、それらを使用する企業側にとってはコストの削減にもつなげることができるという点で大きなメリットがあります。

貨物の中身に合った緩衝材の選び方

緩衝材は貨物の中身に合わせて適したタイプのものを選ぶ必要もあります。続いては、その選び方を貨物の中身の種類ごとに解説します。

大型で重量があり、壊れやすいもの(電化製品など)

重量があり、壊れやすい電化製品などはできるだけ強度が高く、隙間ができない緩衝材が適しています。そのため、電化製品の場合は、メーカーが製造した、電化製日の形に合った発泡スチロールなどを選ぶのがおすすめです。

小型で壊れやすいもの(小型の電化製品、CDなど)

小型で壊れやすいものを発送する場合は、商品自体を包むための気泡緩衝材と、その周辺の隙間を埋めるためのエアークッションや紙製の緩衝材を選ぶのがおすすめです。また、商品は動かないようテープなどでとめるのがよいでしょう。

壊れにくいもの(衣類、バッグなど)

衝撃が加わっても壊れる恐れがないものに関しては、紙製の緩衝材を選ぶのがおすすめです。一方で水漏れや湿気から守るためには、紙製の緩衝材だけでなくビニールなどで包装する必要もあります。

進化する緩衝材の可能性

ここでは商品の発送時に使用する緩衝材の種類や特徴、役割、選び方などについて解説しました。単に緩衝材といってもその種類は多岐にわたるため、梱包する商品の性質に合ったものを選ぶことがおすすめです。

また、最近では段ボールを組み立てて使用する立体緩衝材なども登場するなど、技術の進歩もめざましいものがあります。特に壊れやすい商品や、特殊な形をした商品を発送する際には、そのような最新の緩衝材の使用を検討してみるのもよいかもしれません。

制作:工場タイムズ編集部

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