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プリント基板とは? 現代の電子機器に無くてはならない主要部品の役割と使うメリット

2018/07/24公開 / 2023/06/15更新

現在、身の回りにある電子機器には、ほぼ例外なくコンデンサやトランジスタなどの電子部品が使われていると言ってよいでしょう。それらをひとまとめにして電子機器の内部に収めるために、「プリント基板」は欠かすことができない部品です。今日の電子機器の高性能化にも、大きな影響を与えた部品ともいえます。

このプリント基板とは、緑色の板状、もしくはシート状の部品です。学校の技術の時間などに、触ったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、学校や職場以外でこのプリント基板の働きや特性について知る機会は極めて少ないため、どのような目的で電子機器にプリント基板が使われているのか分からないという方も多いでしょう。

今回は、そんなプリント基板の持つ役割や種類、使うことで得られるメリット、構造などについご紹介します。プリント基板の詳しい特性などを知らない方は、その性能の高さにきっと驚かれるはずですよ。

プリント基板の役割

そもそも絶縁体である「プリント基板」とは、ICや抵抗器などの電子部品が取り付けられていない素の状態の「プリント配線板」と、電子部品がはんだ付けなどによって取り付けられた「プリント回路板」の総称です。プリント配線板の状態では電子機器の部品として使えないため、プリント回路板の役割がすなわちプリント基板の役割といえるでしょう。

プリント基板の役割は、そこに取り付けられた電子部品の種類によって変わりますが、基本的には信号を伝えることと電力を送ることが主な役割です。特殊な例としては、プリント基板上で高周波数回路を形成し、それ自体をアンテナとして使うこともあり、加工方法によって様々な役割を与えることができる部品なんです。

機能的な面以外で言うと、このようなICや抵抗器などの電子部品を一カ所にまとめ、電子機器の構造を分かりやすくすることもプリント基板の役割のひとつ。このことにより、例えば小型の電子機器にも多くの電子部品を内蔵させることができ、サイズは小さいが高性能な電子機器の製造においてもプリント基板は大きな効力を発揮します。

プリント基板の種類

プリント基板は使われている部品や構造などから、多くの種類に分類することができます。その主な種類としては以下のとおり。

リジッド基板

「リジッド基板」は、硬質基板という名称で呼ばれることもあります。このタイプの基板は、硬い銅やエポキシ樹脂製の部品が使われていることが多いため強度が高く、電子部品の実装がしやすいというメリットがあります。

フレキシブル基板

硬く強度が高いプリント基板をリジット基板と呼ぶのに対し、柔軟性のあるプラスチックフィルムなどを使用したプリント基板を「フレキシブル基板」と呼びます。このタイプのプリント基板は折り曲げることもできることから、電子機器の可動部などに使われることが多いという特徴があります。

リジッドフレキシブル基板

リジッド基板とフレキシブル基板を組み合わせたプリント基板を、「リジットフレキシブル基板」と呼びます。このタイプの基板には柔軟性と強度がともに高く、電子部品の実装もしやすいというメリットがありますが、サイズが若干大きくなりやすいというデメリットもあります。

ビルドアップ基板

リジッド基板の中でもコアとなる多層プリント配線板上に絶縁層を作って表面に導体パターンを形成する作業と、絶縁層にビアと呼ぶ微細な穴をあけてメッキで接続する作業を繰り返すことで、多重層を形成したプリント基板を「ビルドアップ基板」と呼びます。このタイプのプリント基板は、1980年代に主に高性能コンピュータの部品として使われていました。

片面基板

リジッド基板のうち、片面にのみ印刷や電子部品の実装されたものを「片面基板」と呼びます。このタイプのプリント基板は複雑な電子回路の形成には向いていないものの、コストの削減という点では大きなメリットがあります。

両面基板

両面に印刷や電子部品の実装が施されたリジッド基板が、「両面基板」です。この種類の基板は片面基板に比べて複雑な電子回路の形成に向いているものの、その分コストはかかるというデメリットもあります。

プリント基板のメリット

プリント基板が様々な製品に使われている理由としては、以下のようなメリットによるものです。

製品の小型化

高性能な電子機器の場合、その機能を正常に稼働させるために様々な電子部品を機器の内部に搭載しなければなりません。プリント基板は、このような電子部品を1カ所にまとめて機器内部のスペースを有効活用できるため、製品自体の小型化も可能に。

生産性の向上

プリント基板がない状態で電子部品のはんだ付けなどを行う場合、その作業は手作業でなければ行うことができません。それに対して、プリント基板を使って電子部品の取り付けを行う場合、基板上の決められた位置に部品を取り付けていけばよいため、作業を機械で行うことが可能。これにより、プリント基板を利用すると生産性の大幅な向上が図れるでしょう。

コストの削減

製品の製造工程を機械に任せられるようになると、人件費を削減することが可能となります。また、決められた数量を短時間で生産できるようになれば、その分施設で使用する電気代なども削減できます。このようなことから、プリント基板を使うことによる生産性の向上は、コストの削減という点でも大きなメリットがあるといえます。

デザイン性の優先

プリント基板の中でも、特にフレキシブル基板は柔軟性に優れ、製品の可動部に内蔵させることもす。そのため、製品の設計においてプリント基板を内蔵させるためのスペースを過度に配慮する必要がなく、その分見た目などのデザイン性を優先することができます。

プリント基板の構造

プリント基板における電子回路や電子部品の配置はものによって異なるため、その構造にも実は無数のパターンが存在します。しかし、電子部品などが取り付けられていない状態でのプリント配線板は、電気を通さないエポキシ樹脂やフェノール樹脂でできた絶縁体基材をベースとし、そこに銅箔などの伝導体が配置された構造とパターンが決まっています。そのため、この構造は、プリント基板の最も基本的な構造といえるでしょう。

また、この最も基本的なプリント基板の構造は、そこに配置される電子部品の種類にもとづいて詳細な回路設計がされています。それに加え、プリント基板には片面だけに印刷や電子部品の実装されたものや、その加工が両面にされたもの、さらには多重層型に加工されたものも存在するため、プリント基板の構造はとにかく多岐にわたるのです。

世界で拡大するプリント基板の需要

今回は、電子機器にはほぼ例外なく使われているプリント基板の役割や種類、メリット、構造などについてご説明しました。プリント基板は高性能な機器の製造にも活用できる汎用性の高い部品でありながら、その加工は決して難しくはなく、世界中でその需要は高まっています。

また、プリント基板は、その特性や加工方法から数多くの種類に分類することが可能となっているため、今後はそれら各々の特性をさらに活かした小型の高性能電子機器の開発が世界中で行われていくことでしょう。

制作:工場タイムズ編集部

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