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建材の種類には何があるの? 注目される新建材の特徴とは!?

2016/12/14公開 / 2023/06/01更新

「建材」というのは、建築材料のことです。住宅やビルを建てるときに使われる屋根や壁、床などをひとまとめに建材と呼びます。

材料には「木材」「コンクリート」「鉄骨」「砂利」「瓦」などいろいろな種類があり、それらの建材を組み合わせて家やビルを建てます。 建材は進化し続けており、天候の変化の激しい日本で、より住みやすい家を造るにはどんな建材が良いのか、「地震国ニッポン」にふさわしい、災害に強い建材とは何か?

――そうした研究が現在も続けられています。今回は、建材の基礎知識と、進化する注目の新建材についてご紹介します。

建材の種類には何があるの?

まず、建材の種類について説明します。建材は「仕上げ材」と「下地材」という2種類に分けられます。

仕上げ材

仕上げ材は、外装や内装など直接目につく部分の材料のことです。外装の仕上げ材では、屋根に取り付ける「屋根材」や、風雨から家を守る「外壁材」が代表例です。屋根材には瓦やスレート、鋼板などがあります。外壁材にはモルタルや、サイディング(板のように見える壁材)、タイル、木材、石材などがあります。一方、内装には、壁紙や漆喰(しっくい)などの「塗り材」、板やタイルなどの「壁材」、フローリングやカーペット、タイルなどの「床材」があります。また内装にも外装にもタイルや壁紙のように貼るタイプと、モルタルのように塗るタイプがあります。

下地材

目に見える仕上げ材の下には、仕上げ材がきれいに取り付けられるように下地材が使用されています。たとえば、床用の下地材としてよく使われるのが「構造用合板」です。構造用合版は強度によって等級が設けられていて、使用箇所に応じて使い分けます。最近では、地震対策として、水平方向への力に対する強度が非常に高い剛床(ごうしょう)工法が用いられた床材が人気になっています。また、壁や天井などの屋外に接している部分には、火に強く断熱性能の高い石膏ボードが使われます。これは、セメントの原料になる石膏を板状に固めて表面に紙を貼り付けたものです。洗面所や脱衣所などの水回りでは、耐水性の高いボードや合板が使われます

赤丸急上昇!新建材「CLT」って何?

次に、新建材「CLT」について説明します。木製の板なのに高い耐火性があるので、木造建築の多い日本でも注目されています。CLTとは「Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)」の略で、乾燥させた板を繊維が直角に交わるように積み重ねて接着したパネルのことです。オーストラリアを中心に発展し、近年はヨーロッパ、アメリカ、カナダなどでよく使われています。日本では2013年に正式に使用が認められました。

CLTは工場で作られるので、建築現場での作業が楽です。寸法も自由に作ることができます。さらに、同じ体積のコンクリートと比べると、遮音性、耐火性、耐震性、断熱性などに優れていて、重さも約5分の1と多くのメリットがあります。また、これまでは強度の低さから建築に利用することが難しかった杉を、CLTの技術によって建築に利用できるようになりました。日本にはCLTの製造工場はまだ少ないですが、今後大きな発展が予想される建材です。

メリットいっぱい!「LVL」とは?

最後は、CLTに似た板材「LVL」について紹介します。LVLは日本でも広く普及している板材です。LVLとは「Laminated Veneer Lumber(ラミネイティド・ベニヤ・ランバー)」の略で、乾燥させた板を繊維が平行になるように積み重ねて接着したパネルのことです。繊維の向きが平行か直角かという点がCLTとの大きな違いです。日本では「単板積層材(たんばんせきそうざい)」という呼び方で普及が進んでいて、主に柱や梁(はり)に使われています。

LVLの特徴は、用途に合わせて厚さや長さを自由に作ることができるという点です。また、いったん木をバラバラにしてから新たに作り上げるため、あらかじめ木の欠点を削除しておくことができます。そのため、板の強度や品質が安定している点が大きなメリットです。防虫や防腐、耐火性の強化などの処理も十分に行うことができます。

ニッポンの安全を支える建材のすごさ

途上国の中には、大きな地震が起きるたびに、多くの家やビルが倒壊して重大な被害を受けるところがあります。一方、現在の日本では震度5程度ではビクともしない家が増えてきました。こうした頑丈な家を支えているのが建材です。コンクリートや鉄骨はもちろん、木材についても耐火性、耐震性などが進化したものが登場しています。今度、新しく家を建てたり、引っ越すときには、どんな建材が使われているのか不動産会社の担当者にぜひ質問してみましょう。家選びの新しい基準になるはずです。

制作:工場タイムズ編集部

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