料理が趣味という人はどれくらいいるでしょうか。レシピに沿って段取り良くつくれば、おいしい料理ができます。
工場では、生産技術と呼ばれる人が計画に沿ってスムーズに作業が進んでいるかどうかを確認しています。きちんとした計画に沿って予定通りに進めることで、高品質な製品を生産することができます。
ここでは、そんな生産技術のお仕事について紹介します。
生産技術って何?
生産技術は「生産ラインの設計・管理」をする仕事です。生産ラインとは、材料から製品が完成するまでの一連の流れのことです。品質を保ちながら、無駄のないように生産を行います。生産技術は言わば、モノづくり現場の司令官のような存在です。作業が順調に行われていることを常に確認しています。
作業範囲は幅広く、生産設備の監視をしたり作業工程の問題を見つけたりします。工場全体の設備をどのように改善し、新しい技術を開発していくかなどの計画を立てることもあります。新しい生産ラインの設計をしたら使用する設備を導入し、稼働テストを行います。そのようにして常にすべての生産ラインの改良点を探しています。
また現場社員の声を聞き、本社に届けることも仕事の一つです。工場を全体的に見る経営者の視点、一人一人の声を大切にする現場の視点、この両方があれば生産技術として活躍することができるでしょう。
生産技術のお仕事とは?
具体的な仕事内容をご紹介します。生産技術の役割は、大きく三つに分類できます。
生産性向上の設計・修理
生産性には、「資本生産性」「労働生産性」の二種類があります。「資本生産性」とは、工場設備からどれだけの製品を生産することができるかを表す指標です。機械を使ってよりたくさんの製品をつくり出す方法を考えます。「労働生産性」は、人がどのくらい効率良く働けているかを表す指標です。作業をより早く行うために、人員をどう配置したら良いのかを見直します。つまり、人と設備を最大限に活かしたスムーズな作業方法を考えるのが仕事です。
製造部門との連携
製造部門と設計部門の協力は、製品を計画通りつくるための大切なポイントです。生産技術は設計部門と製造部門をつなぐパイプ役になります。必要に応じて現場社員から意見を聞き、お互いの意見や考えにずれが生じている場合には改善するための提案をします。できる限り全員の意見をまとめ、何が最善策か考える仕事です。どうしても無理がある場合には、開発部門にもう一度計画の見直しをお願いすることがあります。
生産システムの計画・具体化
生産システムとは、在庫管理や加工技術を支援するパソコン上のプログラムです。どんなシステムを使えば、無駄な在庫を減らせるか、より作業がしやすくなるかを考えます。システムを導入する費用と効果を考え、具体的な計画を進めるのが主な仕事です。計画を立てるだけでなく、どうすれば実現できるかを考えます。
生産技術に向いている人は?
生産技術職に向いているのは、どんな人なのでしょう。
人とコミュニケーションをとるのが得意
たくさんの部署の人と関わりがあるため、コミュニケーション能力があればうまく仕事をこなせます。異なる意見を持つ人を相手にしても、うまく立ち回ることができる人や交渉力がある人が向いています。
やわらかい頭を持ち発想力がある人
生産技術は、予想外のことが起こる場合があります。何が問題なのか見極めて解決策をひらめくことができると、問題を早く解決することができます。
ものごとをいろんな角度から判断できる人
生産工程を改善する際には、いろいろな角度から判断できる人が向いているでしょう。新しい機械を導入するときには、作業に掛かる時間が少なくなっているか、費用が少なくなっているか、品質は落ちていないかなどいろんな角度から考えます。
モノづくりの発展に関わりたい人
消費者に役立つモノを生産したいという気持ちがあれば、初心者や未経験者であっても行える仕事です。モノづくりに興味があったり、好きな製品がある場合には、生産技術で工場全体に関わると楽しみながら働けるでしょう。
計画の中心、生産技術
自分が企画した設備が稼働し製品が生産されたときに、やりがいを感じることのできる仕事です。難しいプロジェクトであればあるほど、成功したときの喜びは大きいでしょう。部門同士のコミュニケーションを支え、企業全体が協力する状態ができれば生産技術として良い働きが期待できます。
制作:工場タイムズ編集部