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塗装技能士の難易度ってどれくらい? 複雑な知識は必要?

2015/10/10公開 / 2023/05/30更新

住宅の屋根や壁の一部分の色を塗り替えるだけで、大きく印象が変わることがありますよね。塗装によって建築物の印象を大きく変えることができます。

商業用施設から個人住宅の塗装に役立つ資格に「塗装技能士」があります。ここでは、塗装技能士の仕事や試験内容、難易度などをわかりやすく解説します。

塗装技能士とは?

「塗装技能士」は、塗装のスキルがあることを証明する国家資格です。1級から3級とレベル別に試験があります。資格を持っていなくても塗装の仕事をすることはできます。しかし、資格を持っていれば同僚やお客さんからの信頼を得やすくなるでしょう。初心者の人には自分の技術レベルの確認としてオススメです。また上級者の人で将来的に独立を考えている場合にも、取得を考えて良い資格です。

試験にはいくつか種類があります。自分の経験から得意な職種を選んで受験することができる資格です。どのような職種があるのかをご紹介します。

木工

木材や合板とよばれる木質ボードに、塗装をする仕事です。はけ・ローラーブラシ・エアスプレーなど、材質に合わせて適切な塗装作業ができるかどうかが問われます。使用する道具に関する知識も必要です。

建設

建設分野の塗装はビルやマンションの大規模修繕ができる技術です。比較的大きな建物の外観の仕上げや修理をします。建物の価値を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスという観点から言えば、建設を得意とする塗装工の場合、同時に水漏れや地震対策まで考えた塗装をしています。

金属

金属分野の塗装は金属製品への塗装技術です。まず塗装前には下地を塗ります。また、塗装部分以外を塗らないように保護する作業なども塗装の前後作業に含みます。金属の塗装に関する知識は塗装の基礎と言える内容です。基本の技術を身につけるときは、まず金属塗装での受験がオススメです。

噴霧

エアスプレーを使った塗装に関する内容が中心です。塗料を噴射するときの圧力を調整したり、均一に塗ったりする技術を確認します。噴射するときの強さと勢いによって、塗料の濃さや付き方が変わります。

鋼橋

大規模な橋の塗装工事を行います。見た目の美しさはもちろん、地域の人が安心して橋を利用するためにも塗装の技術は大切です。正しい塗装をすることで、橋を雨風に強くすることができます。

塗装技能士を取得するメリット!

技能士資格を取得するメリットは、客観的に技術力が証明されることです。資格があれば塗装の仕事をする上で有利に働くことがあるでしょう。塗装の依頼を受けたときに資格の所持者であることを伝えれば、お客さんに安心してもらえるかもしれません。また、資格所持者を優遇している会社であれば、給料が上がることもあるでしょう。

また、塗装技能士を取得することで実務経験のアピールにも役立ちます。この資格は上の級を受験するために一定の実務経験が必要になります。そのため、資格をとれば長年にわたって塗装の経験を積み重ねてきたことの証明にもなります。

試験を受ける前に知っておくべきこと

塗装技能士は、厚生労働省が行う技能検定の一つです。技能検定は、合格者の技術レベルがわかりやすく判断できるようにつくられています。受験種目の選択ができますが、普段使っている技術とは違う課題が出される場合があります。事前にWebサイトなどで実技課題の内容を見て練習しておくと安心です。

試験内容は、知識を問う「学科」と技術を確かめる「実技」に分かれています。学科は○×式と選択式。問題内容を確認するなど準備をしておけば回答できる基本的な内容が出題されます。

各等級受験には受験資格が設定されています。実務の経験を積むことで受験することができるようになります。

●1級:実務の経験が7年以上ある人が受験できる
●2級:実務の経験が2年以上ある人が受験できる
●3級:初心者でも受験できる

以前まで3級受験にも、6か月の実務の経験が必要でした。現在は、実務の経験がない初心者の人でも受験できます。仕事を始めたばかりの人や塗装の趣味がある人、興味がある人が、基礎知識を確かめるために受験します。初心者の人はまず3級で基礎を身につけるところからチャレンジしましょう。数年たって仕事に慣れてきたころに、2級、1級とステップアップしていくことになります。資格を成長の目安にして、技術習得計画を立てるのも良いでしょう。

塗装技能士を目指して

塗装技能士は、経験だけでなく幅広い知識を持ちます。自分の成長のためにもなりますし、同僚やお客さんの信頼を得るためにも役立ちます。資格を取得したときの達成感も大きいはず。一人前の塗装工としての活躍を目指している方やキャリアアップなどに使える資格です。

制作:工場タイムズ編集部

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