工場で働いていれば、作業着に自然とついてしまう「機械油」の汚れ。
普段の洗濯ではなかなか落ちにくいものですが、汚れがつく度にクリーニング店を利用するのは、生地を傷める可能性があり、あまり良い方法とは言えません。実は、機械油はホームクリーニングでも、ちょっとした工夫で十分落とすことができるのです。
今回は、作業着についた機械油の落とし方と作業着を長持ちさせる方法をご紹介します。
工場の作業着を長持ちさせるポイントは?
機械油の落とし方の前に、作業着の正しい洗濯方法についてお伝えします。自宅の洗濯機とクリーニング店、両方で気をつけたいポイントがあります。
洗い過ぎない!
「作業着を洗うな」というわけではありません。洗い過ぎて生地を傷めてしまうことがあるので、気を付けましょうという意味です。作業着を長持ちさせるには、ポイントがあります。それは、洗い替えを用意しておくことです。1着をずっと着るのではなく、2着持つことをオススメします。
着用しない期間を作ると、生地が長持ちします。また、大きな汚れがつく度に洗いたい気持ちはわかりますが、洗濯のペースは週2回くらいが良いでしょう。クリーニング店へ出すタイミングが多すぎても、生地を傷めてしまうことがありますので、汚れの程度を見極めてから出すようにしてください。
正しい洗濯方法で!
洗濯機に作業着を入れるときは、ファスナーやボタンをしめて、裏返しにしましょう。ほかの衣類への引っかかりを防ぎ、生地の負担を抑えます。干す際は、乾いたらすぐに取り込み、直射日光を避けましょう。
また、汚れによって洗濯方法を変えることも大切です。泥汚れなど土系のものであれば、洗濯機に入れる前に、部分的にお湯でこすり洗いをしたり、歯ブラシでこすったりするだけでも汚れの落ち方が変わります。作業場のにおいが気になる場合は、生地の表示に注意しながら、酸素系漂白剤を40度のお湯に溶き、その中に1時間ほど浸してから洗うと効果的です。
効果抜群!ベンジンでの汚れの落とし方
次に、作業着についた機械油のシミの落とし方を紹介します。使うのはホームセンターなどで購入できる「ベンジン」です。
まず、汚れのついた作業着を用意して、ベンジンを使えるか確認します。色落ちするかもしれないので、目立たない場所でベンジンを少量つけてみましょう。数分放置して色落ちしなければOKです。
それから、ベンジンを機械油のシミに乗せて叩き洗いします。このときシミの裏側にタオルを敷くことを忘れずに。こすると生地が劣化してしまいますので、シミを裏側のタオルに押し出すように優しく叩いていくのがコツです。タオルにベンジンを少量染みこませて叩くやり方でも良いのですが、とっておきの方法は歯ブラシです。歯ブラシにベンジンを少量取り、叩き落としていきましょう。
ベンジンを使う際の注意点ですが、叩き洗いをするときはゴム手袋を着用するようにしましょう。また、ベンジンは輪ジミになってしまうことがあります。シミとして広がってしまった場合は、台所用洗剤をつけて再度揉み洗いをしてください。
機械油が手についてしまった場合の落とし方は?
機械油が作業服だけでなく、いつの間にか手にもつくことがあります。
なかなか落ちにくいからといって、石鹸で何度もゴシゴシ洗っていると肌を痛めてしまいます。機械油が手についた場合の簡単な落とし方を紹介します。
まず、代表的なのは「d-リモネン成分」が含まれた石鹸です。d-リモネン成分はオレンジやシトラスなど柑橘類の皮に含まれています。この成分が配合された石鹸で手を洗うと油を溶かし、軽くこするだけで落ちていきます。家庭用洗剤でオレンジ系の成分が入ったものをよく見掛けますが、これは単に匂いを良くするのが目的ではなく、d-リモネン成分が入っているからなのです。
また、研磨剤入りの石鹸を使うのも良いでしょう。ただ、このタイプの石鹸でゴシゴシ洗うと手が荒れる可能性があるため、洗った後はハンドクリームなどを塗ってケアをすることが大切です。
水なしで使用が可能な「ピンク石鹸」という製品もあります。これはピンクの粉末をしていて、工業用洗剤として有名な製品ですが、手の洗浄としても優れた効果を発揮します。
砂糖を使う方法もあります。小さじ1杯程度の砂糖に少量の水を加え、それを手につけて揉み込むように洗うと、すっきり落とせます。
きれいな作業着を着て、気持ちも晴れやかに!
油の種類によっては落ちないガンコなものもありますが、多くの場合はちょっとした工夫と手間で落とすことができます。
きれいな作業着で仕事をするために、毎日洗濯をする必要はありません。週2回、汚れたら洗うようにしましょう。また、洗濯物を干したら干しっぱなしにしないことも大切です。日光や風に当たりすぎるのも作業着の劣化を早めてしまいますので、乾いたらなるべく早く取り込みましょう。
制作:工場タイムズ編集部