倉庫内作業などの仕事をしていたことがある方は、フォークリフトに関係する資格を所持されているかもしれません。履歴書を作成する際はその所持資格を記載することになりますが、応募する職種によっては、このようにフォークリフト関係の資格を所持していることを記載するかどうか、で迷ったことがある方も多いでしょう。
今回は、フォークリフト関係の資格を所持していることを履歴書に記載するべきケースや、フォークリフト関係資格の種類、取得方法をご紹介します。
フォークリフトとは?
まずはフォークリフトの基本情報について確認しておきましょう。
フォークリフトの機能
フォークリフトとは、工場や倉庫などで重い荷物や大量の荷物をパレットに載せた状態でまとめて移動させられる乗り物です。ハンドルを操作しながら底の部分についたタイヤで移動できるため、基本的な操作方法は自動車と同じようになっています。
フォークリフトの種類
フォークリフトには以下のような種類があります。
1. カウンタバランスフォークリフト
フォークリフトとして最も多く使われているのが「カウンタバランスフォークリフト」です。このタイプのフォークリフトは標準的なサイズとなっていますが、後ろの部分に重りがついているため、比較的重たい荷物も移動させられるようになっています。
2. リーチフォークリフト
立った状態で操縦をするタイプのフォークリフトです。このタイプは若干縦長になっており、狭いところでの作業に適しています。
3. サイドフォークリフト
側面に荷物を持ち上げる爪の部分がついているフォークリフトです。木材やパイプなどの長い荷物を運ぶのに適しています。
4. オーダーピッキングトラック
運転台が荷物と一緒に動く構造になっているフォークリフトです。狭い倉庫内での高い場所に収納した荷物を出し入れする作業などに適しています。
5. ウォーキーフォークリフト
「ハンドリフト」などとも呼ばれる手動のフォークリフトです。このタイプを操作する際には免許は必要ありません。
フォークリフトは自動車免許で運転できる?
フォークリフトは基本的な操作方法がほぼ自動車と同じであることから、「自動車の操作方法を覚えていればフォークリフトも簡単に操作できるのでは」と考える方もいるかもしれません。けれど実際はフォークリフトならではの操作方法がある、というだけでなく、安全に運転するために自動車免許取得のための教習では習わないことも学ばなければなりません。つまり、自動車免許だけではフォークリフトの運転はできないのです。
フォークリフトに関する資格は履歴書に書ける?
物流にかかわる仕事を志望する際は活用できるため、記載したほうがよい
フォークリフトは上述のとおり工場や倉庫をはじめとした物流に関係する現場で多く使用されています。このことから、フォークリフトの資格を所持している方で物流にかかわる仕事に就くことを希望されている方は、履歴書にそれらの資格を保有していることを記載したほうが採用されやすくなるでしょう。
一方、物流と関係のない職場ではフォークリフトを活用しないことが多いため、フォークリフトに関する資格を保有していたとしても合否には影響を及ぼさないと考えたほうがよいでしょう。しかし、資格欄に記載することがない場合は「特になし」と書くよりも、業務内容とは全く関係のないものであっても何かしらの資格を所持していることを記載したほうが好印象を持ってもらえるかもしれません。
「フォークリフト運転技能講習 修了」などと記載すればOK!
履歴書にフォークリフトに関係する資格を所持していることを記載する際には、取得年月と共に「フォークリフト運転技能講習 修了」などと書くのが一般的です。また、物流関係の職場であれば資格の詳細も合否に大きく影響します。そのため、操縦できるフォークリフトの最大積載量といった詳しい情報も記載しておくとよいでしょう。
フォークリフトに関する主な資格
フォークリフトに関する主な資格は以下の講習を受けることで取得できます。
フォークリフト運転技能講習
「フォークリフト運転技能講習」を受けると最大積載量1トン以上のフォークリフトを運転できる免許を取得できます。仕事で大型のフォークリフトを操作する可能性がある場合は、この免許の取得を考えてみるのがよいでしょう。
フォークリフト特別教育
フォークリフト免許の中でも最大積載量が1トン未満のフォークリフトを対象とするものは、「フォークリフト特別教育」を受けるだけで取得ができます。取りあえず標準的なフォークリフトさえ運転できればよいという方は、最初にこの講習を受けるのがおすすめです。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
フォークリフト運転技能講習を修了して5年以上が経過すると「フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育」を受けられるようになります。この講習を受けることでフォークリフトの正しい操縦方法を再確認することができ、「慣れ」によって発生する事故を防げるようになるため、条件を満たす方には受講が推奨されています。
フォークリフトの資格を取得する方法
フォークリフト免許はさまざまな事業所で取得できる
特定の仕事で活用できる資格の中には、自治体が行う講習会や決められた団体でしか取得できないものも多く、働きながら取得を目指す方は、遠方で行われる講習を受けるために仕事を休まなければならないといったこともあります。
しかし、フォークリフト免許を取得するための講習はフォークリフトを製造する大手メーカーや一般社団法人などのさまざまな団体で行われていることから、地方でも近隣で講習会が行われていることが多く、比較的取得しやすくなっています。
学科講習と技能講習を受ける
フォークリフト免許を取得するためには、学科講習と技能講習を受けなければなりません。これらの団体は上述した事業所で行われており、取得を希望される方はまず近隣で講習を受けられる事業所を探すことから始めるのがよいでしょう。
講習料金は事業所によって異なり、3万円~5万円程度が相場となっています。ただし、フォークリフト運転技能講習で最後に行われるテストに不合格となり、追試を受ける場合は別途料金がかかってしまうため、出費を抑えたい場合は一発合格を目指すようにしましょう。
免除制度もある
最大積載量1トン未満のフォークリフト免許を持っている方が最大積載量1トン以上のフォークリフト免許取得のための講習を受ける際や、普通自動車免許、もしくは大型特殊免許を持っている方がフォークリフト免許を取得するための講習を受けるケースでは、講習の一部が免除されます。その分講習料金も安くなるため、申し込み前に自身が持っている免許の種類を確認しておくとよいでしょう。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
既にフォークリフト免許を所持している方が受けるフォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、厳密にいうと資格を取得するためではなく、技術を再確認するために受けるもののため、講習時間もそれほど長くはなく、1日ですべての講習が終了します。
この講習もまたさまざまな事業所が行っているため、近隣で受けられるところを探してみるとよいでしょう。また、この講習の参加料金も事業所によって異なるため、申し込み前に複数の事業所を比較しておくのがおすすめです。
倉庫や工場の仕事ではフォークリフトの資格を持っているほうが有利!
倉庫や工場ではフォークリフトの免許を持っていない方向けの求人情報も数多く発信しています。しかし、今回ご紹介したフォークリフト関係の資格を持っていれば、施設内での荷物の移動やトラックへの積み込みなどの仕事も行えるようになるため、より採用されやすくなるといえます。
また、職場によってはこれらの資格所持者に別途手当を支給していることもあるため、所持しているのであれば必ず履歴書に記載するようにしましょう。
制作:工場タイムズ編集部