最近DIYが流行っていることもあり、自宅で簡単なモノづくりに挑戦している方も多いのではないでしょうか。
モノづくりに必要な道具はたくさんあります。それらの道具のなかでも、色を塗るときの塗料選びに困った経験はありませんか?
今回は、塗料の種類と特徴について基礎をご紹介します。この記事を参考に、目的に合った塗料を選びましょう!
塗料を使う目的ってなに?
塗料を使う目的は、大きく分けると「モノを守るため」と「見た目をきれいにするため」の2つがあげられます。
モノを守るため
塗料には、モノの表面に塗ることで丈夫な膜をつくり、保護してくれる役割があります。屋外では、雨風、日射しから守る性質を持ちます。鉄に塗ればサビを防ぎ、木に塗れば腐敗を防ぎます。コンクリートに塗れば、風化やカビを防ぎ、防虫防腐効果も発揮します。
見た目をきれいにするため
塗装することで、見た目を美しく仕上げることができます。色を塗ってイメージを変え、作ったモノのデザインを楽しめるのも、塗料の大きな役割です。
初心者でも安心!水性塗料
水性塗料は、水をベースに作られています。臭いが少なく、初心者でも扱いやすい塗料です。
水性なので、使用後の道具は、水洗いが可能です。もし、手や体についても、水で洗えば落とすことができます。塗ったあとの乾燥時間は、30分~1時間ほど。油性塗料に比べて、乾燥が速いのも特徴です。乾くと表面に塗膜ができます。「塗膜」とは塗料によってできる、表面の膜のことです。これができることで、水に濡れても溶けなくなります。水性絵具のように溶ける心配はないので、屋内外をはじめいろいろな部分に使えます。
最近は多くの塗料において健康面に注意を払って作られていますが、水性塗料は、そのなかでも有害物質の少ない塗料といえます。化学物質に敏感な方でも使えるような、ものも売られています。環境配慮の面からも、水性塗料の使用が主流になってきています。
水性塗料のメリット
1. 臭いが少ないので、塗装後も快適に過ごせる
2. 毒性が低いので、安心して保管でき、室内でも安心して使える
3. 乾く前なら、道具や周囲に塗料がついてしまっても、水で洗えば簡単に落とせる
4. 仕上がりがよいと言われている油性塗料と、ほとんど変わりなく、きれいに塗装できる
水性塗料のデメリット
1. 油性塗料と比較すると、粘り気が劣るので、塗るモノによっては下地作りが必要
2. 気温が低いと乾きにくいので、塗装できない場合がある
耐久性抜群! 油性塗料
油性塗料は、耐久性があるため屋外で使用することが多い塗料です。屋外の鉄部分用、トタン用、木部用など、使用部分によってたくさん種類があります。
水性塗料よりも、油性塗料の方が、長持ちするといわれています。一方、強いシンナー臭がするので、屋内で塗れないのが気になるところ。手などについた汚れを落としたいときや、塗装道具を洗うときには、うすめ液など、油性塗料を落とすための液体を使いましょう。最近は、臭いが少なく、環境にも配慮した“弱溶剤”タイプも出ています。
油性塗料のメリット
1. 屋外の壁などに塗る際、下地を作る必要がないので手間がかからない
2. 粘り気が強いので、雨など落ちにくい
3. 金属との相性がよく、水性よりも簡単に塗装ができる
油性塗料のデメリット
1.強いシンナー臭をともなうので、周囲に不快感を与えてしまう可能性がある
2.毒性の強い液体を使っているため、保管には注意が必要
3.手や道具を洗うときに水で洗えない
金属ならラッカー系塗料
ラッカー系塗料は、乾きが早く、耐久性の高い塗料です。金属との相性がよく、金属を塗装したいときにはオススメです。スプレーが主流で、初心者でも扱いやすいのが特徴。ラッカー塗料をうすめて使いたいときには、うすめ液という液体を使います。但し、うすめ液を使うと、ムラになりやすいので注意をして下さい。また、手などについた場合は、油性塗料と同様にうすめ液を使用すれば落とすことができます。
ラッカー系塗料のメリット
1. スプレータイプなので初心者でも扱いやすい
2. 乾きが早く、耐久性が高い
3. 金属への塗装がもっともしやすい
ラッカー系塗料のデメリット
1. モノによっては下塗り剤などを使って下地づくりが必要になる
2. 手や道具を洗うときに水で洗えない
まとめ
今回ご紹介した塗料の基礎知識は、いかがでしたか?塗料は見た目をきれいにするだけではなく、塗ったモノを守る役割を果たしています。また、水性、油性、ラッカー系などの塗料の種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。その塗料の特性を理解しておけば、あなたの目的にあった塗装ができます。今回は塗料についての初心者編でしたが、プロ級の塗装をするためには下地づくりなどの関連知識も必要です。まずは基本的なことを知って、少しずつレベルアップすることを目指しましょう!
制作:工場タイムズ編集部