マシンオペレーターはひと言でいうと、「機械を操作する人」という意味です。
機械といっても、世の中にはたくさんの種類があります。
今回はその中でもマシニングセンタという機械の紹介と、それを操作するマシンオペレーターの仕事を見てみましょう。
マシニングセンタとは?
マシニングセンタとは、複数の種類がある加工を1台で同時にできる工作機械です。いくつかの工具を備えており、コンピューターの指示で自動的に工具が交換できます。コンピューターなので1000分の1ミリレベルの精密な加工ができ、高い品質のものをつくることができます。たとえば「中ぐり加工(穴をきれいにあけて寸法を広げること)」「ねじ立て(穴をねじ穴に加工すること)」などの作業を、工具を換えずに1台の機械で同時に行えるのです。
マシニングセンタにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴を持っています。
5軸制御マシニングセンタ
複雑なものを加工するときに使うマシニングセンタです。5つの方向からの加工が同時にできることが特徴です。縦、横、斜めなど直線的な動きをする3つの軸に加えて、回転する2つの軸を持ちます。すべての軸を同時に動かすことで、飛行機の部品や人工関節などの複雑な形の製品をつくれます。
立形マシニングセンタ
機械の動きがわかりやすいマシニングセンタです。縦、横など3つの軸を備えており、複雑な形には向きませんが立体的な製品の加工に使います。金型を使って金属を加工するときに多く使われます。
横形マシニングセンタ
主軸が水平の動きをするマシニングセンタです。少ない手間で複数の部品が加工でき、削ったときに出る切りくずを捨てやすいのが特徴です。
マシニングセンタ・オペレーターとは?
マシニングセンタ・オペレーターとは、マシニングセンタを操作して、金属部品を加工する「マシンオペレーター」のことです。
具体的な作業の手順
1.図面を頼りに、工具の使い方や加工の段取りを考えます。ひとつの穴をあけるだけでも、「穴をあける位置・深さ」「使う工具の直径」「工具の回転数」などのデータが必要になります。
2.データがまとまった段階で、マシニングセンタへ入力します。
3.入力された情報に沿って、部品を切削加工します。
4.専用の器具を使って、上手く切削されているかチェックを行います。
5.最終検査を行い、問題がなければ梱包(こんぽう)して出荷します。
作業における注意点
金属の種類や部品の形に合わせて、加工具合を調整しましょう。工具を使用することで、金属には熱が発生します。そうすると金属が反ったり曲がったりしてしまいます。そのため作業をする前に、どのくらい、どの方向に金属が反るのかを予測しておくことで上手く加工できます。
マシニングセンタ・オペレーターに向いている人とは?
マシニングセンタを操作するのに、特別な資格はいりません。マシニングセンタ・オペレーターに向いている人の特徴をご紹介します。
石橋を叩いて渡るタイプの人
この仕事に欠かせない要素は慎重さです。マシニングセンタに入力する数値が多くなることがあります。慎重に仕事を進められれば、精密な作業を正確に行うことができます。
ロボットが好きな人
マシニングセンタとは、ある種のロボットです。入力した情報のとおりに部品の加工を行ってくれます。知識や技術は経験を増すごとに積んでいくことができます。機械に囲まれた状況に苦を感じない人に向いています。
モノづくりに喜びを感じる人
製品が出来上がってから「図面を勘違いして、情報を入力していたことに気づいた!」なんていうこともあります。そうなると、また一から作り直しです。しかし失敗を重ねた末にようやく製品が仕上がったときの達成感はまたひと味違うものです。失敗したときにめげず、試行錯誤を行う活力へつなげられるプラス思考の人に向いています。
初心者の人も操作できる
マシニングセンタ・オペレーターとは、マシニングセンタという高性能の機械とともに仕事を行います。初心者の人は情報が入力されたマシニングセンタを操作するところからはじめるのが一般的です。その後はコンピューターを使って情報を入力することを専門に行う人や機械の操作を専門に行う人など、得意な技術によってキャリアが分かれていく職種です。
制作:工場タイムズ編集部